先月弘前に初出店した天丼てんやが好調です。少し前の記事ではありますがご紹介。
7月15日オープンした「天丼てんや弘前店」(弘前市南大町、TEL 0172-36-1518)の1週間の売り上げが、全国1位を記録した。
・弘前の「てんや」国内1位の売り上げを記録 「口コミ効果」と担当者 - 弘前経済新聞(7月26日付)より
弘前市への外食および小売チェーンの進出はスターバックス(4月)、セブン-イレブン(6月)に次いでのこと。オープン直後の効果はあれど、全国1位とは凄いことです。
この天丼てんや、弘前店が北東北では初出店とのこと。そういえば、青森県内において弘前市を中心とする津軽地方にしかない外食チェーンが少なくないのでは?とふと思い、調べてみたところ。
・そば処吉野家 弘前中央通り店(県内唯一)
・ロッテリア 藤崎イオン店(県内唯一)
・ラーメン山岡家 弘前店(県内唯一)
・BAGLE & BAGLE 青森ELM店(北東北唯一)
・マザーリーフ 弘前店(東北唯一)
マザーリーフはモスフードサービスが展開する、紅茶とワッフルが売りのカフェ。ロッテリアはかなり早い段階からの出店ですが、それ以外はここ数年で出店されたと記憶しています。
また、県内もしくは(北)東北唯一とまではいかなくとも、たとえばなか卯は弘前市と八戸市に、タリーズコーヒーはつがる市とおいらせ町にあります。また弘前市国道7号線沿い、ニトリの駐車場の一角に津軽地方では初のくら寿司が出店するのですが、こちらも八戸市に次いで県内二店舗目。比較的早い段階での出店となります。
これら外食チェーンを挙げてみて、すべて青森市に未出店だということに気づきました。いや、青森市にあって弘前市等にはない外食チェーンもありますが(大戸屋、サンマルクカフェなど)、県内で5店舗をも展開しているココスも青森市にないことを踏まえると、どちらかといえば青森市よりも弘前市(とその周辺)や八戸市(とその周辺)への出店のほうが多いように思うのです。もしかしたら、外食チェーン側にとっては弘前市や八戸市のほうが出店しやすい環境なのではないでしょうか。
これは青森市に住む知人に聞いた話ですが、青森市の住人が買い物する場合は市内よりも五所川原市のELMに行くほうが多いとのこと。わざわざ1時間以上かけて行くだけの価値がある、という言い方も出来るでしょうが、逆に言えば魅力的な店舗が青森市には多くないとも言えるのかもしれません。これは外食産業やファッション業等の業態に関係なく当てはまるようです。
以前、青森県の主要3市(青森市・弘前市・八戸市)にはタワーレコードとHMVが存在しないと記載しました(青森県津軽地方の新品CD購入環境の変化(2月28日付))。その際、(死語かもしれませんが)モータリゼーションの普及による郊外化の流れと、逆行する3市の保守性への辟易が理由ではないかと記載しました。現在青森県内でとりわけ人気のショッピングモールはいずれも郊外にあり(五所川原市のELMとおいらせ町のイオンモール下田)、五所川原は青森市にも近いもののどちらかと言えば弘前寄り、おいらせ町は八戸市から30分ちょっとの場所にあります。となると、広義での”弘前”および”八戸”から県内進出を果たそうと考えるのは自然なことではないでしょうか。
一方で青森市は、郊外のショッピングモールへの流出もあってか、駅前商店街の疲弊が目立っています。テコ入れのための予算組みや計画等は見られますが、まずなにより車に優しい街づくりにしないと利用者にとっても行く気が削がれるかもしれませんし、外食チェーン等からしても魅力的に映らないのかもしれませんが個人的な推測に過ぎません。ならば、青森市に進出していない外食チェーンに、”なぜ青森市には進出されないのか”と率直な意見を聞いて回り、どんな辛辣な意見も受け入れるところからはじめてみては如何でしょう。その上で計画の再編に努めることを薦めます。