イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

米シングルチャート、ヒップホップ勢が半数を占める

ビルボードシングルチャートを定点観測。 祝日の関係上一日遅れて日本時間の水曜早朝に発表された、1月14日付最新チャート。レイ・シュリマー feat. グッチ・メイン「Black Beatles」がザ・ウィークエンド feat.ダフト・パンク「Starboy」から首位を奪還、「Starboy」は3位に後退しました。

「Black Beatles」も「Starboy」も、ストリーミングおよびラジオエアプレイはともに微減。しかし勝敗を分けたのはデジタルダウンロードの差。「Starboy」が前週比18%上昇に対し「Black…」は同120%もの上昇を果たしたのです。「Black…」の急伸はどうやら、クリスマス商戦で50曲を安価販売した影響によるものとみられます(ゆえに、「Starboy」は10万超えのダウンロードを果たすものの同部門11位という結果に。ただし「Starboy」は前週、69セントの安価販売を独自に行っているため今週は伸び率が低い結果に)。

そして「Starboy」を飛び越えて2位に入ったのはミーゴス feat. リル・ウージー・ヴァート「Bad and Boujee」。前週13位から急上昇し一気にトップを狙える位置に。

ドレイク&フューチャー「Jumpman」をサンプリングしているというこの「Bad…」のヒットの要因は様々。このライブパフォーマンスツイートが3万近いリツイートを稼いだこと、

2000年のアメリカ映画『グリンチ (原題:How the Grinch Stole Christmas)』とのマッシュアップ動画が紹介されたこと、

さらにはこの曲を聴くと赤ちゃんが泣き止むという動画も…

最後の理由は”タケモトピアノか!”と思わずツッコんでしまいますが、それだけ生理的に癖になる音なのでしょう。他にも要因があるようですが、それらが集計週に連続で発生したことが「Bad…」の急伸に繋がった模様。「Black…」も”マネキンチャレンジ”がもたらした大ヒットであり、ヒップホップとSNSとの親和性は高いんだなということを、上位2曲からは強く感じずにいられません。

その他上位陣にはあまり大きな動きはありませんが、D.R.A.M. feat. リル・ヤティ「Broccoli」がデジタルダウンロード部門で前週比281%もの伸びをみせ、総合で5ランク上昇し10位に再浮上。トップ10にヒップホップ5曲という事態となっています。

 

 

来週はデジタルダウンロード安価販売効果がなくなるでしょうから、またも大きくチャートが変動する気がします。今週新たにトップ20入りした下記楽曲の動向にも注目しましょう。

・16位 ジョン・ベリオン「All Time Low」(前週24位)

ジョン・ベリオンは『エミネム&リアーナ“The Monster”(全米チャート/全英チャート1位)の作者のひとりで、ジェイソン・デルーロ“Trumpets”(全英4位)のプロデューサーとしても知られる新進気鋭のシンガー・ソングライター/プロデューサー』(bmrより)。この曲に様々なバージョンがある他、才能ほとばしる(ゆえに暴走する?)曲もあって、非常に気になる存在だなということを下記ブログを読んで実感しました。

勝手ながらブログを貼らせていただきます(問題があれば削除させていただきます)。

 

そして。

・20位 ナイル・ホーラン「This Town」(前週37位)

ワン・ダイレクションのメンバーによるソロ作。脱退したゼイン(・マリク)がR&B寄りにシフトした一方、ナイルはカントリーに移行するのでしょうか。

 

他にもショーン・メンデス「Mercy」(→YouTube)は前週28→17位。確実にヒット曲を輩出していますね。