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「Mood」が首位に返り咲いた11月14日付米ビルボードソングスチャート、「Positions」「Dákiti」が制したグローバルチャートのトップ10をチェック

ビルボードソングスチャート、現地時間の11月9日月曜に発表された最新11月14日付ソングスチャート(Hot 100)は24Kゴールデン feat. イアン・ディオール「Mood」が通算3週目の首位を獲得しました。

前週はアリアナ・グランデ「Positions」等初登場曲に阻まれ3位にダウンした「Mood」が中一週で首位に返り咲き。ストリーミングは前週とほぼ変わらず1920万(同指標6位)、ダウンロードは前週比10%ダウンの7000(同指標6位)、そしてラジオエアプレイは同7%アップの8420万(同指標1位)となっています。次週は、11月6日に公開されたジャスティン・ビーバー&J・バルヴィン参加版が一週間フルで加算されるため、さらなる伸びが期待できます。

11月6日(一部は5日)にリリースされたリミックスについては以前まとめています。

 

前週初登場で首位を獲得したアリアナ・グランデ「Positions」は今週はワンランクダウンし2位に。ストリーミングは前週比28%ダウンの2560万(同指標1位)、ラジオエアプレイは同40%アップの2750万(同指標28位)となり、ストリーミングのダウンをラジオエアプレイでカバーできたことが上位にとどまった要因と言えるでしょう。また今週の米ビルボードアルバムチャートで『Positions』が首位発進したことで、タイトル曲の勢いがキープできたことも大きいと考えられます。ちなみに『Positions』はアリアナにとって6枚目のオリジナルアルバムですが、これまでのアルバムからの先行曲がすべてトップ10入りを果たしています(『Yours Truly』(2013)からマック・ミラーを迎えた「The Way」が10位、『My Everything』(2014)からイギー・アゼリアとの「Problem」が3位、『Dangerous Woman』(2016)からのタイトル曲が10位、『Sweetener』(2018)からの「No Tears Left To Cry」が3位、そして『Thank U, Next』(2019)からのタイトル曲が1位)。

アリアナ・グランデはアルバム『Positions』から、収録曲の「34+35」をソングスチャート8位に送り込んできました。ストリーミングは2170万、ダウンロードは3000、ラジオエアプレイは570万を獲得。これにより、アリアナ・グランデは先述した「The Way」が2013年4月13日付で10位に入って以来、トップ10ヒットが通算18曲目に。7年半というスパンでの18曲のトップ10ヒットは女性歌手では最多となり、ドレイクの31曲に次ぐ歴代2位の記録となります。

 

初登場曲がさらにもう1曲。バッド・バニー & ジェイ・コルテス「Dákiti」が9位に飛び込んできました。ストリーミングは2220万、ダウンロードは5000そしてラジオエアプレイは320万を獲得しています。バッド・バニーにとってはカーディ・B、J・バルヴィンとの「I Like It」(2018 最高1位)、ドレイクをフィーチャーした「MIA」(2018 最高5位)に次ぐ3曲目のトップ10入りとなり、さらにスペイン語のみの曲で初登場にてトップ10入りを果たしたのはその「MIA」および「Dákiti」のみとなります。またジェイ・コルテスにとっては初のトップ10入りを達成しました。

 

初登場とは対極となるロングヒット曲についても確認。ザ・ウィークエンド「Blinding Lights]は前週から1ランクアップの4位に。トップ5在籍記録を史上最多の32週に伸ばし、またトップ10入りも今週で38週。史上最長記録となるポスト・マローン「Circles」(2019-2020)まで遂にあと1週となりました。

