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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

米ソングスチャート、ブルーノ・マーズが全てのオリジナルアルバムから1位曲を輩出

ビルボードソングスチャートを定点観測。

現地時間の5月1日月曜(日本時間の火曜早朝)に発表された、5月13日付最新チャート。ケンドリック・ラマー「Humble.」は1週で首位から後退。代わって駆け上がったのは長らく2~3位に留まっていたブルーノ・マーズ「That's What I Like」でした。

記事は下記に。

そしてトップ10はこちら。

 

「That's What I Like」はブルーノ・マーズにとって通算7曲目のナンバーワンヒットに。

実はブルーノにとって初の1位獲得となったB.o.Bへの客演参加曲、「Nothin' On You」の1位到達がアナウンスされたのがちょうど7年前の今日というのですから、嬉しい偶然ですね。2010年以降で7曲もの1位獲得というのは男性歌手では最多となります(一方女性ではリアーナが9曲、ケイティ・ペリーが8曲)。

デジタルダウンロードの低下をラジオエアプレイの増加で補った「That's What I Like」。一方ストリーミングでは前週比15%もの大幅増に。これは4月21日に4バージョンものリミックスが公開されたゆえ。たとえばグッチ・メイン参加のバージョンは下記に。

ブルーノ・マーズは主演曲で5曲目の1位獲得。これでオリジナルアルバム3作品から全て1位曲を輩出したことになります(『Doo-Wops & Hooligans』(2010)からは「Just The Way You Are」と「Grenade」が、『Unorthodox Jukebox』(2013)からは「Locked Out Of Heaven」と「When I Was Your Man」が、そして『24K Magic』(2016)からは今回の「That's What I Like」)。ちなみにオリジナルアルバムから1曲以上のナンバーワンヒットを送り続けた記録ではリアーナの7作品が最高となっていますが(『A Girl Like Me』(2006)~『ANTI』(2016))、デビューアルバム『Music Of The Sun』からは1位曲を輩出せず。その点ではブルーノはケイティ・ペリー以来となる、デビューアルバム以降3作連続での1位曲輩出記録を達成したことになります。

 

先週首位だったケンドリック・ラマー「Humble.」はストリーミングで4週目の1位をキープするものの前週比14%ダウン(それでも5760万という驚異的な数値を叩き出しているのですが)。2位をキープしたエド・シーラン「Shape Of You」はラジオエアプレイで微減しているものの同部門で12週目の1位を獲得しており、ケンドリックがストリーミング以外の指標で補完出来れば、またはエドがまだまだ勢いをキープすれば、リミックス効果が途切れたブルーノから首位を奪還する可能性もありそうです。

が、ここにきて伏兵が登場。ルイス・フォンシとダディー・ヤンキーによるスペイン語曲「Despacito」が、ジャスティン・ビーバーを加えたバージョン(リミックス)の登場でさらに勢いを増し、48→9→4位と一気に上昇を果たしています。デジタルダウンロードは前週比43%上昇し、PSY「Gangnam Style」以来となる非英語曲による同部門1位に。総合でもロス・デル・リオ「Macarena (Bayside Boys Remix)」(1996)が14週首位を獲得して以来となるトップ5入り。ストリーミングでは前週比80%も上昇し同部門で2位、ラジオエアプレイも同25%上昇となり32位まで上昇。ラジオエアプレイが今後伸びをみせれば、トップ3入りは間違いないでしょう。

 

コールドプレイとの共演作「Something Just Like This」が今週6位にランクインしたザ・チェインスモーカーズ。彼らにとって、昨年5月21日付で「Don't Let Me Down」がランクインして以来52週連続トップ10入りを果たしたことになります。この連続して1年以上トップ10入りという記録を達成したのはケイティ・ペリー(69週)以来の快挙。あとはこの曲がどこまでトップ10をキープ出来るか、ケイティ・ペリーの記録に迫れるかに注目しましょう。

 

今週唯一のトップ10入りはカイゴとセレーナ・ゴメスによる「It Ain't Me」。

前週から順位を3つ上げてのトップ10入り。セレーナにとっては7曲目、カイゴにとっては初のトップ10ヒットとなりました。ミュージックビデオの解禁が4月24日とのことでストリーミングは10%上昇(次週も公開効果で更に伸びを示すことでしょう)。注目はラジオエアプレイ。既に8700万回という高い数値を叩き出しており同部門で4位。ラジオエアプレイが下支えになっている曲は強い傾向があると捉えているので、しばらくトップ10内をかき回してくれる予感がします。

 

 

次週は上位3強対「Despacito」の戦いになりそうです。