イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

マライア・キャリー「恋人たちのクリスマス」を筆頭にクリスマスソングが米チャートを占拠した、その原動力とは?

メリークリスマス!と言うには一日遅れてしまいましたが、しかし音楽チャート上ではクリスマスソング強し、なのです。

昨日速報版を発表した、最新12月29日付の米ビルボードソングスチャート。一足早くトップ10入りしたマライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You (邦題:恋人たちのクリスマス)」に加え、アンディ・ウィリアムス「It's the Most Wonderful Time of the Year」が10位に入り、トップ10入りが2曲となったことはお伝えしましたが、40位以内に範囲を広げると実に12曲ものクリスマスソングが総合チャートにランクインしているのです。これは凄い。

●12月29日付米ビルボードソングスチャート、40位以内にランクインしたクリスマスソング一覧

※太字は今週最高位を更新した楽曲

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

7位 (6位) マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」

10位 (13位) アンディ・ウィリアムス「It's the Most Wonderful Time of the Year」

11位 (18位) ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」

12位 (21位) バール・アイヴス「A Holly Jolly Christmas」

13位 (15位) ボビー・ヘルムズ「Jingle Bell Rock」

17位 (24位) ナット・キング・コール「The Christmas Song (Merry Christmas To You)」

27位 (31位) ワム!Last Christmas

28位 (27位) ジーン・オートリー「Rudolph the Red-Nosed Reindeer」

32位 (32位) ディーン・マーティン「Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!」

33位 (41位) ザ・ロネッツSleigh Ride

34位 (42位) ホセ・フェリシアーノ「Feliz Navidad」

35位 (40位) ジーン・オートリー「Here Comes Santa Claus (Down Santa Claus Lane)」 

 今週最高位を更新していない楽曲も赤丸が付いており前週より勢いが。マライア・キャリーについては昨日お伝えしたように総合ポイントでは前週比21%もの大幅アップとなっています。

そしてこれらの楽曲の大半はストリーミングが牽引。最新12月29日付ストリーミングソングスチャートで40位以内に入った楽曲を挙げてみると。

 ※太字は今週、総合チャートよりストリーミングソングスチャートが順位を上回った楽曲

[総合チャート順位 (ストリーミングチャート順位) 歌手名・曲名]

7位 (3位) マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」

10位 (7位) アンディ・ウィリアムス「It's the Most Wonderful Time of the Year」

11位 (12位) ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」

12位 (9位) バール・アイヴス「A Holly Jolly Christmas」

13位 (11位) ボビー・ヘルムズ「Jingle Bell Rock」

17位 (14位) ナット・キング・コール「The Christmas Song (Merry Christmas To You)」

27位 (20位) ワム!Last Christmas

28位 (15位) ジーン・オートリー「Rudolph the Red-Nosed Reindeer」

32位 (22位) ディーン・マーティン「Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!」

33位 (23位) ザ・ロネッツSleigh Ride

34位 (40位) ホセ・フェリシアーノ「Feliz Navidad」

35位 (17位) ジーン・オートリー「Here Comes Santa Claus (Down Santa Claus Lane)」 

41位 (24位) ペリー・コモ「(There's No Place Like) Home For The Holidays」

42位 (26位) ペリー・コモ・ウィズ・フォンテイン・シスターズ「It's Beginning To Look A Lot Like Christmas」

50位 (33位) ダーレン・ラヴ「Christmas (Baby Please Come Home)」

以下は総合チャート100位以内未ランクイン

(35位) マイケル・ブーブレ「Have Yourself A Merry Little Christmas」

(37位) ケリー・クラークソン「Underneath The Tree」

総合チャート40位以内に入ったクリスマスソングを5曲上回る、17曲がランクインしているのです。

 

ストリーミングがクリスマスソングの総合順位を押し上げているだろうという仮説については先々週書いたのですが。

特にマライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」がその最たる例で、ラジオエアプレイ18位、デジタルダウンロード11位に対しストリーミングは3位。それも、ストリーミングのうち動画配信を除く定額制音楽配信(オンデマンドストリーミング)サービスに絞ったチャートをみると、 最新12月29日付の米ビルボードオンデマンドストリーミングソングスチャートではなんと首位に立ったのです。また同チャートでは40位以内に23曲もランクインしており(この中にはポール・マッカトニーやジョン・レノンオノ・ヨーコエルヴィス・プレスリー等も)、パソコンやスマートフォンで、個人や家族がクリスマスソングを聴いている(もしくは店舗もBGMとして活用している)ことがチャートによって証明された形です。

 

面白いのは、あれだけクリスマスアルバムがヒットしているペンタトニックスや、今年のクリスマスアルバムの中でとりわけ評価の高いジョン・レジェンドが今回紹介した範囲のソングスチャートでは入っていないということ。時代が経っても色褪せないクリスマスソングが好まれる傾向にあるといえます。ゆえにケリー・クラークソンマイケル・ブーブレのランクインは立派なことなのですが、なんといってもマライア・キャリーは最強と言っても過言ではないでしょう。

 

さて次週のチャートはデジタル2指標の集計期間が12月21日金曜から27日、ラジオエアプレイが24日月曜から30日。26日以降はクリスマスソングが聴かれないだろうことを考えると、デジタル2指標の集計期間5日間で今週並みの勢いを維持できるか…次週の結果に注目です。