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チャート愛好家。ビルボードジャパンや米ビルボードのソングスチャートなどを紹介します。

真のヒットかの見極めはシングルCD加算2週目の動向を見よ、ストリーミング解禁は所有へも波及する…9月30日付ビルボードジャパンソングスチャートをチェック

9月16~22日を集計期間とする、9月30日付のビルボードジャパン各種チャートが昨日発表されました。これを踏まえ、毎週木曜はソングスチャートを中心に、最新チャートを押さえていきます。

 

AKB48サステナブル」が”真のヒット”となるかは次週で判断が必要

サステナブル」は前作「ジワるDAYS」のシングルCDセールス初加算週時のポイントを上回る好成績を獲得。しかし気になるのはそのチャート構成比。

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次週シングルCDセールスが大きくダウンすれば、他指標が伸びない限り急落は必至。昨年の選抜総選挙投票シリアルナンバーが封入された(ことでセールスが伸びた)「Teacher Teacher」以降今回に至るまでのシングルは全て、シングルCDセールス加算初週の各指標の動向はほぼ一緒であることから、今回の「サステナブル」も同様の動きを示す可能性が高いと思われます。この動向についてはこの春記載しました。

サステナブル」のシングルCDセールス加算2週目におけるポイント前週比は5%未満の可能性大。坂道グループの20%強に比べて圧倒的な差が生じることとなるでしょう。次週、前週比5%未満且つ2週先行でシングルCDがリリースされた乃木坂46「夜明けまで強がらなくてもいい」(今週8位)を下回るならば、AKB48サステナブル」は社会的なヒットとは言えないというのが私見です。

 

・米津玄師「馬と鹿」VS 嵐「BRAVE」、2週目の動向は

前週、27.7万枚差のシングルCDセールスを逆転し総合で嵐「BRAVE」を破った米津玄師「馬と鹿」は2位に。嵐は2→5位とそれぞれダウンしました。しかしながら、シングルCDセールス加算2週目におけるポイント前週比にはちょっとした差が。

シングルCDセールス加算2週目におけるポイント前週比は、「馬と鹿」がドラマ主題歌等の共通点から比較対象となる「Lemon」に劣る一方、「BRAVE」は前作「君のうた」とほぼ変わらず。「君のうた」の2週目のシングルCDセールスが前週比6.9%に対し「BRAVE」が3.7%と、初週の好セールスの反動が生じているものの、他指標が高かったゆえか総合のポイント前週比は前作並となりました。

 

吉幾三「TSUGARU」、演歌歌手で異例のヒットの仕方

集計期間の前週にリリースされた吉幾三「TSUGARU」が総合43位に初登場。Twitter指標は51→13位となり前週から口コミはあったものの、ネットメディア等の記事が相次いで登場したことなどがダウンロードや動画再生に波及した形です。

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この曲は演歌ではありませんが、演歌歌手のヒットの図式はシングルCDの複数のバージョンをリリースしてシングルCDセールス主体に稼ぐ→翌週急落という形がほとんどだっただけに、所有と接触(口コミ含む)をバランスよく稼いでいるのは面白い動きです。一般的な演歌のシングルCDの販売手法について、および演歌に必要と思しきヒットの施策については以前書いています。

トラックを現代風にリミックスした作品もアップされているのですが、YouTubeの動画詳細欄には楽曲がクレジットされており、動画再生の加算対象となっているものと考えられます。

個人的には吉幾三さん側に「TSUGARU」の声等のパーツを用意していただきリミックスを募るのも面白いと思うのですがいかがでしょう。そして仮に次週以降もランクインし続けるならば、『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか)への出場もあり得るのではないかと、割と本気で思うのです。

 

Perfume安室奈美恵…ストリーミング解禁は所有も他の接触手段も伸ばす

アルバムチャートを制したのはPerfumeのベストアルバム『Perfume The Best "P Cubed"』。アルバムチャートを構成するアルバムCDセールス、ダウンロードおよびルックアップ全てで1位となる完全制覇を達成しています。このベストアルバムリリースのタイミングで、Perfumeはストリーミングを解禁。

この解禁が、ともすればベストアルバム買い控えを起こすかもしれないという見方もあるかもしれませんが、前のアルバム『Future Pop』(2018)のCDセールス80655枚→98818枚と2万枚近く上昇しています(一方ダウンロードは7716→5428とダウン)。ベストアルバムはオリジナル・アルバム以上に売れるという特性はありますが、これはストリーミング解禁が所有や接触(ルックアップ)を刺激したとみていいのではと思うのです。その理由が安室奈美恵『Finally』の動きから見て取れます。

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9月20日Apple Music以外のサブスクリプションサービスへストリーミング解禁を果たした安室奈美恵さんの楽曲群。この影響で『Finally』の全指標が上昇に転じているのです。ストリーミングはセールスを妨げる(から解禁しない)という理由で解禁していない歌手がいるのだとしたら、もしかしたらそれは思い込みに過ぎないかもしれません。

 

Official髭男dism、ストリーミングトップ3独占&「Pretender」1億回再生突破

ストリーミングを味方に付け大ブレイクを果たしつつあるのがOfficial髭男dism。

ストリーミングチャートにおける5曲同時トップ10入りは今年3月11日付におけるあいみょんさん以来史上2組目の快挙達成。ソングスチャートでも3曲がトップ10入りを果たし、さらに「Pretender」は史上4曲目且つ最速での1億回再生を突破しました。

10月9日にはメジャーファーストアルバム『Traveler』をリリースしますが、そこからの先行カットとなる「イエスタデイ」も6位に到達。面白いのはダウンロードも4位と上位に入っていること。アニメ映画『HELLO WORLD』(9月20日公開)の主題歌でありアニメタイアップ曲は所有されやすいという特性ゆえかもしれませんが、アルバムの到着まで待てないというファンの購入が好セールスに反映されたものと考えると、『Traveler』の動向はどうなるのか楽しみで仕方ありません。

 

今週のソングスチャートトップ10はこちら。

米津玄師さんスタッフの公式Twitterアカウントがビルボードジャパンソングスチャートトップ10のツイートを用いて感謝のコメントをつぶやいていますが、こういった動きによりビルボードジャパンソングスチャートが伝わっていくならば嬉しいですね。

 

最後に、前週のソングスチャートまとめで危惧していた、手塚翔太「会いたいよ」の動画再生指標について。

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ミュージックビデオ公開を期間限定としていたことで、動画再生指標が”遮断”という結果に。これは実に勿体ない動きです。期間限定にした理由は不明ながら、仮にミュージックビデオも収録された映像盤付のシングルCDを購入してほしいというレコード会社の判断だとしたら、シングルCDセールスは6→19→36位とダウンの一途であり、その施策は必ずしも有効ではないと思うのです。