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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

嵐「Turning Up」がトップ10入り、そして次週のチャートからいよいよSpotifyが加算へ…11月11日付ビルボードジャパンソングスチャートをチェック

毎週木曜は、前日発表されたビルボードジャパン各種チャートの注目点をソングスチャート中心に紹介します。今週のソングスチャートを制したのは=LOVE「ズルいよ ズルいね」でした。

=LOVEは自身初となる首位を獲得。しかしながらチャート構成比に占めるシングルCDセールスが9割を超えること、前作「探せ ダイヤモンドリリー」が2→40位と推移したことを考えるに、次週どこまで踏みとどまれるかが気掛かりです。一方、前週首位を記録したSexy Zone麒麟の子」については。

ジャニーズ事務所所属歌手としては平均的な前週比となりましたが、やはりシングルCDセールスが極端に強い作品がヒットを維持出来ない傾向にあることは間違いなく、Official髭男dism「Pretender」(シングルCDセールス指標は4週連続で100位未満)との差を実感させられます。とはいえ「麒麟の子」は今週になってダウンロード指標が加算されていることに注目。おそらくはレコチョクでフル尺のダウンロードが出来るようになったこと(→こちら)が影響しているのかもしれません。

 

そのダウンロード指標を制したのは、嵐「Turning Up」でした。

デビュー20周年記念日を迎え、11月3日の日曜日にデジタル解禁を発表した嵐。ダウンロードが解禁されたのは、同日の19時で、月曜から日曜を集計期間とする“JAPAN HOT 100”では苦戦が予想されたが、なんと残りの5時間で初めてのデジタル・シングルである新曲「Turning Up」が29,599DLをマークし、ダウンロード指標で1位を獲得した。「Turning Up」は他指標ではTwitter 7位のみポイントを獲得して総合10位となり、訴求力の高い“国民的アイドル”の名にふさわしい結果を叩き出した。

【ビルボード】177,296枚を売り上げた=LOVE「ズルいよ ズルいね」初の総合首位獲得 デジタル解禁の嵐の新曲「Turning Up」わずか5時間で週間ダウンロード1位 | Daily News | Billboard JAPAN(11月6日付)より

仮に11月4日月曜にリリースされたならば、シングルCDセールスがなくともチャートを制した可能性も高かったかもしれませんが、ミュージックビデオをYouTubeプレミア公開しファンと共に祝うなど、CDデビュー20周年記念日を盛り上げることを優先した結果このタイミングでの発表となったと捉えていいでしょう。個人的にはサブスクリプションサービスの再生回数等に基づくストリーミング、および動画再生の2指標で300位以内に入らなかったことが意外でしたが、この2指標は次週加算されるはず。Spotifyデイリーチャートでは11月4日、そして5日付で「Turning Up」が3位に入りOfficial髭男dismが長らく続けてきたトップ3独占を阻むことに成功しています。

 

そのSpotifyですが、遂にビルボードジャパンのストリーミング指標に加算されることになりました。

これは自分が以前、ビルボードジャパンソングスチャート構成8指標について見直しを提案した際に取り上げたこと。

今回のチャートポリシー変更により、ストリーミング指標へ加算されないサブスクリプションサービスはAmazon Prime Musicのみとなりました(ただしAmazon Music Unlimitedは加算対象)。尤もSpotifyには有償と無償のサービスがあるため、米ビルボードソングスチャートのように両者でウェイトに差をつけるかどうかは不明ですが、今回の発表には差をつける云々の文言がないため、おそらくウェイトは同じと考えていいでしょう。

 

今年度のチャートはまもなく終了。自分が提案した各構成指標の内容や指標毎のウェイト変更が叶うかは不明ですが、ひとつはっきり言えるのはストリーミング指標(サブスクリプションサービス)の存在がますます大きくなったということ。Spotifyの加算の意義は非常に大きいと思います。