イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ラジオCMは何よりもまず発し手がその内容を反芻せよ

TBSラジオポッドキャストをよく聴くのですが、『たまむすび』(TBSラジオ 月-金曜 13時)のポッドキャストを再生したところいきなり、”ポッドキャストTBSラジオを聴いている皆さん”、という声が。『たまむすび』出演者とは関係のないその音は、スピードラーニングという商品のCM(の男性の声)でした。今週水曜の配信分以降、巻頭に1分という尺で用意されています。

 

自分はスマートフォンで聴いているのですが、15秒早送りを四度押し、本編へ進めています。

 

というか、正直言ってしまえば不快なのです。それはCMそのものを挿入する行為においてが一つの理由。ポッドキャストにCMを入れる行為は、ある種ラジオ以上に効果的です。ラジオを聴く行為は能動的でもあれば受動的でもあり(後者は”たまたま耳にする”と置き換えて良いでしょう)、後者においてはCMの効果が薄いものと考えますが、ポッドキャストは能動的に聴く(音源を自らダウンロードする)行為であるため、積極的になって音源を聴こうとする人にはよりダイレクトに届くでしょう。しかしながらその聴き手の積極性を、ともすればCM挿入が邪魔してはいないでしょうか。”せっかくの楽しみを邪魔しやがって!”という気持ちになりはしないでしょうか。無論、CM挿入は発し手たるTBSラジオにいくばくかの収入をもたらすこと、受け手である我々は無料でポッドキャストサービスを受けていることを考えれば、強くは言えないのですが。

 

不快に思うもう一つの理由は、この男性が(スピードラーニングを販売している)エスプリラインの人であること以上の情報がないということ。この男性の名前が判らないのです。このスピードラーニングのCM、他局でもよく流れており、たとえば『face』(JFN系 毎週月-木曜 13時30分)のゲストコーナーの後、15時40分過ぎになると3分強のCMが流れ、そこではこの男性(声が似ているので同じ方と思われます)がメインとなって、女性出演者(商品紹介者)数名とやり取りしているのですが、女性出演者が名字だけではあれど名乗っているのに対し、この男性が名乗るのをついぞ聴いたことがないのです。いや、名乗るのは商品紹介情報に集中してもらうため(余計な情報を流さないため)と言うかもしれませんが、通販関連のCMやミニ番組で名乗りでない人は聞いたことがありません。そしていくらこの商品が、石川遼選手等有名人が使用していることで怪しい商品ではない(安心感がある)と頭では理解していても、CMホストが名前を名乗らないだけで”名前を言わないのは何かしらの後ろめたさがあるからだ”と受け取る人がいるのではないでしょうか。仮にそこまでの考えには至らないとしても、不気味な印象を抱いてしまう人はいるはずです。きちんと名乗り出るということは、商品への責任感も、商品への自信も示していることに繋がると思うのですが、いかがでしょうか。

(ちなみに、この男性の滑舌の悪さも、悪い意味で気になります。ラジオCM専用で喋っている方ならば、やはり滑舌の改善は必要でしょう。)

 

 

このようなCMを、ポッドキャストで据えられることに違和感を覚えます。無論ラジオの本編で流れても、やはり違和感は拭えません。スポンサー、CM制作側は勿論のこと、ラジオ局側についても(つまりはすべての発し手が)、内容に問題はないか、受け手に不快感を与えやしないかということをオンエア前も後でもきちんと反芻し、問題あれば早々に差し替えるよう、徹していただきたいと切に願います。