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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

米ビルボードソングスチャート、エド・シーランが13曲を100位以内に送り込む

ビルボードソングスチャートを定点観測。

現地時間の3月13日月曜(日本時間の火曜)早朝に発表された、3月25日付最新チャート。エド・シーラン「Shape Of You」が6週連続、通算7週目となる1位を記録し、アルバム『÷ (Divide)』共々1位を記録したのみならず、『÷』収録曲中13曲がトップ100にランクインしました。

記事は下記に。

そしてトップ10はこちら。

 

エド・シーラン強し、のチャートにはなりましたが、全英ソングスチャートのような(デラックス盤収録の)全16曲がランクインとまではいきませんでした。全英チャートについては昨日載せています。

とはいえまずは「Shape Of You」の強さを述べねばなりません。

デジタルダウンロード、ストリーミングそしてラジオエアプレイの3指標全てで1位を獲得し、ここにきて向かうところ敵なしの状況となりました。特にストリーミングはアルバム発売効果で前週比28%も上昇し5,080万再生を記録。そのストリーミング効果、ならびに単曲でのデジタルダウンロードによって100位以内にエドの楽曲、10曲が初登場を果たしています。

37位「Perfect」

49位「Dive」

53位「Galway Girl」

59位「Happier」

72位「New Man」

75位「Supermarket Flowers」

83位「What Do I Know?」

90位「Eraser」

93位「Hearts Don't Break Around Here」

96位「Barcelona」

加えて、以前エントリーしていた「How Would You Feel (Paean)」が84位に再登場、「Shape…」と同時リリースだった「Castle On The Hill」が前週75位から39位にジャンプアップしており、通常盤収録全12曲とデラックス盤のみ収録の「Barcelona」がランクインという形に。トップ100内に複数曲を同時に初登場させた最高記録となれば、ジャスティン・ビーバーの13曲が最多なのですが(2015年12月5日付。アルバム『Purpose』初登場に伴う)、ジャスティンがゲストを迎えた曲も送り込んだのに対し、エドはゲストを一切招いていないため、ゲストなしで10曲同時初登場というのは歴代最多記録となります。

 

トップ3には、ゼイン&テイラー・スウィフトに代わってブルーノ・マーズ「That's What I Like」が上昇。

『÷』発売前日の3月2日木曜にミュージックビデオが解禁されストリーミングにおいて丸々1週間分再生ポイントが加算された結果、ストリーミングは12%上昇。のみならずデジタルダウンロードは25%、ラジオエアプレイも14%上昇しておりビデオが牽引した形となっています。アルバム『24K Magic』からのファーストシングルにしてタイトルトラックは4位止まりだったため、「That's…」はまずアルバム収録曲でのソングスチャート最高位を更新しましたが、これまでの2枚のアルバムからは共にソングスチャートを制覇した曲が出てきているため、エドに追いつきそして追い越せるのか、注目です。

 

トップ10内にはクリーン・バンディット feat. ショーン・ポール&アン・マリー「Rockabye」が前週の24位からジャンプアップし9位に到着。

クリーン・バンディットにとって、ジェス・グレンをフィーチャーした「Rather Be」(最高10位)以来、2曲目のトップ10入りを果たしています。昨年シーアに招かれた「Cheap Thrills」で1位を獲得したショーン・ポール節が炸裂したレゲエテイストの曲は、既にイギリスで9週もの首位を獲得済。イギリスの童謡、「Rock-a-bye Baby」を組み入れつつ、今風に調理したナンバーです。

 

ビルボードでの新たな記録達成についても触れておきましょう。まずはリアーナ。「Love On The Brain」が5位に上昇し、これで22曲目のトップ5入りを果たしました。このトップ5入りが22曲というのは、あのエルヴィス・プレスリーを抜いて歴代単独5位に躍進。ビートルズ(29曲)、マドンナ(28曲)、マライア・キャリー(26曲)、ジャネット・ジャクソン(24曲)に次ぐ記録ですが、今の人気を踏まえれば最多記録を早々に更新する可能性は十分かと。ただしこの記録はビルボードが”Hot100”をスタートさせた1958年以降の集計であり、エルヴィスは既にその2年前にビルボード(Hot100”以前”)にランクインを果たしています。

 

そしてもう一つの記録はザ・チェインスモーカーズ。ホールジーをフィーチャーした「Closer」が今週も10位に踏みとどまり、これで初登場から通算32週連続のトップ10入りとなりました。

トップ10入り通算32週という記録はマーク・ロンソン feat. ブルーノ・マーズ「Uptown Funk!」を抜き、リアン・ライムス「How Do I Live」に並ぶ歴代最高を達成。次週、単独での記録更新となるか、こちらも注目です。

しかもザ・チェインスモーカーズには別の記録更新の可能性が出てきました。それは、トップ10入りを何週続けて出来るか。昨年5月21日付以来現在までに45週連続でランクインし、これでザ・ウィークエンドの2年前の記録に並びました。上を見てみるとリアーナ(46週)、エイス・オブ・ベイス(48週)、ドレイク(51週)がおり、4月7日にアルバム発売を控えている彼らからすればドレイク超えは射程圏内かもしれません。ただ、ドレイクのはるか上にはケイティ・ペリーが鎮座し、その記録はなんと69週。ここにどこまで迫れるかが気になるところです。

 

 

最後に、もうすぐトップ10。前週100位に初登場を果たしたロード「Green Light」が19位にジャンプアップを果たしました。

リリースがブルーノ「That's…」のビデオ解禁と同様に3月2日木曜だったため、今回デジタルダウンロードおよびストリーミングが1週間フルで加算対象になったことが急上昇の要因。アメリカで3月11日に放送された『サタデー・ナイト・ライブ』でこの曲、および「Liability」を披露したことで、今後どこまで伸びるかにも注目たいところ。個人的にはこの曲の世界観の広がり方が大好きだったりします。『サタデー…』の映像は下記からどうぞ。