イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ジャニーズ事務所所属歌手の曲、次週がデジタル解禁に至る最良のタイミング?

昨日発表された、最新12月17日付ビルボードジャパンソングスチャート。前週首位をAKB48「NO WAY MAN」は大きく後退しました。

近年のAKB48のシングル(前作「センチメンタルトレイン」を含む)の総合ポイントにおけるシングルCDセールス加算週と翌週の比較については以前、坂道グループとの対比も含め掲載していますのでそちらを是非。

 

さて、今週チャートを制したのはSexy Zone「カラクリだらけのテンダネス」でした。

上位4強はいずれもシングルCDセールス指標の順位がそのまま総合チャートにも踏襲されていますが、「カラクリだらけのテンダネス」はルックアップも制しており抜きん出た形となりました。とはいえデジタル未解禁のため、仮に解禁していたら2万ポイント前後になったのでは…と考える自分がいます。

というのも、今月がデジタル解禁に至る最良のタイミングだと考えるゆえ。

これは12月9日日曜につぶやいた内容。10日~16日を集計期間とする12月24日付ランキング(19日発表)から、オリコンは複合指標を用いることになります。現段階では未だ、シングルCDと複合指標のどちらのランキングが優先されるか、ビルボードジャパン同様シングルCDセールスランキングに係数を用いるのかがみえてこないという問題はありますが(下記エントリーにて掲載済)、走り出すのは事実です。

エントリーで触れたオリコンジャニーズ事務所との密な(と思われてもおかしくない)関係性を踏まえるに、ならばオリコンが複合指標ランキングを発表するその1回目でデジタル化を進めてくる可能性がある(つまり初回の集計期間の初日に一斉解禁する)と思ったのですが、結果は解禁されないまま。しかし一昨日のオリコンデイリーシングルランキング(昨日発表)の上位初登場組にジャニーズ事務所所属歌手がいないことを踏まえるに、仮に今週解禁したとしても事務所側にはメリットはないと思ったのではないかと。そして、次週こそそのタイミングではないかと思っているのでは?と。

来週19日、KinKi Kidsがシングルをリリースするのです。発売日は複合指標ランキングの初回発表日と重なるゆえ、先述した両者の関係性を踏まえれば、19日にデジタル解禁をアナウンスすれば両者にとって最良のタイミングではないかと。オリコンは複合指標ランキングをはじめたことの、ジャニーズ事務所にとってはデジタルを前向きに捉え出したことの訴求につながります。

 

無論、これはあくまで仮定であり、デジタルダウンロード等を永遠に行わない可能性だって否定出来ません。ただ、今年を代表する、そしてメディアでも高い露出を誇ったKing & Prince「シンデレラガール」をはじめ、今年(デジタルを指標に組み込んだ)ビルボードジャパンの年間チャートで事務所所属の歌手がトップ10を逃したのは至極勿体無いと思うのです。

事務所側が、デジタル解禁に伴いシングルCDセールスが減ることを懸念していたとしたら、個人的にそれは微減で済むものと考えています。ジャニーズ事務所所属歌手には固定且つ強固な結びつきのファンが大勢いらっしゃるわけで、その方々にとって(グッズ的な意味で)ジャケットもシングルCD購入の目的と考えれば、ライトユーザー(特段そのアイドルのファンではない方)がCDからデジタルに移行するぐらいで、シングルCDセールスがそこまで落ち込むことはないでしょう。むしろ「シンデレラガール」や今週首位の「カラクリだらけのテンダネス」等の高いルックアップを踏まえれば、ライトユーザーにとってはCDレンタルに加えてデジタルダウンロードという選択肢が増え、よりユーザーフレンドリーとなります(しかもCDレンタルが100~200円台に対し、デジタルダウンロードは1曲250円。それぞれの利益等は解りかねますが後者のほうがレコード会社に好いのかもしれません。そしてデジタルダウンロードのほうがルックアップよりビルボードジャパンソングスチャートにおけるウェイトが大きい可能性も)。そして、既にシングルCDの購入を決めたファンにとって、仮にシングルCDリリースに先駆けてデジタルが先行配信されたならばファン心理的にそちらも購入等するのではないかと考えると、総合的な売上は増える可能性だってあるのです。

 それらを考慮すれば、デジタルダウンロードをしないことのメリット、フィジカルに固執するメリットは高くはないと思うのです。何事もやり方(戦略)次第ではないでしょうか。