イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

R&B女性3人組の新鋭、キングがTOKIO HOT 100に初登場

昨日付の『J-WAVE TOKIO HOT 100』(J-WAVE 毎週日曜13時)にて、100位に初登場したのがキング「The Greatest」。同チャートは決まって100位に初登場作品が用意されるため(ごく稀に再登場もありますが)、正直言ってその点には不信感を抱きかねないのですが、良い方に解釈するのであれば、”これからプッシュしていくお勧めの曲を番組冒頭に据えましたよ”ということになるかもしれません。案の定というかその策略通りというか、この「The Greatest」はいたく気に入りました。

・KING「The Greatest」

ファミコン世代には懐かしいこの映像世界ですが、エイティーズ感溢れる浮遊感を伴ったトラックと不思議にマッチしています。サビらしいサビはなくともすれば盛り上がりに欠けるきらいはありますが、サビらしいサビがないため永遠にループするような中毒性の高さがあると言い換えることも出来るでしょう。

 

KINGは来月初週に初のフルアルバム、『We Are KING』をリリース。安心と信頼の(と言っても過言ではない)P-Vineから国内盤がリリースされ、ライナーノーツをbmrの未崎裕之氏が担当するという意味でも、質の高さは保証されたと言ってよいでしょう。そのbmrにて彼女たちの経緯やアルバムの全曲試聴などチェック出来ますので是非。

 

「The Greatest」のイントロを聴いて真っ先に想起したのがSOS・バンドのこの名バラードでした。

・The S.O.S. Band「Tell Me If You Still Care」(1983)

「Tell Me…」のプロデュースはジャム&ルイス。そのジャムことジミー・ジャムがKINGの処女作『The Story』(2011)について、『お気に入りの一枚だと褒め』(上記bmrの記事より)ていたのもうなずけますね。KINGの音世界は、ジャム&ルイスが手掛けてきた楽曲群をおそらく愛しているからこそ生まれる温かみとメロウネスを伴っており、また三人のコーラスワークはジャム&ルイスがタッグを組み続けてきたジャネット・ジャクソンの一人多重コーラスを想起させるような美しさがあります。

KINGについては、彼女たちのトラックをケンドリック・ラマーがサンプリング使用したり、ロバート・グラスパー・エクスペリメントがグラミー賞受賞作『Black Radio』(2013)で客演に迎えたり等、業界内で既に支持されているのですが、個人的には、インディ界で長年活動するエリック・ロバーソンが一昨年彼女たちを起用した曲に魅了されてしまいました。

・Eric Roberson feat. KING「Just Imagine」(2014)

KINGの歌うサビのなんという美しさ…この曲が収録されたエリックのアルバム『The Box』をスルーしていたので、今聴き惚れている分だけ同じくらいの後悔に苛まれています。

 

 

ゴールデンウイークには東京と大阪で来日公演の開催も決定。アルバムを気に入った方は是非、(遠方の方は旅行がてらに)来日公演に行ってみてはいかがでしょうか。