イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

米ソングスチャートはラテンムーブメント、「Despacito」を次に捉えるのはラテンな2曲?

ビルボードソングスチャートを定点観測。

現地時間の8月7日月曜(日本時間の火曜早朝)に発表された、8月19日付最新チャート。ルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキー feat. ジャスティン・ビーバー「Despacito」が13週目の首位を獲得し、今年最長の1位達成となりました。

記事は下記に。

そしてトップ10はこちら。

エド・シーラン「Shape Of You」(今週9位)の通算12週を越え、今年の首位最長記録を更新した「Despacito」。つい最近ウィズ・カリファ feat. チャーリー・プース「See You Again」が塗り替えたばかりのYouTube再生記録を驚異的な速さで上回り(詳細はルイス・フォンシ「デスパシート」がYouTubeで史上初の再生回数30億超えで歴代最速・最多記録 | bmr(8月7日付)をご参照ください)、ジャスティン・ビーバーのリミックス版への参加も相俟って今年最大級のヒットに成長。デジタルダウンロードは14週目の首位を獲得し、これまでフロー・ライダー feat. T-ペイン「Low」(2007-2008)、マーク・ロンソン feat. ブルーノ・マーズ「Uptown Funk!」(2015)およびザ・チェインスモーカーズ feat. ホールジー「Closer」(2016)が持っていた13週1位の記録を破り、2004年10月30日付でデジタルダウンロードチャートが始まって以来、この指標での最長1位記録を更新しました。

「Despacito」は5週目となる、デジタルダウンロード、ストリーミングおよびラジオエアプレイのチャート構成3指標完全制覇を達成。しかし、その勢いは徐々に衰えてきています。

「Despacito」

  デジタルダウンロード 84000(1位 前週比17%ダウン)

  ストリーミング 4980万(1位 前週比6%ダウン)

  ラジオエアプレイ 1億4100万(1位 前週比1%ダウン)

デジタルダウンロードは2週連続で10%以上ダウン。これは間違いなく勢いに陰りが出てきたといえるでしょう。他方、総合2位のDJキャレド feat. リアーナ&ブライソン・ティラー「Wild Thoughts」、そして3位のフレンチ・モンタナ feat. スウェイ・リー「Unforgettable」と比べてみると。

「Wild Thoughts」

  デジタルダウンロード 34000(9位 前週比5%ダウン)

  ストリーミング 3480万(2位 前週比1%ダウン)

  ラジオエアプレイ 1億2800万(2位 9%アップ)

「Unforgettable」

  デジタルダウンロード 37000(8位 前週比52%アップ)

  ストリーミング 2770万(4位 前週比3%アップ)

  ラジオエアプレイ 8100万(11位 9%アップ)

ここにきて「Unforgettable」の勢いが増してきました。とりわけデジタルダウンロードが急伸しているのですがこれはおそらく、8月2日水曜に公開された、J・バルヴィンを新たに加えたラテンリミックスが公開されたため。

実は先程のbmrの記事でもJ・バルヴィンが別曲で登場しており、記事は『今年はラテン・チューンのヒットが続く年となりそうだ』と締めくくられているのですが、「Unforgettable」もそのラテンの波に乗った形といえそうです。デジタルダウンロードの集計期間は金曜開始木曜終了であり、次週8月26日付チャートではラテンリミックスの効果が1週間フルで反映されることを踏まえれば、「Wild Thoughts」を抜いて2位になることもあり得るでしょうし、ともすれば「Despacito」を射程圏内に捉えるかもしれません。

 

今週はトップ10落ち/新たにトップ10入りがないため、ここからはもうすぐトップ10。

・カーディ・B「Bodak Yellow (Money Moves)」(28→14位)

彼女の詳細は、こちらもbmrに。ネットセレブを経てラッパーにという異色のキャリア。また新たなトップ40入りは下記に。

ポルトガル・ザ・マン「Feel It Still」(55→34位)

・SZA(シザ) feat. トラヴィス・スコット「Love Galore」(46→37位)

・フューチャー feat. ニッキー・ミナージュ「You Da Baddest」(38位初登場)

 

「Despacito」がこのまま勢いを保てるのか、それともラテン系の2曲が追いつき追い越すのか…いずれにせよ言えることは、今年はラテンムーブメントが起きているということですね。