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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

マライア・キャリー、ブレンダ・リーのクリスマスソングがワンツーフィニッシュ達成…12月28日付米ソングスチャートをチェック

現地時間の12月23日月曜に発表された、12月28日付最新ソングスチャート。マライア・キャリーによる1994年リリースの「All I Want For Christmas Is You (邦題:恋人たちのクリスマス)」が2週目の首位を獲得、ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」が2位に到達し、チャート史上初めてクリスマスソングがワンツーフィニッシュを達成しました。

前週初めて首位を獲得したマライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」はストリーミングでもクリスマスソング史上最大となる5440万を獲得(前週比19%アップ)、同指標3週連続、通算4週目の首位を獲得しました。ダウンロードは公式ホームページで販売したシングルCD等が加算された前週の反動で前週比44%ダウンの15000(同指標7位)、ラジオエアプレイは同26%アップの4290万(同14位)を獲得しています。

マライア・キャリーが「All I Want For Christmas Is You」で1990年代以降3つのディケイドで首位を記録したことについては前週お伝えしました(→マライア・キャリーのあのクリスマスソングが25年を経て首位獲得、ジュース・ワールド8位再浮上、トーンズ・アンド・アイも遂に…12月21日付米ソングスチャートをチェック(12月17日付)参照)。その際にも書きましたが、今シーズンのクリスマスソングがピークを迎えるのは来週(2020年1月4日付)と予想されるため、同日付のソングスチャートで「All I Want For Christmas Is You」が1位を獲得したならば、マライアは2020年代を含む4つのディケイドで首位を獲得した初の歌手となります。マライアはそれを意識してでしょうか、2019年版のミュージックビデオを前週金曜に公開。再生回数は来週以降、ストリーミング指標に加算されます。

続く2位にはブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」が1ランクアップし、同曲の最高位を更新。ストリーミングは前週比22%アップの4530万(同指標2位)、ダウンロードは同5%アップの6000(同30位)、ラジオエアプレイは同3%アップの2700万(同33位)となり、米ビルボードは下記ミュージックビデオの登場がストリーミングの上昇に作用したと伝えています。

クリスマスソングについては他にも、バール・アイヴス「A Holly Jolly Christmas」が4ランクアップの6位となり最高位を更新、ボビー・ヘルムス「Jingle Bell Rock」が6ランクアップで9位に到達。トップ10にクリスマスソングが4曲ランクインするのは昨シーズンにクリスマスソングがピークに達した2019年1月5日付以来となります(同日付チャートについては米ソングスチャート、マライア・キャリーのクリスマスソングがストリーミング効果でトップ3入り(2019年1月1日付)をご参照ください)。また今週はワム!Last Christmas」が17位に入り同曲初、ワム!にとって7曲目となるトップ20入りを果たしています(これまでの最高位は25位)。この曲についてはミュージックビデオの4Kバージョンがストリーミングを押し上げたと言えるでしょう。

ブレンダ・リーワム!をはじめとする今年のクリスマスソングの施策については下記ブログエントリーにまとめています。

クリスマスソングが目立つチャートの中、ポスト・マローン「Circles」が3位にダウンしながらもラジオエアプレイでは同曲初となる首位を記録(前週比3%アップの9670万)。ポストにとって同指標を初めて制したことになります。

そして5位にはリル・ウージー・ヴァート「Futsal Shuffle 2020」が初登場。

ストリーミングは4090万を獲得しクリスマスソング2曲に次ぐ同指標3位、ダウンロードは6000で同29位を記録。リル・ウージー・ヴァートにとってはミーゴスに客演した「Bad And Boujee」(1位)、自身の「XO Tour Lif3」(7位)に次ぐ3曲目のトップ10となり、主演曲では最高位を更新しました。TikTok等でフットサルの足さばきを模したダンスチャレンジが人気となり上昇したとみられています。

(勝手ながら紹介させていただきました。問題があれば削除いたします。)

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (1位) マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」

2位 (3位) ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」

3位 (2位) ポスト・マローン「Circles」

4位 (6位) アリゾナ・ザーヴァス「Roxanne」

5位 (初登場) リル・ウージー・ヴァート「Futsal Shuffle 2020」

6位 (10位) バール・アイヴス「A Holly Jolly Christmas」

7位 (7位) マルーン5「Memories」

8位 (4位) ルイス・キャパルディ「Someone You Loved」

9位 (15位) ボビー・ヘルムス「Jingle Bell Rock」

10位 (5位) リゾ「Good As Hell」

『Fine Line』が今年3番目のユニット数を記録し今週のアルバムチャートを制したハリー・スタイルズは、「Adore You」(24位)含め7曲が100位以内にランクイン。クリスマスソングの大量エントリーもあってかトップ10入りは果たせませんでしたが、次週以降の動向に注目です。

そのクリスマスソングのピークが来週だと考えれば、史上初となるクリスマスソングのトップ3独占もあり得るでしょう。クリスマスソング以外の楽曲はそれまでにどうやって体力を維持し、クリスマスソング急失速後に施策を用意するかが求められます。ジャスティン・ビーバーが今日動き出すという話も聞こえてきており、”クリスマスソング後”を見据えた戦いが既にはじまっているように感じます。