イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

早見優21年ぶりの新作が格好良すぎた

以前取り上げた、早見優さん久々の音楽作品『Delicacy of Love』を昨日フラゲ購入。聴きまくっています。

クラブサウンドに精通したokadada、DE DE MOUSE、APOTHEKE各氏をリミキサーとして招聘出来たのは、アルバム『COFFEE BAR COWBOY』以降音楽面での評価が急上昇している、レーベルオーナーであり今作のプロデューサーの藤井隆さんの力ではないかと。個人的にはリミックスも好みなのですが、Sugar's CampaignのメンバーでもあるSeiho氏が”再定義”した「夏色のナンシー」における、夏の終わりやノスタルジアを醸した音がシンプルながら存在感を遺憾なく発揮していて特に好きになりました。

 

そして表題曲の「溶けるようにkiss me」。この完成度が実に素晴らしく、クラブで流しても遜色ないでしょう。2000年代のカイリー・ミノーグ(アルバムでいえば『Fever』や『Aphrodite』か)が好きならきっと気に入るのではないでしょうか。

おそらくミュージックビデオの予算が少ないだろう中でこれほどお洒落な映像になるとは。監督でもある藤井隆さんのセンスのよさ、そしてなにより主役である早見優さんの存在感ゆえでしょう。

 

この「溶けるようにkiss me」、面白いのはメロディのリズムパターンが基本一種類しか存在しないことなのです(あくまで私見ですが)。動画の36秒からはじまる”♪またそんな切ない顔して昨日と同じね”のリズムパターンをベースとして、メロディの起伏が変わったり頭に少し付け加えられたり、もしくは中のリズムが刻まれたりするものの、Aメロおよびサビ全てがその基本のリズムパターンを踏襲した節になっているのです。きらびやかなメロディの中で気付きにくかったのですが、いざ判ったときは”そうだったのか!”と膝を打った次第。このメロディを作ったのも藤井隆さんという事実に、どれだけ中毒性の高い作品を生み出すのが巧い方なのだと驚くばかりです。

 

 

先日のブログで紹介した「恋のブギウギトレイン」も含む全6曲入りの『Delicacy of Love』、非常に満足しています。これを聴き込んで、早見優藤井隆両氏が参加する10月1日開催の音楽フェス、夏の魔物に備えようと思います。