イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

Superfly「愛をこめて花束を」が今週動画再生急浮上した理由も”UGC”だった

ビルボードジャパンソングスチャートを構成する8つの指標のうち、動画再生が突如増加する曲については弊ブログでその理由を解明してきました。

特にフィッツ&ザ・タントラムズ「HandClap」は先週と今週動画再生指標を制し、最新9月9日付総合ソングスチャートでも22位に。最高位を更新しているのは興味深いところです。

 

そんな動画再生指標を一気に駆け上がった曲が今週も。 

11年前にリリースされたSuperflyの代表曲。総合ソングスチャートでは長きに渡りランクインし、特に2015年1月12日付以降は常時300位以内、時折100位以内にも入っています。さらに今年度からカラオケ指標が導入され同指標で40位前後を保っていることで、より安定したチャートアクションを示すように。しかしながら今週、前週100位圏外だった動画再生指標が突如17位まで上昇し、総合でも97位に上昇したのです。

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ミュージックビデオは今夏1億回再生を突破した人気作品ではありますが、それだけの力ではないのではと思い調べてみると、この動画が突如人気になったからと考えられます。

(動画自体は結婚式のサプライズというプライベートな作品ゆえ、大きく貼り付けるのは控え、リンクの紹介のみにとどめます。)

この動画の投稿日は7月18日でしたが、このタイトルもしくはURLをTwitterで検索すると初めてつぶやかれたのが8月28日。その後数十件ツイートされていることから、動画を観た方の口コミで再生回数を伸ばしたといえます。この動画の詳細欄には「愛をこめて花束を」がクレジットされていることに加え、この動画のインスパイア源とされる動画(説明欄にリンク先有)にも楽曲がクレジットされていることから、今回の集計期間(8月26日~9月1日)内に口コミで2つの動画が多く再生されたことで「愛をこめて花束を」の動画再生指標が伸びたと結論付けていいでしょう。

歌手の公式YouTubeアカウント発ではない動画がビルボードジャパンソングスチャートの動画再生指標にカウントされるのは、先述したフィッツ&ザ・タントラムズ等同様に動画が”ユーザー生成コンテンツ(UGC)”に該当するゆえ。きちんと権利関係をクリアした動画がヒットすれば、チャートも上昇するというわけです。今後はこのようなヒットが更に増えてくることでしょうし、日本でも狙ってヒットさせることが出来るようになるかもしれません(出来ればそのような戦略に長けるようになっていただきたいと願うばかりです)。

 

最後に。カラオケ指標で上位に登場する楽曲は総合チャートでも安定傾向にありますが、楽曲の中にはストリーミングはおろかミュージックビデオもしくはダウンロードも用意されていない曲があり、Twitter等で話題になったとしても牽引される指標がないもしくは少ないためにチャートを上昇しにくい傾向があり、非常に勿体無いと感じます。またカラオケ指標の上位陣は変化に乏しいため、チャート自体の硬直性を招く遠因ではとも。今後のチャート改正(チャートポリシーの変更)時にカラオケ指標について再考してほしいという私見を書き添えておきます。