イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ゴスペルおよび引用元のクレジット未記載に関する疑問

アレサの音楽の支柱がゴスペルであることをあらためて実感出来る記事。

アレサ・フランクリン、有名な牧師だった父と兄のために教会で歌う | Daily News | Billboard JAPAN(6月9日付)

 

最近では(といっても10年近く前ですが)、映画『ボビー(原題:Bobby)』(2006)に用いられたメアリー・J・ブライジとの共演によるゴスペル曲、「Never Gonna Break My Faith」も素晴らしく、第50回グラミー賞(2008)のベスト・ゴスペル・パフォーマンス賞も獲得しました。この新旧(いや、旧と言ってしまうのを躊躇うほどのパワフルさよ!)の"クイーン・オブ・ソウル"の共演作だけで、一枚アルバムを作ってほしいと切望します。それが出来なくとも、久しぶりのゴスペルアルバムを是非ともお願いしたいところです。

 

最近は日本でも、まんまゴスペルとは言わないまでも、ゴスペルクワイアを起用することでアレンジ面においてゴスペル的アプローチを施す楽曲が増えています。昨年末リリースされた、アメリカの人気ラッパー、ファボラスを客演に迎えたAK-69のシングル、「Oh Lord」も、バックにゴスペルクワイアを配置。

こういう使われ方もあるんだなあと。たしかにトラックはより重厚になり、非常に格好良いです。

ただ、これはあくまで私見ですが、日本語のライムが神(=Lord)というタイトルと乖離しているように見えたこと、そしてオペラっぽいクワイアはゴスペルの有名曲から引用しているはずなのですが(実は自分が以前所属していたゴスペルクワイアで歌ったことがありながら、曲名を失念してしまいました...)、曲のクレジットには曲の引用について触れられていないことに、引っかかりを覚えた次第です。

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(取り急ぎの撮影でしたのでぶれてしまいました。また、掲載に問題があればコメント等残していただければ削除させていただきます)

上記はアルバム『THE THRONE』のクレジット。リミックス版となっていますが重厚なクワイアはきちんと残っています。コーラスに4名記載されていることからサンプリングではなくメロディの引用ではないかと想像出来るのですが、ならば作曲者欄に引用した楽曲のソングライターを記載してもいいのではないでしょうか。それともライムに直接関係のないアレンジの部分だから未記載でOKだという認識が仮にあるとしたら、その考えは問題ではないかと思うのです。

それこそ100年ほど前のトラディショナル作品は引用元ならば著作権フリーなのかもしれませんが、そうではない場合は引用元の楽曲関係者にことわりを入れないと無礼だと思うのです。ことわりを入れることイコールクレジットの掲載だと考えると(いや、著作権フリーの楽曲であれクレジットする必要はあると思いますが)、今回のクレジット未記載の件には疑問を抱いてしまいます。引用元の楽曲を(この問題を意識しだした2週間ほど前から)思い出せないままなので強くは言えないのですが...。

 

ゆえに、クワイアを引用したセンスの良さは好みなのですが、そういう裏が見えてしまうと、曲を好きになりそうな気持ちが萎えてしまうのです。