ここ数年の恒例となっている、日本版グラミー賞があったなら...と仮定しノミネーションを考える企画、今年はスケジュールの都合で遅れてしまいました。2018年版は下記に。
米グラミー賞は日本時間の今日開催。主役はビリー・アイリッシュかリゾか? さらには授賞式直前に噴出した賞内部の告発の行方も気になってしまいますが、良質な音楽に賞が与えられ、次年度以降改善してくれたならと切に願います。
さて、昨年から米グラミー賞が主要部門のノミネーションを5→8作品(歌手)と拡大したことに伴い、ここでも8作品(歌手)取り上げます。ビルボードジャパンチャート等を参照に、選んでみました。
○日本版グラミー賞 主要4部門ノミネート一覧
・対象:2018年12月~2019年11月発売の作品より選出
(ちなみに米グラミー賞は2018年10月~2019年8月発売)
・新人賞(Best New Artist)についてはメジャーデビューしてからアルバム1枚以上リリースした歌手が対象(しかしながらその限りではない)
セレクトは昨日完了しました。
Record Of The Year (最優秀レコード賞)
・「Pretender」Official髭男dism
・「白日」King Gnu
・「黒い羊」欅坂46
・「馬と鹿」米津玄師
・「愛にできることはまだあるかい」RADWIMPS
・「紅蓮華」LiSA
・「Wasted Nights」ONE OK ROCK
これは昨年の日本レコード大賞発表終了後につぶやいた内容から変わっていません(ツイートはこちら)。昨年はシングルCDセールスのみに長けたアイドル曲が他指標でヒットすることは多くありませんでしたが、「黒い羊」は別のアイドルグループの問題でもピックアップされ注目されたこともあり選出。
Song Of The Year (最優秀楽曲賞)
・「Pretender」Official髭男dism
・「遠視のコントラルト」君島大空
・「白日」King Gnu
・「黒い羊」欅坂46
・「あなただけ」長谷川白紙
・「ロマンチシズム」Mrs.GREEN APPLE
・「海の幽霊」米津玄師
・「愛にできることはまだあるかい」RADWIMPS
大ヒットした楽曲もさることながら好事家の評判も中心に選定。『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日 日曜23時10分)で今月放送された"売れっ子プロデューサーが選ぶ年間ベスト10企画"でも取り上げられた君島大空、長谷川白紙両氏をセレクト。また、ビルボードジャパンソングスチャートにおいてどの曲がより愛されているかがより強く出ている指標がカラオケやストリーミング(サブスクリプションサービスの再生回数)であるものと考え、難解な曲ながらカラオケ指標でトップ10入りした「白日」や、年間ストリーミングソングスチャート29位に入ったMrs.GREEN APPLE「ロマンチシズム」も選出。
Album Of The Year (最優秀アルバム賞)
・『Traveler』Official髭男dism
・『Sympa』King Gnu
・『834.194』サカナクション
・『THE ANYMAL』Suchmos
・『エアにに』長谷川白紙
・『POP VIRUS』星野源
・『だから僕は音楽を辞めた』ヨルシカ
こちらもヒット作、好事家の評判や各メディア(個人単位でブログ等にて発信しているものも含む)の年間ベスト等からバランス良く選んでみました。大ヒットしたONE OK ROCKやBUMP OF CHICKENも入れるべきとは思いつつ、賛否両論は耳にすれどサイケデリックに振り切り音楽好きの評価を集めたSuchmosや、アルバム単位で世界観を構築したヨルシカを選ぶほうが"グラミー"らしいのではないかと。
Best New Artist (最優秀新人賞)
・Eve
・君島大空
・崎山蒼志
・SIRUP
・長谷川白紙
・milet
・ヨルシカ
前回の選定の際も書きましたが、この部門の基準は各賞で曖昧に。今年のグラミー賞では2013年にアルバムをリリースしたリゾが対象期間内にメジャーでファーストアルバムをリリースし、この部門に選ばれています。ゆえにここでも、対象年度に最初の作品をリリースした方から、メジャーファーストアルバムを出した方まで様々選出。日向坂46は選出に迷いましたが、その歌手にしか出せない世界観の構築という面では今回選んだ8組のほうがより優れているのかもしれません。
以上主要4部門、いかがでしょうか。
以前からの繰り返しになりますが、音楽業界には日本版グラミー賞的な賞の創設は必要です。世界に誇る音楽賞が形骸化し日本レコード大賞への疑問が毎年のように噴出する一方、それを指摘する方が前向きな意見を提示しないことは疑問を抱きます。ならばきちんとした賞を設定する、日本レコード大賞を変えるよう提言し続けることは必要です。