イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

虹を感じ虹を掴め (東京レインボープライド2015 パレード開催に寄せて)

今月、連日で放送された二つの番組が共に、”MISIAがゲイの方に愛される”ことについて触れていたのが印象的でした。

マツコの知らない世界』(TBSテレビ 毎週火曜21時)ではボイストレーナー亀渕友香氏がMISIAさんのボイストレーナーであったこと、マツコ・デラックスさんがデビュー時に新宿のクラブで観たことを告白。『ミッツ・マングローブオールナイトニッポンGOLD』(ニッポン放送 毎週水曜22時)では学生時代からの親友でラジオDJ秀島史香さんとのトークの際、MISIAさんのデビュー時にゲイの先輩ダンサー達が彼女のバックダンサーを務めていたことをミッツ・マングローブさんが話していました。

 

ゲイの方が好む音楽のジャンルに”オネハ”というものがある、というのは以前書きました(邦楽”オネハ”界の元祖はアイドルだった?(2012年11月18日付)参照)。MISIAさんは初期にリミックス集を数多くリリースしており、その中にはハウスアプローチも多数存在。またデビュー曲こそR&Bでしたが、そのR&B界では同時期にホイットニー・ヒューストンやデボラ・コックスなどがハウスリミックスを数多くリリースしていたわけで、彼女たちと同じアプローチを試みたMISIAさんはそういった音楽を好むゲイの方々の間で本当に人気だったんだなあと実感します。

 

 

さて、今日4月26日は【東京レインボープライド2015】のパレード開催日です。

東京レインボープライド Tokyo Rainbow Pride | 東京レインボープライド2015 Tokyo Rainbow Pride 2015

 

イベントのTwitter公式アカウントを見て知ったのですが、タワーレコード、GAP、日本IBM等の有名企業が参加/協賛しているという事実に、LGBTコミュニティをきちんと考えようとする風潮が少しでは出てきたのかなと感じています。他方、ゲイイコールオネエというステレオタイプの見方が未だ多いことや(実はその点について、『ミッツ・マングローブオールナイトニッポンGOLD』の別日の放送でミッツさんが、自身のようなオネエ(タレント)の存在がステレオタイプの見方に少なからず影響を与えているのでは、と言及していたことが印象的でした)、渋谷区に端を発する同性カップルへの証明書発行の動き以降、それを快しとしない人々の反対の機運が激しさを増していることは残念です。しかも反対の機運から発せられるものは常識を逸脱した尖った意見、そして言葉の汚さであり、閉口せざるを得ません。

汚い言葉を発する方は、その人自身が抱く”LGBTが嫌い”というあくまで個人的な感情を、社会的な正しさであると(もしかしたら平然と)すり替えているように思えてならないんですよね。好きか嫌いかはあくまで個人的なものであること、LGBTは間違いなく存在することをまずは認めるだけで状況は好転すると思うのですが(その上で、嫌いならば攻撃せず、関わらなければいいだけでは、と)。そのすり替えなどに至らせる感情論は、LGBTに限らずあらゆる諸悪の根源のような気がしてなりません。

 

 

LGBTコミュニティの社会運動を象徴するものにレインボーフラッグがあります。このレインボーをテーマにした歌をMISIAが歌いシングルリリースしていた経緯があり、ポジティヴな歌詞、また音楽がPWLライクな80'sディスコ感全開というゲイが好む音楽の一ジャンルという点において、彼女がLGBTコミュニティへの恩返しを行おうとして発表したのかなと思った次第です。

パレードの成功、そして少しでも多くの方がLGBTを考えるようになることを心から願います。