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チャート愛好家。ビルボードジャパンや米ビルボードのソングスチャートなどを紹介します。

Mrs. GREEN APPLE「インフェルノ」がロングヒットのフェーズへ…さらなる施策と、やるべきでなかった施策

先週水曜に発表された最新2月17日付ビルボードジャパンソングスチャート、100位以内にはOfficial髭男dismおよびKing Gnuが8曲、米津玄師さんが4曲(DAOKOさんとの共演曲を含む)ランクインする等、複数曲がランクインしている歌手の勢いを感じるのですが、米津玄師さんと同じく4曲を送り込んだのがMrs. GREEN APPLE井上苑子さんをフィーチャーした「点描の唄」(67位)、「青と夏」(68位)、「ロマンチシズム」(82位)、そして最も高い位置にいるのが「インフェルノ」。前週と変わらず23位をキープしています。

元々はアルバム『Attitude』(2019)からの先行配信としてリリースされた、テレビアニメ『炎炎ノ消防隊』(MBS・TBS)のオープニングテーマ。第1期第1クールのテーマということで、リリース直後から秋にかけてヒットし、昨年7月29日付で22位に初登場して以降10月14日付に至るまで合計4度、最高位となる22位をマークしています。

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その後なだらかに降下したこの曲ですが、12月23日付以降は再浮上。特にダウンロードや動画再生指標が大きく伸びストリーミング指標も牽引する形で、今年1月13日および20日付で17位にまで達し、その後は比較的安定して推移しているのです。

この再浮上の理由は明確でした。

引用リツイートされたSpotifyのツイートが消えているのが残念ですが、「インフェルノ」に合わせて寺の僧侶が鐘を打ち、”2019年 Mrs. GREEN APPLEの総再生時間で535回年が越せる”というキャッチコピーが印象的なCMといえば、思い出す方も多いでしょう。このCM効果が放送開始直後から如実にチャートアクションに表れた形です。先週のブログエントリーでロングヒット曲のチャート構成比の条件を記載しましたが、「インフェルノ」はストリーミング指標が突出しているものの、動画再生指標との2指標で8割弱を占めており、ロングヒットの条件を満たしていると言えるかもしれません。条件については下記に。

また、最も動きが鈍いカラオケ指標において最新週で43位に達し最高位を更新していることから、今後この曲が高値安定となれば尚の事ロングヒットが見込めるものと考えます。

 

惜しむらくは初期の動画再生指標の強くなさ。

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CHART insightのうち、総合チャート(黒の折れ線で表示)と動画再生指標(赤)のみを抽出したのが上記。これはリリース当初にティザー映像だけが用意され、ミュージックビデオフルバージョンは翌月にならないと公開されなかったことが原因と考えます。ティザー映像はこちら。

ティザー映像はユニバーサルミュージックジャパンの、ミュージックビデオはMrs. GREEN APPLEYouTubeアカウント発。後者のランクインまでタイムラグがあるのはおそらく、当初ミュージックビデオにISRC(国際標準レコーディングコード)が未付番だった可能性が高いと思われますが、歌手側がミュージックビデオをリリースタイミングで発表出来ないのは実は以前から見られたことです。

リリース時の曲の所有を増やすための措置と考えますが、シングルCD未発売の曲にまでこの体制を施すユニバーサルミュージックジャパン側の対応を疑問に思います。仮にリリース当初からミュージックビデオをフルバージョンで解禁していたならば、SpotifyのCMに用いられる前の段階でより大きなチャートアクションを示せたのではないでしょうか。この施策は歌手側の損になるゆえ止めるべきだという強い私見を添えておきます。

 

インフェルノ」は今後順位をキープするか、なだらかに低下する可能性も考えられますが、ロングヒットしている曲として『ミュージックステーション』(テレビ朝日 金曜21時)等で取り上げられたならば大きく飛躍する可能性を秘めています。2月7日放送の同番組で披露されたLiSA「紅蓮華」は番組効果も相俟って、2月3~9日を集計期間とする2月17日付ビルボードジャパンソングスチャートにおいてポイント前週比122.6%を記録。『ミュージックステーション』側はLiSAさんに、最新シングルの「unlasting」(昨年12月リリース)ではなくロングヒットしている「紅蓮華」を用意させたのでしょう(結果的にチャートアクションにも、またこれまでに比べて高い番組視聴率にも寄与しています)。だとすれば番組側は間違いなくビルボードジャパンソングスチャートを意識しているはずで、ロングヒットのフェーズに入った「インフェルノ」が同番組で披露されるのも時間の問題かもしれません。