イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

合算ランキングを発表しても募る不信…オリコンは誰のためにある?

今週水曜から開始されたオリコンのシングルおよびアルバムの合算ランキングについて、詳細等は一昨日のブログエントリーに掲載しました。

そこでその合算ランキングと、先んじて合算をスタートさせたビルボードジャパンソングスチャートで比較しようとしたのですが、あるツイートを読んで"これではオリコンランキングは紹介したくても積極的には出来ない"と思ってしまいました。いや、紹介してはいけないのではと思うのです。

(元ツイートを引用した自身のツイートを掲載しました。問題があれば削除させていただきます。)

この"禁無断複写転載"については、今日現在のORICON NEWS|最新情報を発信する総合トレンドメディアのトップページ最下段にも掲載されています。この文言は以前からあったのかもしれませんが、正直言って"ひどい"なと。

オリコンが合算ランキングをはじめながらもシングルCDセールスランキングもこれまでと変わらず発表し、以前ここで懸念した通りどちらを主たるランキングにしようとしているのか見えてこない問題もあります。

 

さて、新たにスタートした合算ランキングについて、やはり比較しなければ…と考え、既に比較を掲載した方のツイートを紹介させていただきます。

(問題があれば削除させていただきます。)

オリコンが発表した合算ランキングの集計方法をみれば、結局はシングルCDセールスが強い構造は変わらず。上記をツイートした音楽マーケッター/アナリストの臼井孝氏は"僅かな改良"とオリコンを形容しています。ちなみにオリコンではシングルCDセールスに、ユニークユーザー数等を踏まえた"係数"を用いていないため、シングルCDセールスに長けたジャンルが勝ってしまうということも言えるでしょう。

 

チャート分析に長けた方々がこぞって、オリコンはほぼ変わらないこと、ビルボードジャパンのほうが流行の鑑となっていることを指摘していますが、ではなぜそのような"僅かな改良"を施してまでもオリコンは合算ランキングを発表したのでしょうか。

自分が考えるのは3つ。ひとつはオリコン自身が変わったことを訴求するためでしょう。アピールは好印象をもたらします。たとえそれが僅かな改良であれ、"合算ランキングを発表する"というニュースをその表題だけ受け止めると、好印象ばかり抱くようになります。

二つ目はこのランキングが売上に特化したものから、レコード会社にとってはより整合性の高いものになったという、いわばレコード会社のため。

そして三つ目…シングルCDセールスに長けたジャンルや歌手にとって、たとえばこれまでオリコンセールスランキングで1位を獲り続けた歌手が合算ランキングになってから途絶えかねないという懸念を少しでも減らすためではないかと。邪推と言われればそれまでですが、仮に合算ランキングで首位を逃したとしても並行して重要視しているシングルCDセールスランキングで1位であれば首位記録は続いていると言えるかもしれませんし、今回の合算ランキングではシングルCDセールスのウェイトは極めて高いわけで、そう考えると特定のジャンルの歌手にとっての施策と言えるでしょう。

 

実際、自分がオリコン合算ランキングの集計方法の発表直前、合算ランキングでシングルCDセールスのウェイトがもっと下がるものと踏まえこのようなエントリーを書き記したのですが、結果デジタル解禁には至っていません。

オリコンジャニーズ事務所との密な関係性は以前から指摘しており、とりわけ合算ランキング実施発表と事務所所属タレントのインターネットでの写真解禁のタイミングが重なったことにも疑問を抱いていました。

今回の合算ランキングにおいて、その内容が一般への発表前に各事務所側に通達され、その上でデジタル解禁しなくてもよくなったと判断した可能性も想像出来ますが、個人的に最も懸念していることはこの密な関係性を踏まえ、事務所側からオリコンに対し合算時のシングルCDセールスウェイトを上げるよう(または係数を用いないよう)、従来のシングルCDセールスランキングと合算ランキングを並列に扱うよう指示があり、オリコンがそれに従ったのでは…ということ。無論これは邪推の域を出ませんが、オリコンが"禁無断複写転載"という、あたかも事務所がこれまでインターネットでの写真取扱について採った強い禁止令を採用していることを考えるに、両者に通底する"イズム"は同じではないか…ならばこの邪推はリアリティがあると考える自分がいます。

 

いずれにせよ、今回の合算ランキング発表においてオリコンへの信頼が高まるということはほぼありませんし、禁無断複写転載令を経て疑念がさらに高まった次第。このブログでは今後も、流行の鑑たるビルボードジャパンをチェックしていきます。