イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

新人ゴスペル歌手コリン・ホーソーン、米ゴスペルチャートで驚異的な記録を更新中

日本時間の先週火曜日に発表された、最新8月4日付米ビルボードゴスペルソングスチャート。新人コリン・ホーソーンによる「Won't He Do It」が9週連続、通算20週目の首位を獲得しています。

実はこの曲、既に昨年8月にリリースされたデビューEPに(上記リミックス版が)収録されています。また、日本ではNetflixのオリジナル作品として配信されている『グリーンリーフ シーズン2』(2017)のサウンドトラックにはオリジナル版、およびドラマに出演するロション・フェガンとの共演版が収録されています。

リミックス版はその後、毎年1月リリースの『WOW Gospel』最新作にも収録。

アメリカではドラマが『第一話は300万人超の視聴者を数え、オプラ・ウィンフリー主宰のTV局OWNで、当時最高の視聴者数を叩き出した』(グリーンリーフ | Netflix (ネットフリックス) 公式サイトより)こともあってか、「Won't He Do It」が3月3日付のゴスペルソングスチャートで初の頂点に。その後最新週に至るまで、都合3週分の陥落はあれど2度のカムバックを果たし、現在に至るまで通算20週首位に立っているという状況です。

 

コリン・ホーソーンは現在20歳。"米オーディション番組『The Voice』シーズン8で4位に入った"という経歴を、実は以前このブログに書き残しています。

プレデビュー、そして本格デビュー時にサウンドトラック参加というお墨付きを受けたコリン。「Won't He Do It」の通算20週という首位は、女性歌手では歴代3位となりました(最上位2曲は共にタメラ・マンによる「Take Me To The King」(25週)、「Change Me」(23週))。歴代最高となるマーヴィン・サップ「Never Would Have Made It」の46週にはまだまだ及びませんが、デビューヒットがここまでの記録になるというのは素晴らしいことです。

とはいえ、この曲はまだまだ伸びる可能性があります。先月コリン・ホーソーンがフルアルバム『Unstoppable』をリリースしており、7月28日付ゴスペルアルバムチャートを制しています(最新週は2位)。この後押しもあって「Won't He Do It」が未だに赤丸を続けていること、またライバル曲が見当たらないことからこの勢いはしばらく続くかもしれません。

『Unstoppable』にはR&B界でも活躍する制作陣、ウォーリン・キャンベルやトロイ・テイラー、ジョンテイ・オースティン等が参加(ちなみにジョンテイは先に引用したブログ記事で紹介したサントラ、『Saints & Sinners』のタイトル曲のソングライターにクレジット。プロデュースは同じくR&B畑のポロウ・ダ・ドン)。また「Won't He Do It」のソングライターのひとり、マケバ・リディックビヨンセ「Déjà Vu」(2007)やリアーナ「Rude Boy」(2009)、テイマー・ブラクストンの復帰作「Love And War」(2012)などに関わっており、ゴスペルのみならずR&Bファンからも人気を集めていると言えそう。そういう意味でもコリン・ホーソーン、覚えていて損はない名前だと思いますよ。