イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

三浦大知「Blizzard」が勢いをキープする理由は? 2月11日付ビルボードジャパンソングスチャートをチェック

1月28~2月3日を集計期間とする2月11日付チャートが昨日発表されたビルボードジャパン。同日付ソングスチャートでは5週連続、通算7週首位を獲得していた米津玄師「Lemon」が遂に陥落し、ジャニーズWEST「ホメチギリスト」が圧倒的なシングルCDセールス指標を獲得してトップに立ちました。

「ホメチギリスト」の初週におけるシングルCDセールス指標は、総合ポイント全体の4分の3以上。逆に言えば同指標が強ければ強いほど次週の急降下の可能性が高まるわけで、どこまで踏みとどまれるか気になるところです。昨年リリースの2つのシングルについてはいずれも2位発進ながら翌週には30位台に急落、且つ総合ポイントが前週比10%未満となっています。

今週は上位20位以内に初登場が実に9曲も入っており、ONE OK ROCK「Wasted Nights」(14位)を除けばいずれもシングルCDセールス指標初加算週ゆえの登場ですが、「Wasted Nights」(2月1日配信開始)を含めて総合ポイントの過半数をひとつの指標で占める曲がほとんどの中、美波さんのデビューシングル「カワキヲアメク」(19位)だけは該当していません。

f:id:face_urbansoul:20190207083047p:image

とはいえデジタルダウンロード指標がほぼ5割近いシェアとなっており、一指標に特化していることには変わらず。ゆえに今回初登場の上位陣が次週もその数値をキープ出来るかどうかは、シングルCDセールスやデジタルダウンロードといったいわゆる"一度手に入れれば満足"という指標以外のところをどれだけ押し上げるかにかかっています。

それゆえの、昨日のツイート。

上位陣と比較して満足いく順位にならなかったことで諦めていれば落ちるのみ。上位陣との比較のみならず自身と比較し、出来ることを行っていけば長期エントリーとなり他の浮き沈みに負けないチャートアクションとなるのです。これはすべての歌手のすべての曲に言えることです。

 

 

さて今日は、弊ブログで定点観測する三浦大知「Blizzard」について。今週トップ10から脱落し16位に後退しましたが、先述した初登場陣の次週の動向を踏まえれば順位の面で再浮上する可能性は十分考えられます(他方、次週初登場や急上昇組と戦うことにもなりますが)。

以前一度記載しましたが、同曲のチャート推移を今一度みてみると。

※各指標について

 ・ポイント:総合ポイント

 ・ポイント前週比:前週および当週共に50位以内にランクインした場合のみ計算(50位未満は総合ポイントが表示されない)

 ・上記の理由により50位未満、総合ポイントで比較不能時は※で表示

 ・各指標について

  (詳細はビルボードジャパンの自問自答 | Special | Billboard JAPANをご参照ください)

   CD:シングルCDセールス

   DL:デジタルダウンロード

   ST:ストリーミング

   RA:ラジオエアプレイ

   LU:ルックアップ

   TW:Twitter

   MV:動画再生

   KA:カラオケ

 ・各指標毎順位における[-]はランク圏外、[ ](ブランク)はランクインせず。これらはCHART insight | Billboard JAPANから曲名をクリックすると確認可能

三浦大知「Blizzard」

 (12月19日シングルCD発売、11月9日先行配信)

日付 ポイ
ント
前週
総合
順位
CD DL ST RA LU TW MV KA
2018/11/5   -           53    
2018/11/12                    
2018/11/19 1192 47   27       14    
2018/11/26 59   38 - 87   68 -  
2018/12/3 -   100 - 49   - -  
2018/12/10 1267 42   48 - 33   31 49  
2018/12/17 1667 131.6% 29   40 90 19   27 36  
2018/12/24 3518 211.0% 11   12 42 3   2 9  
2018/12/31 7400 210.3% 2 5 8 14 2 8 3 5  
2019/1/7 4828 65.2% 6 25 10 16 10 14 5 5  
2019/1/14 3548 73.5% 10 19 20 17 10 16 14 9 -
2019/1/21 3416 96.3% 10 37 23 17 22 19 3 14 -
2019/1/28 3559 104.2% 9 39 20 18 20 19 2 10 -
2019/2/4 2820 79.2% 10 59 36 24 50 22 4 12 -
2019/2/11 2711 96.1% 16 70 45 27 - 27 5 21 -

総合ポイントは前週とほぼ変わらず。今週のTwitter指標は総合ポイントのおよそ4割を占めています。一方前週はおよそ3割(下記はその時の解説ツイート)。

他指標でゆるやかに下降するものの、ファンを中心とした【ブリ活】によるTwitter指標の上昇が、勢いのキープに寄与したといえます。

総合ポイントの下降が急激になっていないのには他にも理由が。例えば1月17日、天皇陛下御在位三十年記念式典に参列し記念演奏することが発表されたり。

「Blizzard」が主題歌となった映画、『ドラゴンボール超 ブロリー』がアメリカで週間興行収入4位を記録したと報じられたのが1月23日。

映画は世界全体で興行収入1億ドルを突破した、と今週報じられています。

これらが三浦大知さんへの注目を高め、「Blizzard」のヒットを後押ししたと言えるでしょうが、個人的に注目したい"施策"が。

1月29日に行われたライブのリポートが同日付で報じられています。このライブは昨年開催予定だったものの悪天候により延期され、今日からはじまるアリーナツアーの直前に開催されたもので、終演に合わせて、昨年ツアーで披露された「Blizzard」のライブ映像が公開されたのです。

名古屋公演の延期自体は残念なことですが、アリーナツアーの直前にライブ開催且つ映像公開した結果、アリーナツアーへの期待がより膨らむのみならず、シングルCDの特典映像を公開することでシングル購入の動機が生まれたり曲への衝動に駆られてデジタルダウンロードやストリーミングを活用する方は少なくなかったはずです。リリースから2ヶ月近く経っていますが、リリースして終わりではなくここぞというタイミングで新たな施策を投じることは、新規ファン獲得のみならず既存のファンを満足させるという意味でも有効であり、それが"ブリ活"を好んで行いたいという思いを生み、活動のモチベーションを高める要因になるでしょう。

 

2月24日の天皇陛下御在位三十年記念式典での記念演奏、そしてアリーナツアーが終わる3月中旬まで、「Blizzard」が劇的にランクダウンすることはないかもしれません。このロングヒットを受けて『ミュージックステーション』や『うたコン』などが今一度三浦大知さんを招聘すれば、さらなる起爆剤になるものと考えます。