イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

岡村靖幸トップ10入りの今だからこそ出してほしい、”渡辺美里×岡村靖幸”作品集

まさに”ステップアップ”。

DAOKOさんが岡村靖幸さんと組み先週リリースした「ステップアップLOVE」は、10月30日付ビルボードジャパンソングスチャートで10位、CDセールスのみを対象とした同日付オリコンシングルランキングでは8位と好調。DAOKOさんにとっては米津玄師さんと組んだ「打上花火」に次ぐトップ10入りを果たしました。

そして岡村靖幸さんにとっても久々の(いや、もしかしたら初の?)トップ10入りに。オリコンCDシングルランキングで曲単位のデータが残っているもので見ると、2007年以降の作品において「ビバナミダ」(2007)が15位、Base Ball Bear小出祐介さんとの「愛はおしゃれじゃない」(2014)が12位、単独名義に戻り「彼氏になって優しくなって」(2014)が15位、木津茂里さんとの「東京音頭 - TOKYO RHYTHM」(2015)が74位、またも単独名義に戻り「ラブメッセージ」(2015)が23位となっており、今作がセールス面で最高位となりました。更には複合指標によるビルボードジャパンでもトップ10入りを果たしており、多角的に支持を集めていることが解ります。そんな中、今日解禁の情報では通常盤Bに収録された岡村靖幸さんの(単独名義による)新曲のミュージックビデオが紹介されており、「ステップアップLOVE」通常盤Bでは静と動の岡村靖幸さんを堪能出来るのも嬉しいところ。チャートでの成功も踏まえればまさに、”岡村ちゃんカムバック!”と言えるかもしれません。

 

個人的には岡村靖幸さんといえばファンクゆえ、「ステップLOVE」で見せたその片鱗には拍手喝采です(し、米津玄師さんに続くコラボレーション相手を岡村さんに決めたDAOKOさんの人選は見事)。で、岡村さんと女性歌手って相性よかったよなあと考えるうちに、渡辺美里さんを思い出した次第です。

低音が印象的なAメロから大サビでの高音に至るレンジの広さ。この岡村さん独特のファンクネスを堂々とこなす美里さんの格好良さたるや。この曲は彼女の代表作(であり、最近テレビ出演した際ほぼこの曲しかやらない気がする)「My Revolution」同様、オリコンシングルランキングで首位を獲得しています。

美里さんは所属レーベルの関係か、同じソニー系に所属していた小室哲哉さんや木根尚登さん、大江千里さん等と共作しており、岡村さんもそのひとり。歌ネットによれば”渡辺美里×岡村靖幸”タッグによる曲は21曲(バージョン違いを除く)となっており、ならば以前工藤静香さんが中島みゆき×後藤次利両氏作品集松井五郎氏作品集をリリースしたように、美里さんによる【岡村靖幸作品集】を出していいのでは?と思うのです、いや切望します。

尤も、最近の美里さんはデビューアルバム『eyes』(1985)および『Lovin' you』(1986)のそれぞれ”30th Anniversary Edition”をリリースしており、前者では4曲、後者では8曲、つまち初期2作品で岡村さん提供曲の半分以上が再発されています。今後も30周年記念盤はリリースされると思いますが、しかし彼女の3枚組ベストアルバム『M・Renaissance〜エム・ルネサンス〜』(2005)には岡村さん提供曲は3曲にとどまり、しかも先述した「虹をみたかい」は選外...ならばどこかのタイミングでコンパイルしてほしいですし出すなら徐々に”岡村ちゃん”機運が高まっているであろう今がその時かもしれません。世間における美里さんのイメージが「My Revolution」に固まりつつあることが悪いとは言わないまでも、岡村さんとの相性の好さを知らないのは機会損失だと思う身には、やはりコラボ作は出してほしいと思うのです。

個人的にこのコラボ作で好きなのは以前ブログに書いた「シャララ」のほか、「BIG WAVEやってきた」(デーモン閣下のコーラスが絶品!)や「泣いちゃいそうだよ」、「はだかの気持」と、どちらかといえばファンクより美メロ側が多いのですが静も動も多岐にわたっていて、やはりコンパイルされていたら嬉しいなと(無論オリジナルアルバムをチェックすることも必須ですが)。そして仮にリリースされることがあれば今また注目されてきている岡村さんと美里さんとで新曲を作ってくれたなら...と淡い期待を抱く自分がいます。

 

なお、ボーナストラックには「恋したっていいじゃない」(作曲は伊秩弘将さん)をお願いしたいところ。作曲には関わっていないものの最後のサビ前のコーラスに岡村さんが登場しており、それが主役を食うくらいの存在感を放っているのです。