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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ビルボードジャパンソングスチャート、三浦大知「Blizzard」を支える"ブリ活"に注目

昨日発表された、最新12月24日付ビルボードジャパンソングスチャート。前週首位のSexy Zone「カラクリだらけのテンダネス」は順位を大きく落とし、シングルCDセールス指標が圧倒的だったSKE48「Stand by you」が首位に立ちました。しかし。

2週前に首位だったAKB48「NO WAY MAN」が1→20→80位と大きくダウン。ポイント全体に占めるシングルCDセールス指標の割合が大きすぎるため、他指標が伴わないとロングヒットに至れないのはここで幾度となく書いてはいますが、おそらく「Stand by you」も急落は免れないだろうと考えると、他指標が伴わないのはAKB48グループ全体の課題と言えるでしょう。指原莉乃さんが卒業し、知名度抜群のメンバーが減るわけで尚の事です。

 

さて、今週注目するのは三浦大知さんの新曲、「Blizzard」。

昨日シングルCDがリリースされたこの曲、映画『ドラゴンボール超 ブロリー』の主題歌に起用されたことで注目を集めています。そして各指標の推移をみると、これまでにない動きが見えてくるのです。 

※各指標について

 ・ポイント:総合ポイント

 ・ポイント前週比:前週および当週共に50位以内にランクインした場合のみ計算(50位未満は総合ポイントが表示されない)

 ・上記の理由により50位未満、総合ポイントで比較不能時は※で表示

 ・各指標について

  (詳細はビルボードジャパンの自問自答 | Special | Billboard JAPANをご参照ください)

   CD:シングルCDセールス

   DL:デジタルダウンロード

   ST:ストリーミング

   RA:ラジオエアプレイ

   LU:ルックアップ

   TW:Twitter

   MV:動画再生

   KA:カラオケ

 ・各指標毎順位における[-]はランク圏外、[ ](ブランク)はランクインせず。これらはCHART insight | Billboard JAPANから曲名をクリックすると確認可能

三浦大知「Blizzard」

 (12月19日シングルCD発売、11月9日先行配信)

日付 ポイ
ント
前週
総合
順位
CD DL ST RA LU TW MV KA
2018/11/5   -           53    
2018/11/12                    
2018/11/19 1192 47   27       14    
2018/11/26 ※  59   38 - 87   68 -  
2018/12/3 -   100 - 49   - -  
2018/12/10 1267 42   48 - 33   31 49  
2018/12/17 1667 131.6% 29   40 90 19   27 36  
2018/12/24 3518 211.0% 11   12 42 3   2 9  

CDとルックアップは次週以降のチャートに反映されますが、総合順位では既に前作「Be Myself」の最高位に並んでいます。そして「Cry & Fight」で認知度が急上昇した後にリリースされ、『ドラゴンボール超 ブロリー』同様に子どもたちに人気の作品、『仮面ライダーエグゼイド』(2016-2017 テレビ朝日)の主題歌「EXCITE」(最高2位)におけるシングルCDセールス指標加算直前の順位、49位を大きく上回っているのです。「Cry & Fight」以降の順位は下記エントリーをご参照ください。

このエントリーでは、内容(曲、そして歌手としての実力)にチャートアクションが追いついていないことについて考えたのですが、先のツイートにも書いた通り、特に弱いと考えていた動画再生指標でトップ10入りを果たしています。そして注目は、Twitter指標の2位ではないでしょうか。

今週のTwitter指標でトップを獲得したのは星野源「Pop Virus」。アルバムからのリード曲でありアルバム名をつぶやけば曲にも加算されます。しかも星野源さんについては運営側が巧みなマーケティングを施し、シングルCD未リリースながらビルボードジャパンソングスチャートを制した「アイデア」では感想等のツイートを促すキャンペーンを実施するなど、Twitter指標を如何に上げるかを考えて動いています。他方、三浦大知さんの運営側がたとえばTwitterで、"#三浦大知 #Blizzard とつけてつぶやこう"と発信していない気がして(見落としならば申し訳ありません)、ゆえにファン等の自主的な動きに委ねられます。それで同指標2位なのですから素晴らしいことではないでしょうか。しかもCHARTinsightで「Blizzard」をみてみると、Twitter指標が全体の3割程度を占めているのです。

f:id:face_urbansoul:20181220082622p:image

曲や映画に触れてつぶやいた方も多いでしょうが、如何にファンが支えているかが理解出来ますし、それがチャートに反映された形です。

調べてみると、今回のファンによるTwitterでのつぶやき活動が"ブリ活"と呼ばれていることが判りました。ネーミングも可愛らしく、そしてファンが好い曲をチャートで成果出させるべく、一丸となって動くというのは凄いことだと思います。そして実際に効果が出たならば(というか既に効果は表れていますが)、運営側がSNS等を活用したマーケティングに更に本腰を入れるべくシフトチェンジする気がしますし、そうなっていただきたいものです。

 

ちなみに、ビルボードジャパンソングスチャートの8指標において、ファンが能動的に複数回貢献出来るものがあります。それがストリーミング、Twitter、動画再生およびカラオケです。ゆえに三浦大知さんのファンのみならず、全ての歌手のファンが出来ること。それを"ブリ活"のように一丸となって動けるかどうかがチャート浮上の鍵になるものと考えます。

 

個人的には、シングルCDセールス指標が加算された翌週より、さらに次の週の動向が気になります。無論上位進出も必要ですが、瞬間的なものならば記憶に残りにくく社会的なヒットとは言えません。社会的なヒットにはロングヒットも条件であり、ゆえにシングルCDセールス指標が落ち着く翌々週の動向をみて、あらためてエントリーを綴ろうと思います。