イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

広瀬香美とAKBをつなぐ編曲家のディスコティーク仕事

私がスタッフの一員として携わるラジオ番組、『わがままWAVE It's Cool!』(FMアップルウェーブ 毎週日曜17時 ※サイマルラジオで聴取可能です)。来週は、1998年のこの日に長野オリンピックが開会したこと、大鰐町でスキーのインターハイが行われていることにちなんで、【ウインタースポーツ】という音楽特集をお送りします。冬季五輪のテーマ曲、スキー関連のCM曲、ウインタースポーツを題材にした映画の主題歌等、何気に結構あるものです。

ただ...この特集が思いついた時に女子大生DJ陣に話を振ったところ、彼女たちはこの音楽特集にピンときておらず...なんせ、アルペンやkissmarkのCMに馴染みが薄く、さらにJR SKISKIもこちらでは多分CMオンエアがないわけです。いわゆるジェネレーションギャップを痛感してしまいました。

 

さて、自分の世代(いわゆるアラフォー)にとって、ウインタースポーツを題材にした作品を歌うウインターソングの定番といえば、広瀬香美さんではないでしょうか。アルペンCMソングは数知れずですが、もしかしたら多くの人が思い出すのは「ロマンスの神様」「幸せをつかみたい」そして「ゲレンデがとけるほど恋したい」かと。おいおいゲレンデが溶けたら大惨事だろというツッコミもあるでしょうが、その確信犯ともいえるタイトル付け、そして強く突き抜けたボーカルも相俟って、それらの曲を強く認識しているはず。そんな中、動画でCM集というのがありチェックしたところ、"アルペン後期"に放たれたこの曲にヤラれてしまい、以来ヘビーローテーション中です。

広瀬香美「恋のベスト10」(1999)

もはや完全なるディスコミュージック。彼女独特のハイトーンボイスがそう聴こえさせない部分もあるけど、特にストリングスの使い方がソウルっぽい印象を抱かせます。サビのおおよそJ-Popらしくない着地点も個人的には大好きです(逆にいえばそれが広く一般には浸透されなかった要因かもしれず、オリコンセールスチャートでは週間最高33位にとどまっています)。

で、クレジットを見てみると、編曲は井上ヨシマサさんとのことで、思い出したのはこの曲でした。もしかしたらアレンジの源流は「恋のベスト10」かもと思った次第。

AKB48これからWonderland」(2011 シングル「Everyday、カチューシャ」c/w)

BPMも異なるので源流と決めつけるのは早計でしょうが、空気感や格好良さにおいてこの2曲が自分の中でつながった次第。ちなみに「これから~」については【Diggin'】08. アイドル×ディスコティック(2012年11月23日付)でも記載済でした。ディスコティークが大好きであること、またここ数年のディスコティークな曲のムーブメントも踏まえ、井上ヨシマサさんのディスコティーク仕事を掘っていきたいなと実感しています。

 

最後に、「これから~」で検索すると関連ワードに"黒歴史"と出てくるんですが、こういうディスコティークのアプローチがあったから後に「恋するフォーチュンクッキー」が登場したのではと考えると、こういう曲調も十分ありではないかと思っています。