イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ファレル・ウィリアムス「Happy」が影響を与えた曲、ミニプレイリスト

今年上半期の私的邦楽ベストを鋭意選出中なのですが、CDを購入したり借りてもパソコンへインポートするのみで聴き逃し...ということが正直いって多く、チャートへのランクインを確認してあらためて(というか初めて)チェックするということ多数この曲もそうでした。きちんとチェックしないといい曲を逃してしまいますね。

 

安藤裕子「Live And Let Die」(from『あなたが寝てる間に』(2015)→iTunes Store)

 

上記リンク先で一部視聴可能。ビート、高いメロディではじまるサビ(その後に対照的な低いメロディが出てくるとは限らないのですが)...おそらくは安藤裕子さんなりにファレル・ウィリアムス「Happy」を踏襲しているのではないかと。昨年の私的邦楽ベストで「Happy」を踏襲した(と思しき)平井堅「ソレデモシタイ」、さかいゆう「Headohone Girl」の2曲を選出した(2014 JP Songs Best(2014年12月31日付)より)自分にとって、「Live And Let Die」はストライクなのです。

 

で、調べてみると、アルバムの担当ディレクターがこの曲について解説している文章が。

敢えて最初にネタバラししてしまうけど、ファレルのHAPPYを聴いたときに、なんて素晴らしい曲なんだと驚いた。そう、これは思いっきりそこを意識して作り始めた曲です。が、色々やっているうちに、もう少しWARみたいな、”いなたい”感じの仕上がりになってきて、ドラマーも当初の想定とは違う、重戦車“矢部浩志”さんを起用。フレーズをまたぐようなカッコ良すぎのフィルと、職人ベーシスト 沖山優司さんの作り出すメロディアスなラインが相まって、素晴らしい仕上がりに。アイゴン(會田茂一さん)のイカしたギターもスパイシーでナイス!サックスは国内屈指のサックス・プレイヤー 山本拓夫さんがお一人で3管重ねておりますが、3管をなんと50分でレコーディング終了(有り得ない早さです)。帰り際に、「アレンジが本当に素晴らしくて燃えました」って言ってくれてアレンジャーが照れていた。個人的今作のハイライトは、実はこれ。

安藤裕子 「ディレクターによるニューアルバム『あなたが寝てる間に』制作備忘録」公開|HMV ONLINE(1月21日付)より

やはり「Happy」を意識してたのですね。そしてそこに"いなたさ"が加わることで、彼女独特の声質とアレンジがマッチしたんだなあと実感。アルバムからこの曲がラジオでかかることが多く、J-WAVE TOKIO HOT 100チャートにもランクインしていました。

 

 

ファレルの「Happy」は、「Live And Let Die」などのような踏襲曲以外にも、純粋なカバーも多数登場しています。邦楽だけでも平原綾香さん、佐藤竹善さん、青山テルマさん、UNCHAIN等のカバーが確認出来ますが、中でも露崎春女さんによるカバーでは、ひとりアカペラ(多重録音)に挑戦。非常に心地よい仕上がりとなっています。

露崎春女「Happy」(from『ONE VOICE』(2015)→iTunes Store)

歌唱にもっと力強さがあってもいいのかもと思いつつ、多重録音用の歌唱に徹しているゆえ、声やメロディの美しさが際立つんですよね。聴いている側も心が弾み、楽しくなる感じがします。

 

 

昨年の私的ベストで取り上げた2曲、そして今回の安藤裕子さんおよび露崎春女さん版に加えて、今後も良質な踏襲曲やカバーはきっと登場することでしょう。良質な派生曲の登場を心待ちにしています。