イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ビルボードジャパンのチャートが今月リニューアルへ

ビルボードジャパンのチャートが変わります。

シングルチャートでは2つの指標が加わり5→7指標で総合チャートを作成、またアルバムチャートはセールスのみの指標から2つの指標が加わり3指標での総合チャートが作成されます。変更日は6月3日(水曜)。詳細は下記に掲載されています。

 

ビルボードジャパン・チャートが6月にリニューアル!チャート・インサイト・サービスがデビュー | Special | Billboard JAPAN

 

シングルチャートに新たに加わる指標のひとつ、プチリリのストリーミングサービスは、歌詞の表示回数によってストリーミング再生数を推測したもので、厳密なストリーミング再生数とは異なるでしょう。日本ではストリーミングサービスが根付いてはいないため(日本は定額制音楽配信サービスの”黒船”が来港出来ないままの”鎖国”である(2月11日付)にて私見を掲載)、時期尚早と捉える方もいるかもしれません。

 

しかしながらアメリカでは既に、ストリーミング再生数は既にビルボードチャートの一指標として加えられています。また米ワーナー・ミュージック・グループではストリーミングの売上がダウンロードを超えたと報じられ([海外] ワーナーミュージック、ストリーミングの売上がダウンロードを上回る | Musicman-NET(5月13日付)より)、ストリーミングサービスは既に一般化していると言っていいでしょう。アメリカのみの例示ではありますが、世界中でストリーミングサービスは普及している模様で、ほぼ日本だけが取り残された状態。というより、レコード会社等の”都合”によってサービスが普及していないゆえ、取り残されたのは日本のユーザー側ではあるのですが。

 

それでもこのストリーミング再生数を、敢えて指標に加えようとしたビルボードジャパンの対応は、今後ストリーミングサービスが日本で普及する可能性を踏まえてのことかもしれません。そして同時に、ストリーミングサービスを普及させないと日本はもっと後進的だと言われかねませんよ、というレコード会社や歌手、いわば発し手への無言の圧力なのかもと思うのは考え過ぎでしょうか。カラオケなどで歌われる曲は決してセールス1位曲とは限らない(それどころか”アナ雪”関連曲などはシングルセールス自体なかったためオリコンではランクインしなかった)などという事実を踏まえれば、多くの人が愛聴する曲がきちんと上位に登場するチャートのほうがヒットを映す鑑になるものと考えます。

 

 

ビルボードジャパンには自身のチャートに対するより多くの支持を、特に発し手やメディアから集めることが大切です。ストリーミングやエアプレイ等の指標がCDセールスほどの利益にならないと考えているであろう発し手に対し、中長期的な視野で考えれば有益であることを訴求する必要があります。その問題がクリア出来ればチャートは普及するでしょうし、日本の音楽ファンはより好い音楽に触れやすい環境を得られるはずです。ビルボードジャパンには是非とも頑張っていただきたいものです。