イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

県域放送局の相次ぐ公開生放送、歓迎と改善要望

地元青森県の県域民放放送局、RABラジオがこの1週間で三度もの公開生放送を実施。本日は『良平のラジオにおいでよ!』(日曜12時)が、平川市のからんころん温泉からオンエアされます。ちなみにからんころん温泉の入り口にはこのような掲示が。

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今週月曜は、『伊奈かっぺい 旅の空うわの空』(月曜19時)が、毎年夏恒例となる八戸市更上閣から生放送を実施。

また一昨日金曜は、『GO!GO!らじ丸』(月-金曜11時55分)が、青森市のサッポロビアレストラン910から公開生放送。

月曜日の毎年恒例となる公開生放送と被る形で、一週間にまさか計三度も行われるのは珍しいことです。これは自分の想像の範囲を越えませんが、今年に入ってから公開生放送の実施が多いような気がしており、もしかしたら今秋からはじまる【ワイドFM】の宣伝という意味合いもあるかもしれません。他方、秋から同じFMのラインに並ばれる形のエフエム青森は、開局30周年というアニバーサリーイヤーに合わせてradiko(プレミアム)に参加したり、JFNアナウンサーを招いた特番を局内のスタジオからお送りしていましたが、今月の海の日には『FRIDAY GOES ON~あっ、それいただきっ!~』(JFN系 金曜13時30分)の斉藤リョーツ・藤井悠両氏を迎えた特別番組を、こちらも公開生放送で発信していました。

 

 

ラジオが活性化されるのは良いことです。単に認知度等が上がるのみならず、公開生放送という場ではラジオ(業界や作り方)に興味がある人がラジオの”中”を見ることが出来るため、次代を担うラジオ人の芽を育てるという意味においても重要だったりします。

ただ、ならばさらにその公開生放送がより良くなるためにも敢えて、苦言を呈したい点が2つあります。

 

ひとつ目は、【訴求が足りているか?】という点。勿論ラジオでは番宣で公開生放送の番組や会場等が流れているのですが、それらを聴き逃した方や再度確認したいという方への配慮がもう少しあれば...と。たとえば本日の番組内容においては、先に引用したRABラジオの公式Twitterアカウントからは発信されていません。他方、同じ番組で今月2日にも公開生放送をお送りしていたのですがそちらは発信されており、つまりは徹底されていないのです。ちなみに今日7時50分の段階で、番組ホームページ等に公開生放送の文言はありません。加えて今日のラテ欄を見てみると。

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(上記は陸奥新報より。)

タイトルも含め大量7行もの番組紹介スペースがあるにもかかわらず、”公開生放送”も、また”からんころん温泉”の文字すらないのは如何なものでしょう。公開生放送は少なくとも、場所や商品等を提供する側(スポンサー)にメリットや配慮がないと、そのスポンサーに対して大変失礼ではないでしょうか。少なくとも、スポンサーは企業(施設)名や商品名をより多くの方に知ってもらう目的で提供しているわけですから、それには応えないといけないはずです。

 

さて、苦言のふたつ目は、【配慮”し過ぎ”てやいないか?】という点。直前に配慮は必要と書いたのですが、配慮も度が過ぎると、はっきりいって聴き手は置き去りになってしまいます。

自分が聴いた限りでは、たとえば『伊奈かっぺい 旅の空うわの空』ではプレゼント商品提供の各企業が入れ替わり立ち替わり登場して商品を訴求、『GO!GO!らじ丸』ではビアレストランを経営するサッポロビールの歴史についてのクイズを会場にいる方に出題に会場内が加熱し過ぎる、他局ですがエフエム青森の海の日特番では、斉藤さんと藤井さんに青森の夏の提案をするという体で青森では一定の知名度がある土産物等を次々紹介...これらはいずれも結構な尺を割いており、正直なところ商品提供者やスポンサーを過度に接待してるかのように聞こえてしまったのです。海の日特番においては、これって青森県内のリスナーではなくradikoプレミアム等で聴く県外リスナー向けでは?と思ったくらい。

無論、民放放送局はスポンサーが大事な存在であり生命線、他方受け手たる聴取者は一銭も支払うことはないため、放送局のスポンサーへの配慮は自然、当然であることは十分理解出来ます。しかし、それも度が過ぎると逆効果ではないかということは、このブログで何度も記載したことです。代表的なところでいえば。

会場にいらした方(今週の公開生放送でいえば、『良平のラジオにおいでよ!』以外は事前抽選有)にプレゼントが当たるという企画は確かに会場内で盛り上がりますし、同様のプレゼントがリスナーにも当選するというのは嬉しいことですが、会場の加熱っぷりに温度差を感じ、聴いて距離感を覚えたのは自分だけでしょうか。

個人的には、番組もしくは長尺で核となるコーナーの冠スポンサーとして企業に参加していただくよう営業に頑張っていただき、番組内では企業名や商品名はこれみよがしに出さずとも良質な番組(コーナー)を制作することで企業のイメージアップを図る...というように民放放送局には動いてほしいところです。イメージとしてはJ-WAVEが理想的でしょうか。J-WAVEは内容を良くすること(ナビゲーター陣を一新等)により春以降聴取率が上昇、つまりリスナーが増えています。リスナーが増えるということは、必然的に番組やコーナーに触れる人も増えるというわけですからスポンサー企業がより認知されていくのは自然なことです。

 

都市と地方では勝手が違うと言われればそれまでですが、今の公開生放送における番組作りのスタンスがかたや不徹底、かたや過度という両極端のやり方になっている傾向が強いため、まずは一度見直す機会を設けていただきたいという意味で指摘させていただきます。