そして、ギャビー・バレット feat. チャーリー・プース「I Hope」が前週から1ランクアップし5位に。ソングスチャート登場後45週目にしてのトップ5入りは、イマジン・ドラゴンズ「Radioactive」の42週(初のトップ5入りは2013年6月29日付)を抜き記録を更新した形です。なお史上3位となる34週にはフロリダ・ジョージア・ライン feat. ネリー「Cruise」(2013年に達成)が、史上4位タイとなる30週にはローンスター「Amazed」(2000年に達成)があり(なお30週は「Amazed」を含め4曲が該当)。「I Hope」「Cruise」そして「Amazed」といったカントリーというジャンルの曲が時間をかけてチャート上昇につなげるという傾向が見て取れます。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (3位) 24Kゴールデン feat. イアン・ディオール「Mood」

2位 (1位) アリアナ・グランデ「Positions」

3位 (4位) ドレイク feat. リル・ダーク「Laugh Now Cry Later」

4位 (5位) ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」

5位 (6位) ギャビー・バレット feat. チャーリー・プース「I Hope」

6位 (8位) ジョーシュ・シックスエイトファイヴ × ジェイソン・デルーロ「Savage Love (Laxed - Siren Beat)」

7位 (9位) インターネット・マネー & ガナ feat. ドン・トリヴァー & ナヴ「Lemonade」

8位 (初登場) アリアナ・グランデ「34+35」

9位 (初登場) バッド・バニー & ジェイ・コルテス「Dákiti」

10位 (7位) カーディ・B feat. メーガン・ザ・スタリオン「WAP」

次週は先述した「Mood」のリミックス追加等、リミックス施策で上位進出を果たす曲が出てきそうです。またアメリカ大統領選挙民主党ジョー・バイデン候補が勝利したことで一部楽曲が上昇基調にあり、トップ10入りは微妙かもしれませんがソングスチャートに登場する曲が出てきそうです。

特にYG feat. ニプシー・ハッスル「FDT」(2016)は11月7日に前日比740%アップとなる3000ダウンロードを記録。米Spotifyデイリーチャートでは同日10位に急浮上し翌日は24位にダウンしていますが、米ビルボードソングスチャートで100位以内に入る可能性は十分あると言えるでしょう。

 

 

グローバルチャート速報も紹介。11月14日付グローバルチャートは、Global 200ではアリアナ・グランデ「Positions」が2週連続で、Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.ではバッド・バニー & ジェイ・コルテス「Dákiti」が初登場で制しています。

アリアナ・グランデ「Positions」はGlobal 200で2連覇を達成。ストリーミングは前週比29%ダウンの6990万、ダウンロードは同72%ダウンの12000。ダウンロードの急落は前週初登場したことの反動、および所有行動が同名アルバムに移行したゆえと考えられます。またアリアナはそのアルバムから「34+35」を、ストリーミング4350万およびダウンロード6000を獲得して5位に送り込み、Global 200においてトップ5に2曲送り込んだ3組目の歌手となりました(これまではジャスティン・ビーバーおよびBTSが達成。女性歌手では初)。一方、Global Excl. U.S.においては「Positions」が2位に後退。ストリーミングが前週比30%ダウンの4240万、ダウンロードが同71%ダウンの5000となっています。

バッド・バニー & ジェイ・コルテス「Dákiti」はGlobal 200でストリーミング8350万、ダウンロード6000を獲得し2位発進となりましたが、Global Excl. U.S.では首位に登場。こちらではストリーミングが6150万、ダウンロードが1000となっています。Global Excl. U.S.おいては前週「Positions」が首位を獲得したことでアリアナ・グランデが同チャート史上初となるアメリカ人歌手での首位獲得者となりましたが、バッド・バニーそしてジェイ・コルテスは共にプエルトリコの出身。アメリカ以外の歌手が同チャートを制したのは韓国のBTSおよびBLACKPINK、コロンビアのマルーマに次いで3ヶ国(4組)目となります。

またLiSA「炎」はGlobal 200でトップ10入りは逃しながら、Global Excl. U.S.では4位に。これでGlobal Excl. U.S.では2→3→4位となり、3週連続でのトップ10入りを果たしています。