イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

最新8月26日付ビルボードジャパンソングスチャートでFoorin「パプリカ」が最高ポイントを更新、その原動力は

米津玄師「馬と鹿」がダウンロード配信に伴い最新8月26日付ビルボードジャパンソングスチャートで2位にジャンプアップ。その影響で旧譜も上昇していることは昨日お伝えした通りです。

その前週にはミュージックビデオ効果で米津玄師さんのセルフカバーによる「パプリカ」がチャートインし、2週続けてソングスチャート18位に登場しています。

実はこのタイミングで、オリジナルのFoorinバージョンが2週続けて最高ポイントを更新しています。2週前、8月12日付でも前週比105.6%と伸びていたのですが、8月19日付で前週比114.2%の4138ポイント、そして最新週で前週比121.1%となる5011ポイントとなり、自身初の5千ポイント超えを達成しました。なお、これまでのポイント推移は下記に。

(ちなみに、上記ブログエントリーでの”同じ轍を踏まない”とは、Foorinバージョンの2種類の動画にソングスチャートを構成するひとつである動画再生指標の加算対象となるISRCが未付番であるゆえ、米津玄師さんバージョンではきちんと付番してほしいとの願いを込めての表現でした。米津さん版はきちんとカウント対象となった一方、Foorinバージョンは未だに一度として動画再生指標が加算されておらず、至極勿体無いと思います。詳しくはFoorin版「パプリカ」はビルボードジャパンソングスチャートで数万ポイントを逃した? ミュージックビデオをアップする際のISRC付番の重要性(8月10日付)をご参照ください。)

 

さて、今回のFoorinバージョン躍進の要因について。CHART insightで確認すると、ソングスチャート構成の8指標で大きく上昇したのはTwitterで、過去最高位となる37位を記録。そして個人的に注目したいのはラジオエアプレイの28位で、昨年8月27日付の16位以来となる高水準をマークしています。

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(Foorin「パプリカ」のCHART insightより、上記は総合ソングスチャートおよびチャート構成8指標を、下記は総合およびラジオエアプレイ(緑の折れ線)のみを抽出したもの。なおTwitterは水色、動画再生は赤で示されます。)

先述した昨年8月27日付で総合チャート100位以内に入ったFoorin「パプリカ」は翌週以降100位圏外(300位以内)となり、本格的なブレイクは昨年大晦日の『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか)以降となるのですが、今年に入ってからもラジオエアプレイは他指標に比べて低水準となっていました。音源リリースに先駆けて上昇する一方、他指標に比べてランクダウンも速いというのがラジオエアプレイの特徴なのですが、それがここに来て急上昇しています。

一方、米津玄師さんバージョンの「パプリカ」のCHART insightをみると、チャートを構成するのは動画再生とTwitterの2指標のみ。ラジオエアプレイは加算されていません。

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おそらくはラジオエアプレイ解禁前ということでしょう。これにより、【米津玄師さんバージョンの「パプリカ」へのリクエストが寄せられる→解禁前のためOA出来ない→FoorinバージョンをOAして対応する】…ゆえにFoorin版がラジオエアプレイ指標で再浮上したと想像出来るのですが、いかがでしょう。

 

新曲等の解禁で過去曲や関連曲へ注目が集まるのはよくみられることですが、とはいえ今回の米津玄師さんバージョンの登場でFoorinバージョンが最高ポイントを更新する事態をみるに、米津玄師さんが如何に影響力を持っているかを強く実感させられます。