デジタルダウンロードがCDセールス指標のみの順位を覆した好例といえます。
【ビルボード】椎名林檎トリビュート『アダムとイヴの林檎』が総合アルバム首位 ももクロ、NCT 127が続く https://t.co/lzy0jhcM0m pic.twitter.com/5QOWvTBro6
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) May 30, 2018
CD(フィジカル)セールスは5位。1位とおよそ24000枚の大差がありながら『ダウンロードでは9,047ユニットを売り上げ、大差で1位となっており、これがフィジカル領域での遅れを取り戻す形で、総合順位をトップに押し上げた』(『』内は上記リンク先より)ということは、ビルボードジャパンチャートにおいてデジタルダウンロード指標のウェイトが重い(アルバム1枚の売上において、CD<デジタルダウンロードとなる)といえるかもしれません。自分はCDで購入しましたがハズレなしで、各歌手が自分の世界に染めつつしかし椎名林檎らしさが存分に味わえるという素晴らしいバランスの作品集といえ、単なる(カラオケ的)カバーではない『アダムとイヴの林檎』が最上位にランクインしたことは正当評価というのが私見です。
で、正当評価がある一方で”不当評価”も。
上記はiTunes Storeでの『アダムとイヴの林檎』のリンク先ですが、ここでの一部の投稿には心底がっかりしました。最も早く投函されたと思しきカスタマーレビューがその典型です。
エビ中の曲だけでいいのにアルバム買わせられるのかよじゃあ要らない
・上記リンク先カスタマーレビューへの投稿より
この投稿者は星一つという最低の評価を下しており、他にも”単曲で買えないのを理由に低い評価を下す”という方が散見されます。百歩譲ってその悔しい思いが解るとして、それがアルバムの中身の評価とイコールではない以上、単曲で買えないのを理由に低い評価を下すというのは衝動的というか、”短絡的な不当評価”だと強く思います。個人的には、汚い言葉を平然と吐くカスタマーについては評価することを禁止してほしいとも思うのですが。
では何が問題なのかを調べてみると…単曲で買えないのは(ここから敬称略)、宇多田ヒカル&小袋成彬、三浦大知、私立恵比寿中学、LiSA、松たか子。三浦大知はエイベックス、そして他の方々は全てソニー系列。単曲で買えるのはレキシ、藤原さくら、木村カエラ、RHYMESTER(以上ビクター系列)、MIKA、AI、井上陽水(ユニバーサル系列)、田島貴男(自主レーベル)。theウラシマ'Sは今回のために組まれたものでメンバーの中にソニー系列のASIAN KUNG-FU GENERATIONの方がいますが単曲で購入可能、おそらくボーカルがユニバーサル系列のスピッツ草野マサムネゆえかと思われます(以上敬称略。リンク先は所属レコード会社のホームページ)。 これらを踏まえるに、デジタルダウンロードにおける問題の根本はすなわち一部レコード会社の意向に因るとみるのが自然であり、ならばカスタマーである私たちが本来指摘すべき点はここなのです。
カスタマーは短絡的に勢いに任せて不当評価をせず、今回の根本の問題を突き詰め、その上で問題点に対してきちんと声を上げる(そしてその際は汚い言葉を用いない)ことが重要だと考えます。
(※追記 19:23)
読んでくださった方から、単曲ダウンロード可能ですよ?とのご指摘をいただきました。
上記にはありませんが、松たか子「ありきたりな女」も購入可能となっていました。またストリーミング(Apple Music)でも同様でした。
不思議なのは、現段階においてもアルバムから辿るとソニー系およびエイベックス所属歌手については”アルバムのみ(単曲購入不可)”となっているのですが…これはいったい。
上記でかなり厳しく書いてしまいましたが、短絡的なのは自分じゃないかと猛省。大変失礼いたしました。ただ出来ることならば、アルバムのみの表記を早急に解いていただきたいと思います。このままではアルバムにとっても、参加歌手にとっても痛手になるものと考えます。