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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

米ソングスチャート、ドレイクが複数の新記録を樹立

ビルボードソングスチャートを定点観測。

現地時間の3月27日月曜(日本時間の火曜)早朝に発表された、4月8日付最新チャート。今週もエド・シーラン「Shape Of You」が制し、これで8週連続、通算9週目となる1位を記録しました。 そして今週アルバムチャートを制したドレイクが大記録を打ち立てています。

記事は下記に。

そしてトップ10はこちら。

 

「Shape Of You」は今週もチャート構成の3指標(デジタルダウンロード、ストリーミングおよびラジオエアプレイ)を制覇。ストリーミング指標が取り入れられるようになった2013年始め以降、3週以上連続でこれら全ての指標を制した楽曲はわずか2曲しかなく、それがザ・チェインスモーカーズ feat. ホールジー「Closer」(2016 6週)、そしてマーク・ロンソン feat. ブルーノ・マーズ「Uptown Funk!」(2015 6週および間を開けて3週連続)。「Shape Of You」はそれらに肩を並べんとしています。さらに言えば、デジタルダウンロードおよびストリーミングでは微減なのですが、一方でラジオエアプレイが未だ伸びをみせ、遂には1億7000万回再生という大台に。これはアデル「Hello」が2016年1月16日付で1億7200万回再生を記録した以来の大記録となり、まだ失速していないのが凄いところ。対して今週2位のブルーノ・マーズ「That's What I Like」はデジタルダウンロードおよびストリーミングが微増、ラジオエアプレイが18%も上昇しながら「Shape Of You」のおよそ7割程度にとどまっており(それでもわずかずつ差は縮まっているのですが)、エドが失速する前にブルーノが脱落しかねないのではとすら思っています。

 

さて今週のチャートでは、ドレイクが大記録を打ち出しています。今週のアルバムチャートでは突如リリースされた『More Life』が505000ユニットを獲得し首位発進。

CDリリースは3月31日のためセールスはデジタルダウンロードにおけるアルバムセールス(257000枚)およびトラック単体セールスのアルバム換算分(23000ユニット)。そしてストリーミングは1500曲分再生につきアルバム1枚分と換算されるのですが、その換算分は257000ユニット(換算という考えに基づき"ユニット"という単位となっています)。ストリーミングの換算分という点においては、ドレイク自身がが前作『Views』で打ち立てた最高記録(163000ユニット)を大きく上回り最高記録を更新しています。その『More Life』の勢いがソングスチャートにも表れた形に。

(とはいえ『Views』と今回の『More Life』ではその勢いに大きな差が。とりわけアルバムセールスにおいて、『Views』の初週セールスは852000枚。音楽の聴かれ方がストリーミングに移行したという見方以上に、セールスが落ちたのではというのが私見です。)

Apple Musicのリンク先は上記に。この『More Life』からは、ミーゴスのクエヴォ、およびトラヴィス・スコットをフィーチャーした「Portland」が9位に、そしてドレイク単独名義での「Passionfruit」が8位に初登場。この2曲のトップ10入りにより、ドレイクのトップ10入りはこれで20曲の大台に達しています。さらにはアルバムの全22曲を含め、最新4月8日付ソングスチャートトップ100に、ドレイクの楽曲が24曲もランクインする新記録を達成。そのうち21曲が初登場というのもまた記録樹立となっています。ちなみにこれまでの記録は同じくドレイクの、『Views』リリース時におけるトップ100内20曲ランクイン/16曲初登場というものでした。

 

 

さて次週は、ドレイクがどこまで記録を伸ばすか…なのですが、先述したように『More Life』が『Views』に比べてセールスが大きく落ち込んでいること(『Views』の先行シングル「Hotline Bling」が、ミュージックビデオでの"ヘタウマ"ダンス効果も相俟って大ヒットしたのに対し、『More Life』の先行シングル「Fake Love」が大きなヒットに至っていない、その差が大きかったのではないかと推測)を加味すれば、次週ドレイクが失速する可能性は否めず。一方でケンドリック・ラマーが突如リリースした新曲「The Heart Part 4」がどの位置で初登場を決めるかが注目といえるでしょう。