イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

秋の音 「さみしがり屋の言葉達」

音楽ひとつまみ。

 

以前、過去に選曲した秋のR&B集が見つかった、と書いたのですが、秋の邦楽集も同時に見つかり、ひさしぶりに聴いてみると1曲目が安藤優子「さみしがり屋の言葉達」でした。携帯電話のCMソングでしたので、聴いたことある方は多いと思います。

安藤優子「さみしがり屋の言葉達」

(avex公式アカウントより。レコード会社がきちんと発信してくれるのって嬉しいですね。海外では定番ではありますが、日本でもそうなってくれることを願うばかりです)

あまりに切ない、そしてリアルな痛みすら覚える歌詞。でありながら、言葉は刃のようにではなく、あくまでやさしく忍び込んでくる感じがするんですよね。たとえば、”嫌い”という言葉がサビはじめに出てきますが、ドラマティックさと流麗さが合わさったメロディラインに言葉があまりにも自然に溶け込んでいるために、言葉の尖りが、いい意味で直に伝わりにくい感じを抱くんですよね。(なので、ネガティヴな言葉に違和感を懐きにくい) でも、後からジワジワ来るわけで、惹かれるものがあります。

歌詞は安藤優子さん自身によるものですが、作曲は宮川弾さんが手がけていて、2005年のリリース時以降、宮川弾さんへの興味も高まっていった次第。翌2006年、宮川弾アンサンブル名義で発売されたアルバム『pied-piper』(iTunesにて試聴可能)では、逆に安藤優子さんが参加。よりかわいらしいメロディとおもちゃ箱をひっくり返したような室内楽的アレンジが楽しくやさしく、でもこちらもたしかに心にジワジワ忍び込んできて、愛聴盤になったものです。2009年の宮川弾名義でのセカンドアルバム以降、リリースがないのは淋しいと思っていた矢先、南波志帆さんのメジャーセカンドアルバムにて「胸騒ぎの惑星」を提供とアナウンスが。宮川弾さん自身の作品ではないものの、期待したいところです。

 

ちなみに、先述した秋の邦楽集ですが、かなり切なく淋しい曲が前半と中盤を占めていて、移動時に聴いたら”当時の自分って大丈夫だったのか?”と思ってしまった次第。