face it

チャート愛好家。ビルボードジャパンや米ビルボードのソングスチャートなどを紹介します。

8月10日付ビルボードジャパンソングスチャートを制した嵐「カイト」の各指標の動向、および前週のチャートに抱いたルックアップ指標への疑問に対するビルボードジャパンからの回答

毎週木曜は、前日発表されたビルボードジャパン各種チャートの注目点を紹介します。

7月27日~8月2日を集計期間とする8月10日付ビルボードジャパンソングスチャート(Hot 100)は、嵐「カイト」が63万を超えるシングルCDセールスを武器に、首位の座に就きました。

初週のシングルCDセールスは、前週首位を獲得したSixTONES「NAVIGATOR」(今週7位)とほぼ同じですが(「NAVIGATOR」の初週CDセールスは652277枚)、ポイントは「NAVIGATOR」のシングルCDセールス初加算週が51273ポイントに対し、「カイト」は39590ポイントとなっています。

f:id:face_urbansoul:20200806050430j:plain

SixTONES「NAVIGATOR」のシングルCDセールス初週のチャート構成比(CHART insight)は後述するリンク先に記載されていますが、シングルCDセールスによるポイントは「NAVIGATOR」「カイト」共にどちらもおよそ3万と推測されます。

 

嵐「カイト」を指標毎にみていくと、動画再生指標を獲得できていないことが判ります。「NAVIGATOR」はショートバージョンながらミュージックビデオがアップされているものの「カイト」のミュージックビデオはアップされていません。一方で昨年の『NHK紅白歌合戦』での映像がアップされていますが、発信元がNHKの公式YouTubeアカウントのためでしょう、加算対象となるISRC(国際標準レコーディングコード)が未付番となりカウントされていません。尤も付番されながら再生回数が300位に満たなかった可能性もありますが、NHK関連動画ではFoorin「パプリカ」が未加算を続けていた前例があるため今回の仮説は成り立つものと考えます。この点において、非常に勿体ないと感じています。

「カイト」はラジオエアプレイで26位を獲得。この指標は6月以降のジャニーズ事務所所属歌手のシングル作品が安定して20位前後につけていますが、前週リリースされたデジタルシングルの「IN THE SUMMER」(総合5位)がラジオエアプレイでは41位となっており、2曲で票割れを起こした可能性があります。そしてなによりダウンロードやサブスク等が未解禁のため、デジタル指標群が獲得できていません。ブログ執筆の段階でも未解禁につき、次週はシングルCDセールスの急落に比例してポイントが大きく落ち込むものと思われます。

 

そして「カイト」と、先に示した「NAVIGATOR」との大きな差はルックアップにあります。「カイト」のルックアップに伴うポイントはおよそ8300ポイントと推定され、これは上記チャート構成比におけるルックアップの割合と総合ポイントから割り出せるものですが、一方でSixTONES「NAVIGATOR」は前週同指標で18000ポイント以上を獲得しました。彼らにおいてはデビュー曲「Imitation Rain」のシングルCDセールス加算初週におけるルックアップでの獲得ポイントがおよそ4200だったことから、この突出が「NAVIGATOR」と「カイト」の差につながり、さらに「NAVIGATOR」が今年初且つ唯一の週間5万ポイントを獲得した要因となっています。 

さて、この突出について前週のブログエントリーに疑問を提示させていただきました。「NAVIGATOR」のシングルCDセールス加算初週のチャート構成比等も下記リンク先に掲載されています。

この疑問に対し、ビルボードジャパンポッドキャストで回答がありましたのでお知らせします。

 

ルックアップとは、パソコンにCDを取り込んだ際にインターネットデータベースにアクセスされた数を指しますが、前週のSixTONES「NAVIGATOR」についてはポッドキャストでまずは結論が述べられています。曰く、『高いけど、不自然ではない』というのがビルボードジャパンの回答でした。

ルックアップは実際のアクセス回数に何らかの係数を掛けてポイント化しているもので、その係数についてや「NAVIGATOR」が歴代何位なのかは言及されていません(後者については順位を言及できないと明言)。このルックアップが高い歌手はあいみょんさんやOfficial髭男dism等も該当し、ジャニーズ事務所所属歌手に限っても嵐やSnow Man、King & Prince等が例示されています。またルックアップの数値の高さは一度のみではなく何週もであり(同指標10~20位以内で長く推移)、今年に入ってからは特に多いとのこと。これらを踏まえれば、ルックアップの高さは購入したCDを結果的にパソコンに読み込む文化が根付いてきているゆえではないかと推測されています。ルックアップは他指標と比べて決して高いわけではないものの、レンタルの市場等をデータとして反映させる目的で導入しているものであり、最後に”長い目で見ていかないと”と強調されていました。これがルックアップにおけるビルボードジャパンポッドキャスト担当者からのコメントをまとめ、要約したものです(詳しくは是非ポッドキャストをご確認ください)。

ひとつ、こちらが抱いた疑問として明確に誤っていたのは、同じCDを同じパソコンに何回取り込んでもカウントは1回ということ。それゆえ不自然な現象は起こりにくいという点には納得しました。その疑問を抱いたこと、記載したことについては訂正しお詫び申し上げます。前週のブログエントリーにもこのエントリーへのリンクを貼り、対応しました。

 

今回の回答をいただいたことについて、ビルボードジャパンのポッドキャストをはじめとするスタッフの皆様へ御礼申し上げます。

長ーい目で見て、と小松政夫さんの往年のギャグを用いてスタッフの太田明宏さんが仰っていましたので、この点については中長期に渡り追いかけていこうと思います。ポッドキャストではルックアップの高さが今年増えてきていることが示されていますので、仮にこのルックアップ高騰という現象がみられ、その理由に不自然さがみられると感じた際はあらためて提示させていただきたいと思います。