イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

少年隊のオールタイムベストを切望する

昨日触れた解散の件は事実であるところが大きかったようですね。とはいえ、ならば第一報を放ったメディアはきちんとその出処を明らかにしてほしかったものです。情報源となったいわゆる”関係者”が匿名を望んだのかもしれませんが、”関係者”という表現は話した相手、そして報道である発し手の責任の所在を霧の中に(半ば都合よく)隠しかねず、それゆえ記事の説得力は薄いと考えます。今回、第一報を受けて他社がこぞって取材に勤しんだ結果として事務所からの公式文が発表されたわけで、他社に第一報の信憑性を証明させたようなものではないでしょうか。

 

 

 

さて、昨日書く予定だったエントリー。それは、【少年隊のオールタイムベストアルバムを発売してほしい】というものです。

 

今週発表されたオリコンアルバムチャートにおいて、嵐『Japonism』がミリオンを達成しました。

このアルバムについては、彼らのオリジナルアルバムとしては初めて3種発売されたものであり、それゆえ初週セールスも前作より大幅増となっています。

3種のうちのひとつは、少年隊がシングル「仮面舞踏会」のカップリングに収録された「日本よいとこ摩訶不思議」のカバー等を収録した”よいとこ盤”で、同カバーは10月23日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)で披露されました。

メディアの露出もあり、さらにミリオンセールスを記録となると俄然、少年隊のオリジナルバージョンに興味を抱く人は多いはず。音源を手に入れたいと奔走している人はいらっしゃるでしょう。ところが、オリジナルの「日本よいとこ摩訶不思議」、音源を手に入れるのは一般では不可能に近いのです。

 

少年隊のディスコグラフィーを見ると(ジャケットが掲載されているのは公式ホームページゆえ、でしょう)、ベストアルバムは1988年リリースの『BEST OF 少年隊』のみですがそこには未収録。シングル「仮面舞踏会」は3種存在し、そのうち「日本よいとこ摩訶不思議」が収録されたものはAmazonで1万5千円近い値がつけられています(本日6時現在)。Amazonで楽曲名を入力して出てくるのは、これら少年隊の2作品および嵐のアルバムのみですので、たとえばオムニバスアルバムに収録…ということはなさそうです。iTunes Storeでの配信もありませんでした(尤も、ジャニーズ事務所所属歌手専用の配信サイトがあり、そこで配信されているのかもしれませんが)。

で、検索しているうちに気になったのは、先の『BEST OF 少年隊』も十分なものとはいえないということでした。「仮面舞踏会」はベストアルバムにおいて『リミックス、ボーカルの録り直しがされている』バージョンが収録されており(仮面舞踏会 (少年隊の曲) - Wikipediaより)、ベスト盤でオリジナル音源を聴くことは出来ないのです。発売時の音源に納得がいかなかったのかは定かではありませんし、ボーカル撮り直し版は他の歌手でも多く見られることですが、これ以外にベストアルバムがない以上、オムニバス『青春歌年鑑1986』を手に入れない限りオリジナル音源を聴くことが出来ない…という、面倒なことになっています。

こういった事態について、Amazonのベスト盤ページに掲載されている、最も参考になったカスタマーレビューにおける”憂い”が、ファンの気持ちを強く示しているものと言えます。ジャスミン☆こうさんという方による、『いつまでも焦らさないでほしいです』というレビューを勝手ながら掲載させていただきます(問題があれば削除いたします)。

この中途半端なベストだけではもう満足できません。コアな少年隊のファンにもシングル曲を全部集められない状態であります。下手すれば聴いたことすらないシングルがたくさんあるはずです。

 

この後の順番から

「LADY」 「SILENT DANCER」 「ふたり」 

「What your name?」(この曲がとくに今でも絶大の人気がある)

「じれったいね」 「まいったね今夜」 「封印LOVE」 …

まだまだ続くけど…

せめてこのベストテンで1位獲ってた時代の曲、つまり黄金のアイドル期の曲くらい追加した「BEST OF 少年隊」のSPESIAL EDITIONくらいのリリースがそろそろあってもいいと思いませんか?

 

先輩の近藤真彦はベストを2年連続で出してるし、昔からの少年隊のコアなファンの人がCDで全部のシングルを聴けないのは悲しいですね。(このアルバムの「仮面舞踊会」もシングルとは違うし)それに一般にもまた少年隊が聴きたいって思ってる人も沢山いると思います。

オークションでこのベストに収録されてないシングルが高額な取引をされてる実態なんですよ!!それでいいんでしょうか?

 

少年隊やレコード会社の方 ちょっと冷たくないですか?

Amazon.co.jp: 少年隊 : BEST OF 少年隊 - 音楽より

”憂い”というか、むしろ”怒り”に溢れていますね。ファンですら、こういう心境なのです。

このレビューが掲載されたのは今からおよそ9年前、ですが事態は何ら変わっていません。その間に、昨年12月12日にデビューからちょうど30年を迎えました。ならば、”デビュー30周年”と銘打った、そしてオリジナル音源にこだわったオールタイムベストをリリースしてもよかったのではないでしょうか。嵐がカバーしたことで「日本よいとこ摩訶不思議」が注目されたゆえなおのこと、です。このオールタイムベスト渇望論は、自分が担当させていただいているラジオ番組のスタッフの方も何度となく話していました。

 

 

自分も、山下達郎さんが手掛けた「湾岸スキーヤー」(1998)の音源欲しさに、オムニバス『フジテレビ開局55周年記念 LEGENDARY SPORTS ANTHEM』(2014)を借りたものです(尤もこの曲については、オリジナルアルバム『Prism』(1999)にも収録され、音源は比較的容易に手に入るようですが)。邦楽でよくあるような、ベスト盤を数年おきに発売するという行為には首を傾げますが、逆に出さないのであれば、オリジナルアルバムおよびシングルは比較的容易に手に入るよう徹底していただきたいものです。それが厳しいならば、やはりベストアルバムの用意は必要でしょう。