face it

チャート愛好家。ビルボードジャパンや米ビルボードのソングスチャートなどを紹介します。

2020年5月の私的トップ10ソングス+α、選出しました

1月からはじめた【私的トップ10ソングス+α】企画。前の月にリリースされた曲を中心に、しかしその縛りは出来る限り緩くした上で選んでみました。ミュージックビデオ等動画がない曲は巻末のプレイリスト(Spotify)でチェックしてみてください。過去の私的トップ10ソングスについてはこちらをご参照ください。

 

 

10位 小林大吾「処方箋 (rebuilt)」

小林大吾さんの代表曲「処方箋 / sounds like a love song」。自分の大好きな曲がセルフカバーされ2年前にリリースされていたものが今月サブスク解禁されたことでエントリー。言葉により強い説得力が宿っています。詳細は以前記載したブログエントリーにて。

 

9位 ケム「Lie To Me」

日本で国内盤が未だリリースされない一方、アメリカでは絶大な支持を集めるR&B歌手、ケムによる久々の新曲。いかにもケムだと思わせる安心なサウンド。4月末リリースの曲ですが今月の1曲にエントリー。

 

8位 ジェシー・ウェア「Save A Kiss」

リモートで作られたミュージックビデオも含め、エレガントさが際立った作品。ビート、コーラス、そしてストリングスの重なりが見事。ジェシー・ウェアについては3月に「Spotlight」を首位としたこともあり、今月19日に登場する4枚目のオリジナルアルバム『What's Your Pleasure?』が楽しみでなりません。

 

7位 フォー・キング・アンド・カントリー with トリー・ケリー & カーク・フランクリン「Together」

クリスチャンミュージック界で活躍し今年のグラミー賞で2部門を受賞したデュオ、フォー・キング・アンド・カントリーがトリー・ケリー、そしてトリーのゴスペル作も手掛けた若き重鎮カーク・フランクリンを招いて制作。ミュージックビデオでも解るようにコロナ禍における連帯を強く謳った曲ですが、個人的には今のアメリカに巣食う人種差別へのプロテストソングとしても強く掲げるべき曲ではないかと思うのです。

 

6位 ジェイコブ・コリアー feat. マヘリア & タイ・ダラー・サイン「All I Need」

ミュージックビデオは未着ながらテレビ番組向けにリモート撮影されたパフォーマンス動画がものすごくファニーで、これだけでもジェイコブ・コリアーの魅力が十分に伝わるはず。4月のベストに挙げた「In My Bones」をプリンスが生きていたら嫉妬したかもと形容しましたが、こちらはアース・ウィンド & ファイアーへの愛に溢れています。夏に出る予定のアルバムが楽しみです。

 

5位 長谷川白紙「Sea Change」

昨年リリースされた初のフルアルバム『エアにに』も絶賛された長谷川白紙さんによるカバーアルバム『夢の骨が襲いかかる!』収録の唯一のオリジナル曲。シンプルなアレンジだからこそ際立つメロディセンス、そして声の美しさに魅了されます。

 

4位 イエバ「Distance」

イントロで虜になった曲。プロデュースはマーク・ロンソン。ドラムはクエストラヴ…さらに初のフルアルバムリリース前にグラミー賞受賞経験を持つイエバの、ファーストアルバムからの先行曲。素晴らしい方々と共演する一方、ここまでの道のりには大きな悲しい出来事が(詳細はソニーミュージックに掲載されたバイオグラフィーをご参照ください→こちら)。失恋の曲ではあれど、その悲しみを天へと届けんとするかのようにも感じた次第。

 

3位 アンドラ・デイ「Make Your Troubles Go Away」

コロナ禍の状況でいち早く、WHO等が主宰しレディー・ガガがキュレートしたイベント”One World: Together At Home”の冒頭を飾ったのはアンドラ・デイによる、心を強くするアンセム「Rise Up」でした。その曲のリリースから5年、届けられた新曲は「Rise Up」に至るための心を築き上げる応援歌といえる内容。「Rise Up」を歌った彼女だからこそ、より強い説得力を有するのです。

 

2位 宇多田ヒカル「誰にも言わない」

ミュージックビデオ、リリックビデオ、オーディオがYouTubeに存在しないため、この曲が用いられたCM関連映像を紹介。Spotifyで曲を聴くとこのCM映像の場面場面がループし、邦楽では未だ多くないSpotifyでの映像提供に拍手したものです(この映像表現についてはSpotifyにおけるミュージックビデオのさらなる活用法、実はSpotify自身が提唱していたので多くの歌手に使ってもらいたい(4月12日付)をご参照ください)。

トップ10はひと組の歌手につき1曲と決めているのですが、このルールがなかったら「Time」もトップ10に入れたほどの傑作。2曲の解説についてはライターで評論家のimdkmさんによる記事、宇多田ヒカル「誰にも言わない」から感じる“私”であることを貫く詞の凄み 「Time」とは対照的なサウンドプロダクションも - Real Sound|リアルサウンド(5月29日付)を是非ご参照いただきたいのですが、その他にも、たとえば盟友の椎名林檎さんが近年の作品でアウトロを長尺にし曲の世界観を強めているように、宇多田ヒカルさんの場合は2番の後の展開にこそ主軸が置かれているかのようで、曲を通して聴いてくれという思いが強く感じられます。4分半を超えるプロダクションは近年の流行に反すると言えるくらいに長尺ですが、心を鷲掴みにされあっという間に時間が過ぎていくのです。

 

1位 藤井風「罪の香り」

ファーストアルバム『HELP EVER HURT NEVER』は好事家から称賛され、さらにはビルボードジャパンアルバムチャートも制覇。藤井風さんに今後ますます注目が集まることは間違いありません。アルバム発売の直前にカットした「キリがないから」も素晴らしいのですが、アルバムでは先行公開済の4曲に続いて配置された「罪の香り」のイントロで完全にノックアウトされてしまいました。ルーツである昭和歌謡をアップデートしたアレンジ、主人公が深みにハマっていく様子(そして最後の最後で”堕ちた”ことが如実に解る様)を描いた歌詞に、解る解る!と深く頷きながら何度も聴いています。

素晴らしいのは、ミュージックビデオ未制作の曲もYouTubeにオーディオが用意され、アルバムがYouTubeで全曲フルサイズで聴ける体制となっていること(→こちら)。ここ数年で登場した歌手がブレイクする理由はこの、曲や歌手を気になって検索した方が素早く曲に触れられる仕組みをきちんと構築していることにあるのではないでしょうか。

 

以下、次点として10曲。

宇多田ヒカル「Time」

・TAMTAM「Summer Ghost」

・藤井風「キリがないから」

・Mom「カルトボーイ」

・yama「クリーム」

・クロイ&ハリー「Do It」

・ハイム「Don't Wanna」

レディー・ガガ「Free Woman」

・レノン・ステラ feat. チャーリー・プース「Summer Feelings」

・モーゼス・サムニー「Bless Me」

トラップも含め幾多のジャンルを飲み込むMom「カルトボーイ」に彼の才能の凄さを実感。ハイムやレディー・ガガはさすがの安定感。 クロイ&ハリーは今週リリースされるニューアルバム『Ungodly Hour』からの先行曲でCDは用意されないようですが、アルバムが楽しみです。

 

Spotifyのプレイリストはこちらに。

今月も素晴らしい音楽に出逢えることを願っています。