イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

米シングルチャート、ドレイクが首位奪還

ビルボードシングルチャートを定点観測。

 

日本時間の火曜早朝に発表された、6月4日付最新チャート。昨年12月からはじまった2016年度チャート、その下半期初週を制したのはドレイク feat. ウィズキッド&カイラ「One Dance」でした。ジャスティン・ティンバーレイク「Can't Stop The Feeling!」から首位を奪還し、ジャスティンは3位に後退。最新チャートについての詳細は下記をご参照ください(トップ10カウントダウン動画もあります)。

 

「One Dance」は各指標で堅調に推移。ダウンロードは15%ダウンしたもののラジオエアプレイでは3ランク上昇し2位に浮上。他指標に比べて上昇へのタイミングが遅い(と個人的には考えている)ラジオエアプレイ部門で強い作品はロングヒットする傾向にあることを踏まえれば、「One Dance」の長期政権の可能性が高まってきたように思います。

「Can't…」はダウンロードでおよそ半減したことが首位陥落に影響したと思われますが、ラジオエアプレイでは3割以上上昇し5ランクアップの4位に浮上。ラジオエアプレイの影響力で3位に留まったといえるでしょう。そして総合2位のデザイナー「Panda」はストリーミングで4,000万回強の再生回数を記録。この数字はバウアー「Harlem Shake」の1億300万、アデル「Hello」の6,160万、リアーナ feat. ドレイク「Work」(4,650万)に次ぐ数値でありストリーミングが再浮上の牽引材料に(ラジオエアプレイでは2ランク上昇し12位)。来週はドレイク、ジャスティンそしてデザイナーという男性3組の戦いになりそうです。

 

4位以下は大きな動きがほとんどないのですが(今週トップ10内初登場/再浮上はなし)、ザラ・ラーソンとMNEKによる「Never Forget You」が13位に上昇し、トップ10入りを狙っています。

スウェーデン出身のザラによるこの曲を手掛けたのはイギリス出身のMNEK(エム・エヌ・イー・ケー)。21歳という若さながら、マドンナ「Living For Love」(アルバム『Rebel Heart』(2015)からの先行シングル)やビヨンセ「Hold Up」(アルバム『Lemonade』(2016)収録)にソングライターとして参加。

2011年には既に、ソングライトおよびプロデュースに参加したザ・サタデーズ「All Fired Up」がイギリスで3位を記録しており、10代半ばで輝かしいキャリアを築き上げたことに。

マドンナやビヨンセ、さらにはカイリー・ミノーグ(「Feels So Good」(→YouTube)をプロデュース)等大物歌手を手掛けている彼が、今度は歌手としてトップ10入りを果たすか、注目が高まります。

 

来週のチャートでは、現地時間の22日に行われたビルボードミュージック・アワードの受賞曲やパフォーマンス楽曲の上昇が予想されます。今週はその嵐の前の静けさといえるかもしれませんね。同賞についてはビルボードのホームページをご覧ください。