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チャート愛好家。ビルボードジャパンや米ビルボードのソングスチャートなどを紹介します。

6月10日付ビルボードジャパンアルバムチャートを制したB'z『NEW LOVE』のデジタル未解禁を思う

一昨日発表された、最新6月10日付ビルボードジャパンアルバムチャートはB'z『NEW LOVE』が制しています。

しかしながらCHART insightを見ると、『NEW LOVE』のデジタルダウンロード指標はゼロ。300位以内にも入っていないのです。それもそのはず、『NEW LOVE』は今朝の段階でデジタル解禁されていません。

今年度のビルボードジャパンアルバムチャートでトップ3入りを果たしながらデジタル未解禁の作品は、ジャニーズ事務所所属歌手以外では初(ちなみにSF9『ILLUMINATE』が4月1日付で3位に登場していますが、その週のデジタルダウンロード指標は100位以下(300位未満)でありカウントされています)。デジタルダウンロード解禁が自然のこととなった現代において、B'z『NEW LOVE』の動向は特筆すべきではないでしょうか。デジタルダウンロードからストリーミングに移行していることが昨日発表の上半期チャートから見受けられるのですが(ということを弊ブログでも昨日記載しました)、それとは逆行している動きに映ります。

 

『NEW LOVE』からは、タイアップが付いた3曲のミュージックビデオ(もしくはスタジオライブの模様)はフルもしくはショートバージョンで、先月相次いで公開されています。

他にも「デウス」がこの春から車のCMソングに起用。

しかし、昨年からのタイアップ曲が複数あるにもかかわらず『NEW LOVE』からは先行してシングルCDが切られておらず、デジタルダウンロードも先行で解禁されていません。つまり、アルバムCDを購入することではじめて、音源を所有することになるわけです。

 

なぜオリジナルアルバム発売前に一切シングルCD化、デジタル解禁を行なわず、またアルバムリリース週にデジタル解禁をしなかったのか…おそらく下記ニュースにその答えがあるものと考えます。

オリコンランキングを『NEW LOVE』が制したことでアルバムの首位獲得は29作品目となり”アルバム首位獲得数”が、また今回のセールスにより”アルバムの総売上枚数”が共に歴代1位を更新しています(オリコンが無断転載や引用を強く禁じているゆえ、そのままの引用は控えました)。販売をCDに絞ることでデジタルダウンロードへの移行が出来ないためこれまで築き上げてきた記録を確実に伸ばしてニュースバリューを高める、シングルCD化もしくはタイアップ曲を単曲ダウンロード解禁して先行リリースするとアルバム購入をレンタル解禁まで控えられるのを恐れる、単曲での購入が可能な形でアルバムをデジタルダウンロード解禁すればタイアップ曲中心に買われアルバム単位での購入が減るのを懸念する…それらを踏まえての判断だったのかもしれません。アルバムは前々作以降、初週売上が21.0→20.1→20.7万枚といずれも20万枚を突破し、且つ『NEW LOVE』は前作超えを果たしています。仮にデジタルダウンロード同時解禁ならば今作が初週20万枚を切った可能性はあったのかもしれませんが、それでも立派な数字であることに間違いはありません。

 

 

もしかしたら今後、これまでCDのみのチャートでギネス(相当の)記録を継続している歌手の作品は、その記録を絶やさぬべく販売が慎重になり、デジタルを控えCDのみで販売することが出てくるかもしれません。ジャニーズ事務所所属歌手には記録保持者が少なくないため同事務所でのデジタル解禁はやはり近くないのではと考える自分がいます。

ならば、複合指標から成るビルボードジャパンアルバムチャートの認知度が高まり、その複合指標(アルバムCDセールス、デジタルダウンロードおよびルックアップ。ルックアップはパソコンにCDを取り込む際のインターネットデータベースへのアクセス数であり、CDレンタルも反映され、”所有(購入/売上)”と共に”接触”もカウントされます)をまんべんなく獲得した作品がデジタル未解禁の作品を凌駕したチャートアクションが見られ、フィジカル/デジタルで分けることなく発表したほうが好いということが広く世間に、そして音楽業界内でも広まるのが最善ではと思うのです。個人的にはビルボードジャパンソングスチャート同様、アルバムチャートにおいても総合ポイントが提示されるといいのかもしれません。