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チャート愛好家。ビルボードジャパンや米ビルボードのソングスチャートなどを紹介します。

米津玄師「感電」が首位に肉薄、瑛人「香水」がカラオケ急上昇…ハイレベルな戦いとなった7月20日付ビルボードジャパンソングスチャートをチェック

毎週木曜は、前日発表されたビルボードジャパン各種チャートの注目点を紹介します。

7月6~12日を集計期間とする7月20日ビルボードジャパンソングスチャートは、TWICE「Fanfare」が前週から11ランクアップし首位の座に就きました。2位までが2万ポイント、6位までが1万ポイントを超えるというハイレベルな週となりました。

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一方で「Fanfare」の動向については不安な点も。シングルCDセールスは首位を獲得しながらも、昨年7月に2週連続でリリースされた「HAPPY HAPPY」「Breakthrough」に比べて初週セールスが8~10万ダウンしているほか、パソコンにCDを取り込んだ際にインターネットデータベースにアクセスする数を示すルックアップでは3位となり、セールスと乖離。週間セールスで44倍の差を付けながら、King & Prince「Mazy Night」(総合45位)に同指標の首位の座を譲っているのです。ルックアップはレンタルの動向を示す指標でもあり、また実際の購入者数(ユニークユーザー数)が推測できるもの。ドラマ主題歌がレンタルに長けているという特性もありますが、「Fanfare」はコアなファンに支えられており、一方でライト層への訴求はもう少し必要かもしれません。

注目は次週。シングルCDセールス加算2週目となる「Fanfare」がどの位置になるかが気になります。先月に韓国語曲の「MORE & MORE」がシングルCD未リリースながら3位につけたときと、今回の日本オリジナル曲の動向は大きく異なります。【所有<接触】な韓国語曲に対し、「Fanfare」が【所有>接触】という日本オリジナル曲の動向をなぞってしまうのか、チェックしていきたいと思います。

 

2位には米津玄師「感電」が初登場。

集計期間初日にダウンロードを解禁すると、主題歌に起用されたドラマ『MIU404』(TBS 金曜22時)の第3回放送直後にミュージックビデオを解禁。ビデオは公開から4日と7分でYouTubeでの再生回数が1000万を突破しています。

このミュージックビデオ公開タイミングは、チャートを追いかける身には嬉しい誤算でした。

今週のソングスチャートにおけるミュージックビデオの集計期間は2日と1時間という短期間ながら、5565360回再生され動画再生指標5位に。またミュージックビデオ解禁に合わせた話題づくりの巧さ、さらに『MIU404』放送回の終盤の衝撃も相俟って「感電」への注目度が高まったこともあり、Twitter指標では「Fanfare」を破ってトップに立ちました。

ミュージックビデオの公開はダウンロードへも効果をもたらしています。ダウンロードデータが残っていない「Lemon」は比較不可のため『ノーサイド・ゲーム』主題歌だった「馬と鹿」の初週動向と比べてみると、「馬と鹿」は初動3日間123132→週間172594ダウンロードに対し「感電」は初動3日間88955→週間158572ダウンロードと倍近い伸びに。ドラマ放送日の違いもありますが、ミュージックビデオ効果も間違いなく波及しているはずです。

惜しむらくは米津玄師さんが未だサブスクを解禁していないために、接触指標が動画再生のみの状況でどれだけ勢いをキープできるかということ(ラジオエアプレイも接触指標ではありますが、ユーザー(リスナー)に基本的な選曲権がないため受動的な接触指標となり、能動的なそれにあたるストリーミングや動画再生とは異なります)。次週は動画再生が1週間フルで加算されるため、2万ポイント超えを果たした今週からどこまでとどまることができるのかが気になります。

 

総合ポイントでは共に前週割れとなったYOASOBI「夜に駆ける」および瑛人「香水」ですが、この2曲ともカラオケ指標がトップ5入り。特に「香水」の勢いが凄まじいのです。

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カラオケ指標の集計対象となるDAMおよびJOYSOUNDで集計期間直前に解禁されたことで、今週は初めて1週間フルで加算。前週は100位圏外(300位以内)でしたが今週は2位となり、一気に上昇した形です。今後、コロナ禍の影響で戻りつつあったカラオケユーザーがまた離れかねず同指標が失速する可能性もありますが(最悪の場合は再び集計取り止めも)、しかしながらTikTokYouTubeで歌ってみた動画がバズを起こし総合チャートにも波及した曲がカラオケでも人気に至ることがこの「香水」で証明されたように思います。

 

となると、同様の流れで上昇中の他の曲にも、カラオケでの素早い解禁が求められるものと感じています。

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Tani Yuuki「Myra」はTikTokで火が付き、ストリーミングに波及したことで前週41位に初登場を果たすと、今週は14位まで上昇。サブスクサービスの中で最も流行に敏感と思しきLINE MUSICでは「Myra」が週間チャートを制し、サブスク再生回数を基とするストリーミング指標では5位に到達しています。

瑛人「香水」がはじめてビルボードジャパンソングスチャートでトップ10入りを果たしたタイミングで下記エントリーを記載しました。これはDAMおよびJOYSOUNDで今日現在解禁されていないTani Yuuki「Myra」をはじめ、インディペンデントで活動する多くの歌手にとって、大ヒットのフェーズへ入るために必要なことだと思うのです。

「香水」がカラオケチャートを急上昇したことで同種のヒットの形をなぞる曲のカラオケ需要の高さが証明されたと感じるゆえ、今後これらヒット曲の早急なカラオケ解禁が必要だと感じています。ラジオでの積極的なOAも同様。地上波のテレビ番組で取り上げられれば、未解禁のカラオケやOA数の少ないラジオに対して流行を捉えていないのではとの厳しい目が注がれるかもしれず、ゆえに先回りして自発的な解禁を行うことが必要ではないでしょうか。

ちなみに「Myra」についてはまだ正式なミュージックビデオがない模様。コロナ禍で制作が大変かもしれませんが、動画再生指標が未だ100位未満(300位圏内)という状況を踏まえれば、制作に挑戦してもよいかもしれません。

 

 

次週、シングルCDセールスは山下智久「Nights Cold」が10万枚近いセールスを獲得するものと思われます。前作「CHANGE」がシングルCDセールス加算初週に11809ポイントを獲得して首位の座に就きましたが、「Nights Cold」は「夜に駆ける」「香水」そして「感電」を超えることはできるでしょうか。同曲のリリックビデオが解禁となりましたがフルバージョンではないため、動画再生指標にどれだけ加算されるかは未知数です。

そして、主題歌に起用された映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』の今月23日の公開を控え、今週12位に初登場を果たしたOfficial髭男dism「Laughter」の動向にも注目。ミュージックビデオのティーザーが解禁されましたが、このフルバージョンでの公開如何ではCDリリースを待たずにトップ10入りする可能性もあります。なお「Laughter」の上昇に伴い、今週ソングスチャートで50位以内に入ったOfficial髭男dismの曲は全て、ポイントが前週を上回っています。