イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

米ソングスチャート、ビヨンセ久々のトップ3入り

ビルボードソングスチャートを定点観測。

現地時間の10月9日月曜に発表された、10月21日付最新チャート。先週初の頂点に上り詰めたカーディ・B「Bodak Yellow (Money Moves)」が3週目の首位に。そして先週の凪状態から一転、大きく動いています。

記事は下記に。

そしてトップ10はこちら。

 

上位2強は前週と変わらず。ストリーミングでは順位が逆転し総合2位のポスト・マローン feat. 21サヴェージ「Rockstar」が首位に。「Bodak Yellow (Money Moves)」はデジタルダウンロード、ラジオエアプレイ含めチャート構成の3指標のいずれも首位を逃しながら総合チャートを制したことになります。ラジオエアプレイでは1ランクアップし10位に浮上していますが、上がり幅が4%にとどまっており、そろそろ下り坂に差し掛かる頃かもしれません。

(なお、ラジオエアプレイで首位を記録したのがチャーリー・プース「Attention」。ですが総合では15位となっています。)

 

前週21位から3位へと躍進したのがラテンナンバー、J・バルヴィン &ウィリー・ウィリアム「Mi Gente」。今回あのビヨンセを客演に招いたリミックス版を発表したことでデジタルダウンロードで1位に(しかも前週比436%上昇。売上に占めるリミックス版の割合は87%)。ストリーミングが前週比50%、ラジオエアプレイも同18%上昇し、ジャスティン・ビーバーを招いたルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキー「Despacito」と同じ方法論で大ヒットに導きました。J・バルヴィンおよびウィリーにとっては初のトップ10入り、そしてビヨンセにとってはソロとして17曲目のトップ10入りとなり、トップ3入りに限ってみるとジェイ・Zとの「Drunk In Love」が2位を記録して以来およそ3年半ぶりのカムバックとなります。

このヒットにより、同日付のラテンソングスチャートでも「Mi Gente」が「Despacito」から首位の座を奪取。「Despacito」は35週もの首位を獲得しており、仮にあと1ヶ月半首位を続けていたならば、エンリケ・イグレシアスがデスセマー・ブエノとジェンテ・デ・ゾナを招いた「Bailando」が2014年から翌年にかけて記録した、41週間首位という記録に並んだのですが。ちなみにラテンソングスチャートにおいてビヨンセも以前ランクインしたことがあり、総合チャートで10週首位の座に輝いた「Irreplaceable」のスペイン語版、「Irremplazable」が4位に、またシャキーラとの「Beautiful Liar」が10位にランクイン。いずれも10年前の出来事です。

なおこのリミックス版はチャリティソングとしての側面も。こういう動き、さすがはビヨンセだと感心します。

 

今週11位にダウンした「Believer」に代わって、イマジン・ドラゴンズが新たにトップ10に送り込んだのが「Thunder」(7位)。

イマジン・ドラゴンズにとってはこれが4曲目のトップ10入り。マイクロソフト社のCMに用いられたことで2週連続でジャンプアップを果たしました。デジタルダウンロードが2位を記録し前週比17%上昇したことが他指標を牽引し、ストリーミングは同15%、ラジオエアプレイに至っては同35%もの大幅アップ。デジタルダウンロードが次週落ち込んでもラジオエアプレイの伸びが補完してくれるものと思われます。ちなみにイマジン・ドラゴンズ初のトップ10ヒットとなった「Radioactive」(2013 最高3位)はビルボード史上、トップ100内最長エントリー曲となっており、実に87週ランクインを果たしています。

 

今週は「Feel It Still」のポルトガル・ザ・マンも、「Sorry Not Sorry」のデミ・ロヴァートも自身最高順位を獲得。新たなトップ10入りは2曲のみでしたが、トップ10内でも大幅な順位変動がみられた週となりました。そしてトップ40内で大きな動きがみられたのがカミラ・カベロ feat. ヤング・サグ「Havana」(44→29位)、そしてポスト・マローン「I Fall Apart」(65→39位)。これら2曲にも注目していきましょう(ちなみに「I Fall Apart」はYouTube未掲載)。