米ビルボードシングルチャートを定点観測。
日本時間の火曜早朝に発表された、2月4日付最新チャート。先週初登場で首位を獲得したエド・シーラン「Shape Of You」が早くも陥落。代わってトップに立ったのはミーゴス feat. リル・ウージー・ヴァート「Bad and Boujee」。返り咲きで通算2週目の首位獲得となり、これで5週連続で首位が入れ替わるという近年稀にみる面白いチャートとなっています。
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そしてトップ10はこちら。
それにしても、「Bad and Boujee」は勢いありますね。
「Bad…」についてはSNSでの流行(→bmr)、ゴールデングローブ賞でのドナルド・グローヴァーの言及(→bmr)が後押ししていることが大きいのですが今週もその勢いはとどまることなく、ストリーミングでは4週目の制覇(それも前週比11%アップ)、ラジオエアプレイでは27位ですが前週比23%アップと二桁の伸びを示し、2割減となったセールスを補完しています。また今週にはミーゴスのセカンド・アルバム『Culture』もリリースされ、この曲が収録される他、新たな先行曲となる「T-Shirt」が今週43位に初登場しており、しばらくはミーゴスから目が離せません。
一方で1週天下に終わったエド・シーラン「Shape…」はそれでも、デジタルダウンロードでは前週から半減したものの12万で部門1位、ストリーミングも2位に上昇(前週比7%アップ)、ラジオエアプレイに至っては3割強上昇しているのですが、ストリーミングにおいて1位の「Bad…」は2位の「Shape…」の倍以上もの数字を獲得しており、これが総合チャートの勝敗を分けたと言えそう。
しかもシビアだなと思うのは、先週6位に初登場を果たしたエドの「Castle On The Hill」が今週なんと28位まで後退。こちらにいたってはデジタルダウンロードが前週比78%も大幅ダウンしたほか、ストリーミングでも3割近い減少と大きく落ち込みました。そのエド、昨日ミュージックビデオを公開したのですが、それが「Castle…」のみであり、チャート成績から踏まえれば逆のほうがよかったのでは…と思うのは自分だけでしょうか。
トップ5はすべて1位獲得曲が並び、そのうちのひとつがホールジーを招いたザ・チェインスモーカーズ「Closer」(5位)ですが、彼らが先々週放った新曲「Paris」が、最新チャートで7位に初登場を果たしています。
デジタルダウンロードではエド「Shape…」に次いで2位、ストリーミングも9位発進。ラジオエアプレイは32位ですが、グラミー賞の最優秀新人賞にノミネートされていることからこの曲および「Closer」でしばらくはトップ10内を維持する可能性が高いでしょう。今週付でザ・チェインスモーカーズはトップ10に38週連続でランクインしており(「Don't Let Me Down」以降)、連続週数記録にも注目したいところ。
トップ10内には、映画『Fifty Shades Darker (原題。全米で2月10日公開)』使用曲、ゼイン&テイラー・スウィフト「I Don't Wanna Live Forever」が8位に返り咲きました。映画のサウンドトラック(2月10日発売)からはもう一曲、ホールジーによる「Not Afraid Anymore」が今週77位に初登場を果たしており、シリーズ1作目同様サウンドトラックから複数ヒットするかが注目されます(前作からはザ・ウィークエンドやエリー・ゴールディングがヒットしていました)。
次週以降、勢いが止まなければいよいよ「Bad and Boujee」の独走に入る予感がします。エドが意地をみせるか、はたまたザ・チェインスモーカーズが「Paris」で追い上げるか…来週も注目です。