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チャート愛好家。ビルボードジャパンや米ビルボードのソングスチャートなどを紹介します。

流行をキャッチする力はストリーミングとラジオで大きく乖離する…アメリカと日本の場合を考える

前週、メイベル「Don't Call Me Up」のビルボードジャパンソングスチャートにおけるチャートアクションを元に、ラジオエアプレイにおける"守りの姿勢"を厳しく指摘しました。

この掲載の後、下記のエントリーが今年2月に掲載されていたことを知ったのですが、読んで色々考えさせられました。

ここ数年アメリカでヒットした楽曲の、Spotifyおよびビルボードのラジオエアプレイチャートを比較したグラフが非常に解りやすいのです。リリース時に既に知名度の高い楽曲ならばラジオエアプレイの加速も速いですが、たとえばデュア・リパにとって初の米ビルボードソングスチャートトップ10入りとなる「New Rules」(2017 最高6位)は、Spotifyチャートでトップ50入りしたその4ヶ月後にはじめてビルボードラジオエアプレイチャートで50位以内に登場したわけです。この件ひとつだけとってみても、今の音楽業界におけるストリーミングとラジオエアプレイの流行を捉える力や関係性を如実に示しているかのようです。

 翻って日本はというと、ビルボードジャパンソングスチャートのラジオエアプレイ指標では初登場で上位に登場する例が少なくなく、たとえばスピッツ「ありがとさん」は9月16日付のラジオエアプレイ指標で初登場1位を獲得しています。邦楽の場合は新鋭の歌手の作品も速やかに上位に進出することが多く、ストリーミングが十分に浸透していないだろうことなどを踏まえるに、アメリカほどストリーミングとラジオエアプレイには乖離が生まれていないように思います。しかしながら前回取り上げたメイベル「Don't Call Me Up」は輸入盤ではなく国内盤がリリースされたタイミングが最も盛り上がっており、同時にラジオエアプレイの盛り上がりが他指標(ストリーミング等)に波及していないことが、ラジオの流行をいち早く捉えたり追う力、影響力の乏しさ、さらには保守的な姿勢を物語っています。ラジオが海外の流行に乗り遅れていることや、結局はCDリリース(それも日本のレコード会社発)ありきのエアプレイになっているだろうことがリスナーにバレているかは分かりませんが。

 

日本では今後、諸外国並にストリーミングが興隆していくことが予想されます。そうなればラジオ局や番組はより流行に敏感でいないと、人々のラジオ離れが進むであろう危機感を抱かないといけないでしょう。