毎週木曜は、前日発表されたビルボードジャパン各種チャートの注目点を、ソングスチャート中心に紹介します。
5月11~17日を集計期間とする5月25日付ビルボードジャパンソングスチャート。14週連続で2位以内をキープし前週首位だったOfficial髭男dism「I LOVE...」が3位へ後退。瑛人「香水」が初めて首位を獲得、2位にはYOASOBI「夜に駆ける」が入りました。
【ビルボード】瑛人「香水」、ヒゲダンとYOASOBIを抑え自身初の総合首位獲得 https://t.co/O1FIOd5Ov3 pic.twitter.com/O5hbbMFQeQ
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2020年5月20日
「香水」と「夜に駆ける」の差はわずか82ポイント。「夜に駆ける」については集計期間の後半、5月15日金曜夜に"THE FIRST TAKE"シリーズの一種となる"THE HOME TAKE"版が公開されました。
「夜に駆ける」は3月30日付で76位に初登場を果たして以降、ポイント前週比が120%前後で推移してきました(ただし、ポイントが表示されるのは50位までのため、3月30日→4月6日付の推移は不明)。それが今週は138.5%となり、これまでにない伸びを示しているのです。
そのYOASOBIに勝ったのが瑛人さんでした。「香水」のポイント前週比は121.2%と「夜に駆ける」には及ばないものの、ストリーミングで2週連続の首位を獲得。再生回数は700万目前となり、Official髭男dism「I LOVE…」が4月13日付で771万を叩き出して以来の高水準となります。
【ビルボード】瑛人「香水」がストリーミング2連覇 YOASOBI/yamaらネットシーン出身アーティストが台頭 https://t.co/JKvHaEhiuA pic.twitter.com/aK7AGr3lbC
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) 2020年5月20日
瑛人さんは5月16日放送のTBSラジオ『TALK ABOUT』に出演。ラジオ初出演を果たし「香水」を生でパフォーマンスしていました。
パーソナリティを務めるDa-iCE工藤大輝さんは、瑛人さんが(放送日の段階で)レコード会社にも芸能事務所にも所属していないと紹介。そして「香水」のヒットについて、瑛人さんはこのように語っています。
『5月16日放送のTBSラジオ「TALK ABOUT」ではメディア初出演を果たした。(中略)「どっきりだな、これは。誰かが俺の携帯使っている(と思った/笑)」と率直な心境を告白。』 https://t.co/71f7d94nX3
— Kei / ブレストコナカ (@Kei_radio) 2020年5月20日
TikTokでこの曲がカバーされはじめたきっかけは定かではないものの、同時多発的に広まりサブスクや動画再生に広がりを見せたのはまさに今を表すヒットと言えるでしょう。シンプルなアレンジやストレートな歌詞が、カバー等に用いられやすいことでヒットに至ったのではと考えます。
これまで瑛人「香水」そしてYOASOBI「夜に駆ける」について取り上げたブログエントリーは下記に。ブレイクのきっかけを知るきっかけになれば幸いです。
ちなみに、「香水」においてさらに伸びるために必要なのはラジオエアプレイの強化ではと書きました。
最新ビルボードジャパンソングスチャートにおけるラジオエアプレイ指標は「香水」が92位、「夜に駆ける」が100位圏外(300位以内)。このわずかな差が総合チャートの勝敗を分けたのではとも思うのです。
それにしても、今週は記念すべき週となりました。
#ビルボードジャパン最新チャート速報
— Kei / ブレストコナカ (@Kei_radio) 2020年5月20日
最新ソングスチャート1位の #瑛人「#香水」・2位の #YOASOBI「#夜に駆ける」はシングルCD未リリース。シングルCDセールスおよびルックアップの指標未加算曲のワンツーフィニッシュは昨年6月17日付以来(米津玄師「海の幽霊」および菅田将暉「まちがいさがし」)
実は、仮に新型コロナウイルスの影響が小さくシングルCDの発売延期がなかったならば、この3週に渡りKing & Prince「Mazy Night」(4月29日→6月10日に延期)、KinKi Kids「KANZAI BOYA」(5月5日→6月17日に延期)、NMB48「だってだってだって」(5月13日→発売日未定)が入れ替わり首位を獲得していた可能性が高かったはず。しかしこれまでの傾向を踏まえれば、アイドル等シングルCDセールスに特化した曲は同指標の初加算週に総合で首位を獲得しても、翌週CDセールスがダウンし他指標で補完出来ないことで総合チャートで急落することが多いためロングヒットに至るとは考えにくく(ジャニーズ事務所所属歌手は嵐を除き未だデジタルに明るくないため尚の事)、ゆえに年間チャートにおいて「香水」や「夜に駆ける」といった曲が上回るはずです。シングルCDセールスが突出した曲は加算初週と翌週のチャート動向を見て真のヒットかを確認する必要があると以前から記載しているのはこのためで、CDに頼らないヒットの仕方が認知されれば嬉しいですね。そして日本では、TikTokをきっかけにストリーミングや動画再生といった接触指標群が牽引しヒットに至る曲が今後増えていくことでしょう。そこには、レコード会社や芸能事務所に所属しているか否かは大きな意味を成さないのかもしれません。
「香水」で話題のシンガーソングライター・瑛人 @et0603
— TuneCore Japan (@TuneCoreJapan) 2020年5月5日
メディア初インタビュー
- Apple Musicシングル総合 1位
- LINE MUSIC TOP 100 ウィークリー 1位
- Spotifyバイラル 1位
インディペンデントながら “ストリーミングドリーム” を体現するSSWの素顔https://t.co/l31649ZqXY
瑛人さんのメディア初となるインタビューを実施したTuneCore Japanがその見出しに”ストリーミングドリーム”という言葉を用いていましたが、まさに今週はストリーミングを制する曲が大ヒットに至ることを証明しています。
今週発表された米ビルボード、そしてビルボードジャパンのソングスチャートを紹介するポッドキャストを今朝アップしました。今週はシックスナインのクレームに対するアリアナ・グランデ&ジャスティン・ビーバーの反論や米ビルボードの対応、そして瑛人「香水」がリル・ナズ・X「Old Town Road」を彷彿させるという点について紹介。伝えたいことがいつも以上に多く、さらに早口になってしまったことをご了承ください。
Spotifyはこちら。
・Billboard Top Hits:Apple Podcast内のBillboard Top Hits #010 (20200521更新)