イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

2019年上半期の社会的な、もしくはチャートを語る上で欠かせないヒット10曲を選んでみました

このエントリーでは今年上半期に社会的にヒットした、もしくはチャートを語る上で欠かせない曲を邦楽洋楽5曲ずつ、合計10曲選んでみました。昨年分は下記リンク先に掲載。今回から表題を変更しています。

邦楽についてはビルボードジャパンの上半期ソングスチャート(Hot 100)を参照。

ビルボードジャパンおよび米ビルボード、昨年度以前のリリース曲を排して選んでいます。今年上半期は昨年度同期における米津玄師「Lemon」のような楽曲はないものの、注目すべき作品は少なくない気がします。

 

 

King Gnu「白日」

アルバム『Sympa』のヒットから間もなくリリースされたドラマ主題歌。アルバムの熱が冷めやらぬうちに発表というタイミングの絶妙さもさることながら、いわゆるJ-Popらしいメロディや展開に落とし込まないところが痛快。攻めの楽曲がストリーミング等接触指標で長く支持されているのは、この曲が新たなJ-Popのスタンダードとなった証拠。

 

Official髭男dism「Pretender」

『コンフィデンスマンJP』のドラマ版主題歌「ノーダウト」でメジャーデビューしてから1年、映画版主題歌も担当した髭男。現段階でビルボードジャパンソングスチャート最高2位、大ヒットの基準たる3週以上7000ポイント超えを余裕でクリア。過去曲もストリーミング主体に再ヒットし大ブレイクしたと言っても過言ではない状況に。今月発売の「宿命」の前評判も高く、今年の『NHK紅白歌合戦』は確定といっていいでしょう。

 

星野源「Pop Virus」

今年上半期のビルボードジャパンアルバムチャートを制した『POP VIRUS』のタイトル曲。『ミュージックステーション』での披露後間もなくミュージックビデオを(それもフルバージョンで)公開したこと、スタッフによるつぶやきの推奨、アルバムタイトル曲をリード曲に据えたこと等、アルバムプロモーションの完璧な流れを作っていました。同曲はソングスチャートにおいて、アルバム初登場週に8位を獲得しています。

 

三浦大知「Blizzard」

昨年度以前のリリース曲が大半を占めた今年上半期ソングスチャート上位20曲の中で13位を記録。動画再生(こちらもフルバージョンでの公開)、ストリーミング、デジタルダウンロード、シングルCDセールス等バランス良くポイントを獲得。またTwitter指標での”ブリ活”なる動きにも注目(その後Twitter指標への自分の見方は変わりましたが)。「EXCITE」に次ぐ大ヒットに至ったという印象があります。

 

欅坂46「黒い羊」

シングルCDセールスが突出する一方で他指標が伴わないアイドル曲において接触指標にも長け、一際輝く成績を収める欅坂46の大ヒット曲。元NGT48の山口真帆さんが同グループを卒業する際にも用いられ新たな意味を持つことになるのですが、正直に社会を変えようと願ったり問題を提起する者がきちんと報われる社会になるにはどれだけ時間がかかるのか…と、NGT48や上層部のその後の動きを考えると悲観する自分がいます。

 

⑥ リル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」

日本での知名度はいまいちと思しき一方、アメリカでは間違いなく今年ナンバーワンヒットとなるだろう特大ヒットとなり、最新チャートで13週目の首位を獲得。Tik Tokでのヒット→カントリー歌手のビリーの加勢によりストリーミング新記録樹立→ミュージックビデオ公開→EPリリース…と爆発力およびロングヒット化双方の条件を満たしています。

 

アリアナ・グランデ「7 Rings」

評判の高かった昨年のアルバム『Sweetener』から間髪入れずに新曲「Thank U, Next」をリリースし米ビルボードソングスチャートで初の首位を獲得したアリアナによる、2曲目のナンバーワンヒット。最新アルバムが首位獲得した週の米ソングスチャートではトップ3を独占し、ビートルズ以来の快挙を達成。日本では曲名の和訳を施した入れ墨を揶揄する心無い声が…アリアナが日本を嫌いにならないことを願うばかりです。

 

⑧ ビリー・アイリッシュ「Bad Guy」

アリアナ同様コーチェラ・フェスティバルに出演したことも話題になったビリー・アイリッシュ、初のフルアルバムからの先行曲。アルバム『When We All Fall Asleep, Where Do We Go?』は米アルバムチャートで初週30万ユニットを突破し、コーチェラも経て楽曲単位でも米ソングスチャート最高2位を記録する大ヒットに。

 

⑨ Blackpink「Kill This Love」

コーチェラ・フェスティバルの動向はYouTubeライブを経て日本でも影響を与えたものと考えます。特に人気を博した一組はBlackpinkではないかと。「Kill This Love」は昨年話題になった「Ddu-Du Ddu-Du」の最高位記録を日米共に更新。海外にK-Popが波及していることに加え日本においても、日本語版リリースがなくとも接触指標が高くヒットに至ることが証明されました。

 

テイラー・スウィフト「You Need To Calm Down」

ビルボードソングスチャートでは2→13位と急落していますが、政治的メッセージを込めた曲を、それも保守的な音楽ジャンルであるカントリーを出身とするテイラー・スウィフトが放つのは意味があること(遅きに失した感も指摘されていますが)。8月23日発売の『Lover』はメッセージ性の強い作品という噂もあり、来年のグラミー賞最優秀アルバム賞を獲得したならば間違いなく”トランプ政権への対峙”の空気を醸成しそう。

 

 

自分がスタッフの一員を務める『わがままWAVE It's Cool!』(FMアップルウェーブ 日曜17時 サイマルラジオで全国何処からでも聴取出来ます)では次回、DJしょうごくんによる上半期ヒット曲総ざらい特集を行います。現役大学生の彼が選ぶ今年上半期のヒット曲にも是非注目してください。