イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

石田純一「ジゴロ」が取り持った縁?

一昨日から開催の弘前さくらまつり。今年は開花予想日が例年に比べて早まったことから、16日からを”準まつり期間”として夜間のライトアップ等を実施しています。その準まつり期間にちなんで(?)、昨日放送の『わがままWAVE It's Cool!』(FMアップルウェーブ 毎週日曜17時)では【(歌手名に)じゅん】をテーマとする音楽特集をお送りしました。じゅん・ジュン・純…じゅんが付く歌手を思い巡らすうちに、真っ先に浮かんだのがこの方。未配信だったので中古CDを取り寄せました。

https://www.instagram.com/p/BELFGPsPkNA/

石田純一さんのアルバム、『Egoist』(1992)。収録曲の「ジゴロ」を以前コサキン(小堺一機さんと関根勤さんによるラジオ番組)が取り上げていたことからその存在を知っていたのです。

ジャジーで格好良いアレンジにこの軽い声というギャップが良くも悪くもたまらない曲。サビでの転調もあって歌うのは容易ではないメロディを石田さんに提供したのは誰だろうと思い、CDのクレジットを見てみると…。

https://www.instagram.com/p/BEUXP_dvkIs/

作曲はなんとORIGINAL LOVE田島貴男さんでした。さらに作詞は松本隆さんという…なんという贅沢な布陣でしょう。

 

田島貴男×松本隆両氏がタッグを組んだ作品といえば、松本隆さんがこれまで男性歌手に提供した作品集『風街少年』(2007)にも収録された、ORIGINAL LOVE「夜行性」を真っ先に思い出しました。

Uta-Netにて”田島貴男”で作曲者検索して出てきた曲のうち、二人がタッグを組んだのは「夜行性」の他、ORIGINAL LOVE守護天使」(『ムーンストーン』(2002)収録)、「Hey Space Baby!」(『踊る太陽』(2003)収録)、そして藤井隆「リラックス」(『ロミオ道行』(2002)収録)の4曲で、「ジゴロ」はヒットしませんでした。4曲のうちシングルになったのは「夜行性」のみですが、そのシングルリリース時のインタビューで田島さんは、”最近だったら(松本隆さんに発注しても)イケるかも”と答えているんですよね(→YouTube)。おそらくは田島さんが自ら歌う曲で松本隆さんに発注するのが初めてというニュアンスかと思われますが、曲提供の形であれど実際はその10年も前に「ジゴロ」でタッグを組んでいるわけです。出来れば「ジゴロ」をORIGINAL LOVE名義でセルフカバーしてほしいのですが、もしや「ジゴロ」は田島さんにとって触れたくない歴史なのでしょうか?そしてこの「ジゴロ」こそ松本隆さんと接触する原点だったのではないかと思っています。

田島さんは1992年頃に曲提供の仕事を多く行っていたようなのでそこ頃の曲も調べてみないと断定は出来ませんが、田島さんと松本隆さんの縁を取り持ったのが石田純一さん(への仕事)だとしたら、石田さんはなんという粋な方なのでしょう。