イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

タトゥーについての私見(再掲)

タトゥーは好きではありません。しかしそれはあくまで私自身の考えであり、誰がいれようと構わないと考えます。つまりは、個人的嫌悪感や勝手に抱いていたイメージという至極個人的な感覚を他者に倣わせるのは傲慢であり、【自分が気に入らないものは社会的に間違っている】ということの植え付けがネット社会に蔓延ることには辟易します。今の社会においては、今日のエントリーの最初の一文だけをバンッと押し付け思考停止を招くやり方がまかり通っているように思えてなりません。

 

自分がタトゥーについて真に問題だと考えるのは、これまで公私に限らず、広く社会的な議論がなされてこなかったということ。世代による認識の差等、多様な考え方があることを相互理解し、差を埋めようとする気概がなかったように思うのです。多くの方が各々タトゥーについて考えていたことが、今回のりゅうちぇるさんの件で噴出した...ならば、本来はそれ以前の段階で議論し、認識の差を埋める等の必要があったはずです。

たとえば自分は2年前、ある社会的側面から一度提示しました。

(当時引用した記事のリンク先が消去されていますのでご了承ください。)

タトゥーが生命保険業界において厳しい見方がなされていることが、タトゥーが社会的害悪であることにある種お墨付きを与えているように考えます。病気を引き起こしかねない可能性は理解出来ても、彫る技術が進み病気への可能性が減っただろうこと、主に若年層がカジュアルに捉えていること等を踏まえれば、業界側は定期的に見直すかを検討する必要があるはずですが、その動きがどうも聞こえてこないのが現状です。見直してみてそれでもタトゥーが入っていれば生命保険に入れないという結論に至ったならばそれでよく、要は見直そうとしているか、考えようとしているかが感じられないのが問題。生命保険という社会と密接に関わっているものが何かしらの基準を提示することで、『その見解が広く伝わってはじめて、各自が己の責任でタトゥーを入れることを選択』(上記ブログエントリーより)出来るようになるのではないかと。

 

社会全体が考えようとせず、ひとつの出来事をきっかけにようやく議論が噴出して出来事の当事者ばかりが叩かれる問題...これって何もタトゥーだけに限りませんよね。たとえば日本における#MeTooもそんな気がしており、その風潮を至極残念に思います。さらには今週こそタトゥーについての問題が取り上げられながら次週にはフェードアウトしそうな気もして、それも怖いことだなと。今回を機に、きちんとした議論を、それも定期的に実施することを願うばかりです。