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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

バックストリート・ボーイズ、『DNA』よりも過去曲が話題に? チャートアクションから違和感を覚える

最新2月4日付、ビルボードジャパンアルバムチャートではバックストリート・ボーイズによるおよそ5年半ぶりのオリジナルアルバム『DNA』が制しました。

『DNA』はフィジカル(CDセールス)、デジタル(ダウンロード)を共に制しトップに(一方、ルックアップは21位)。そういえばアルバムリリース前に日本でプロモーション活動を行っていましたね。

ラジオ出演も多い中、テレビでは『ミュージックステーション』(テレビ朝日 1月18日放送分)と『スッキリ』(日本テレビ 1月22日放送分)に出演し、共にパフォーマンスを披露。ただ気になるのは、両番組とも2曲ずつ披露しながら、全曲が異なる点。『DNA』収録曲では前者が「Don't Go Breaking My Heart」、後者が「Chances」とバラバラ。

そして各番組で披露されたもう1曲。こちらもバラバラですが共に過去曲であり、いずれもベストアルバム『The Hits - Chapter One (邦題:グレイテスト・ヒッツ - チャプター・ワン)』(2001)に収録。

その結果、オリジナルアルバムのみならずベストアルバムも17位に上昇する結果に。それはそれで素晴らしいのですが、ソングスチャートでどうなったかというと、2月4日付ビルボードジャパンソングスチャートでは最新曲を過去曲が凌駕してしまうという結果が起きてしまっているのです。CHART insightにおいて、一番右側が最新週における各指標毎の順位となります。

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ラジオでは「Chances」がきちんとかかっておりラジオエアプレイ指標で7位を獲得していますが、同曲の総合ポイントはラジオ以外で全体の2割強しか獲れず、しかも動画再生指標はほぼカウントされていないのです。同曲を披露した『スッキリ』の放送日は2月4日付チャートの集計期間内に当たるのですが、番組視聴者にパフォーマンス視聴→動画再生(これは単曲でのデジタルダウンロードやストリーミングにも該当)という流れが生まれなかったのか、それともそもそもバックストリート・ボーイズのファンがいなかったのか…いずれも推測でしかありませんが、いずれにせよ寂しい数字となりました。他方、集計期間前に『ミュージックステーション』で披露された「I Want It That Way」は、総合ポイントにおける動画再生指標のシェアが1割以上に。ドラマ『彼女たちの時代』(1999 フジテレビ)に用いられたこともあって認知度が高いとはいえ、動画再生でも、そして総合チャートでも【過去曲>新曲】となり、オリジナルアルバムの認知度拡大というプロモーション来日目的の結果がこれか…と考えさせられます。

 

邪推と言われればそれまでですが、過去曲をVTRで紹介して終わらせるのではなく、実際に披露しないと最新曲を紹介してもらえない約束でもあるのでしょうか。彼らの今の音楽性がアルバムチャートで首位という形で反映されたのは嬉しいですが、広くメディアや市井のみならず、仮に彼らが過去曲の披露を好ましく思っていなかったならばそれを強いたことになるレコード会社にも当てはまるかもしれませんが、日本人の多くが保守的な体質を持ち合わせすぎているのでは…?と疑念を抱いてしまう自分がいます。