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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

米ソングスチャート、マライア・キャリーのクリスマスソングが遂にトップ10入り

ビルボードソングスチャートを定点観測。

現地時間の12月18日月曜に発表された、12月30日付最新チャート。エド・シーランがビヨンセとのデュエットバージョンによる「Perfect」で2週目の首位を獲得しました。

記事は下記に。

そしてトップ10はこちら。

先にビルボードによる速報ツイートを掲載しましたが、実はその10分ほど前にはこんなツイートが。

実は今回の米記事、全体の3分の2程度を今週9位にランクインしたマライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」(邦題:恋人たちのクリスマス)に割いています。1994年にリリースされたアルバム『Merry Christmas』収録曲のトップ10入りは、それだけ衝撃だったということです。

マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」は、2シーズン前に11位を記録、先週その最高位に並びいよいよ...と言われていました。最新週の各指標は、ストリーミングが前週比4%アップの2520万(同指標7位)、デジタルダウンロードは同8%ダウンの19000(13位)、そしてラジオエアプレイは同28%アップし3400万(36位)に。

マライアにとってはこの曲で通算28曲目となるトップ10入り。マドンナ(38曲)、ビートルズ(34曲)、リアーナ(31曲)、マイケル・ジャクソン(29曲)に続き、スティーヴィー・ワンダーに並びました。また3ディケイド(1990年代、2000年代および10年代)全てでトップ10を獲得した歌手としては12組目に当たります(他にはクリスティーナ・アギレラドクター・ドレーホイットニー・ヒューストンエンリケ・イグレシアスマイケル・ジャクソン、ジェイ・Z、ジェニファー・ロペス、マドンナ、スヌープ・ドッグブリトニー・スピアーズおよびアッシャー。なお、マイケル・ジャクソンは1970年代以降、マドンナは90年代以降ランクイン)。

クリスマスソングがトップ10入りしたこと自体、久々のこと。ザ・チップムンクス with デヴィッド・セヴィル「The Chipmunk Song」(1958)、ダン・フォーゲルバーグ「Same Old Lang Syne」(1981)、ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロック「This One's For The Children」(1990)、ケニー・G「Auld Lang Syne」(2000)以来、マライアが5曲目。”Christmas”が付く曲では初の快挙で、ビング・クロスビー「White Christmas」は発売から20年経った1962年に12位を記録、バンド・エイド「Do They Know It's Christmas?」が1985年に13位...等、有名曲が必ずしもトップ10入りしたわけではないのです。

 

実は「All I Want For Christmas Is You」、収録アルバムがリリースされた1994年にはラジオエアプレイで最高12位を獲得していながらもソングスチャートに入ることが出来ませんでした。これは未シングルCD化作品にチャートインの資格が与えられなかったためで、1998年末に資格が与えられた後、2000年1月8日付(つまり1999年のクリスマスシーズン)に初めて、83位に登場しています。そしてこの曲が大ヒットに至れた要因はなんといってもストリーミングのチャートへの取り入れ。2012年にチャートポリシーが変更されたことで、過去の曲も社会的な盛り上がりによってチャートに入りやすくなったのです。それゆえに2シーズン前にはこの曲が11位まで上昇し、今回遂に9位に入ったことに。同名アニメが先月パッケージ等で発売されたこと(その原作本がこの曲にインスパイアされ、2年前発売したこと)等がこの曲のロングヒット化に至らせた要因とのことですが、2011年に開始したクリスマスソングスチャート”Holiday 100”ではこの曲が通算29週もの1位を獲得し独走状態に。他にも1位獲得曲があるのですが、2週以上の首位を獲得した曲はありません。こちらについては昨年記載しています。

つまり、マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」はアメリカで最強のクリスマスソングなのです。映画の力だけではなく、曲自体に大きなパワーが内包されているゆえ、来シーズン以降も同様の動きが見られそう。今シーズンについても、今後数週は注目しないといけませんね。

 

今週首位を獲得したのはエド・シーランとビヨンセによる「Perfect」。デジタルダウンロードは前週から5割近く落としたものの同指標で3週目の首位を獲得。ラジオエアプレイでは前週比13%アップし2位、ストリーミングでも同14%上昇し3位につけています。

6位にはミーゴスとニッキー・ミナージュ、カーディ・Bによる「MotorSport」が登場。

ミュージックビデオの解禁に伴うストリーミングの伸び(前週比40%アップ)で9ランク上昇しトップ10入り。デジタルダウンロードも同44%、ラジオエアプレイでも1割上昇しています。ミーゴスにとっては、リル・ウージー・ヴァートをフィーチャーした「Bad And Boujee」で首位を獲得して以来2曲目のトップ10入り、ニッキー・ミナージュは15曲目、カーディ・Bは「Bodak Yellow (Money Moves)」、今週10位に入ったGイージー「No Limit」への客演(エイサップ・ロッキーと共に参加)に次ぐ3曲目のトップ10入りとなりました。

 

実はマライア・キャリーのみならず、前週の段階で著名なクリスマスソングがソングスチャート、それもトップ40入りしていたのです。日本時間で今夜更新されるソングスチャート、隈なくチェックしてみようと思います。