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リミックス効果で「Mood」がほぼ完勝した11月21日付米ビルボードソングスチャート、ラテンミュージックが強いグローバルチャートのトップ10をチェック

ビルボードソングスチャート、現地時間の11月16日月曜に発表された最新11月21日付ソングスチャート(Hot 100)。24Kゴールデン feat. イアン・ディオール「Mood」が通算4週目の首位を獲得しました。

2位をキープしたアリアナ・グランデ「Positions」はストリーミングが前週比17%ダウンの2120万(同指標3位)、ダウンロードが5000(同指標22位。記事には前週比記載なし)、ラジオエアプレイが前週比14%アップの3160万(同指標21位)であるのに対し、「Mood」はストリーミングが前週比32%アップの2530万(同指標1位)、ダウンロードが同86%アップの13000(同指標2位)、ラジオエアプレイが前週からほぼ1%アップの8500万(同指標1位)となり、「Positions」を大きく引き離すどころか完勝に近い状況となっています。これはデジタル2指標の集計期間初日となる6日に、ジャスティン・ビーバーとJ. バルヴィンを迎えたリミックスを新たにリリースしたゆえ。ただし曲の獲得ポイントにおけるジャスティン・ビーバーおよびJ. バルヴィン参加版のシェアがオリジナルを上回っていないため、チャート上のクレジットは24Kゴールデン feat. イアン・ディオール(名義)となっています。

 

6日リミックスリリース案件でいえば、ジャスティン・ビーバー feat. チャンス・ザ・ラッパー「Holy」が前週から4ランクアップし7位に。こちらはアコースティックバージョンが新たにリリースされたことが影響しています。ストリーミングおよびダウンロードの数値の記載はないためその影響の大きさは解りかねますが、ラジオエアプレイは前週比8%アップの4810万となり同指標10位に上昇。ラジオエアプレイのトップ10ヒットはジャスティン・ビーバーにとって16曲目、チャンス・ザ・ラッパーは3曲目。ちなみにチャンス・ザ・ラッパーにおいてはDJキャレドとジャスティン・ビーバーのコラボレーション曲(「I'm The One」(2017 5位)、「No Brainer」(2018 8位))への参加に次ぐトップ10入りとなり、すべてジャスティン・ビーバー関連曲での登場となります。

「Mood」「Holy」ともにリミックスの加勢でさらに勢いづいていますが、この2曲は以前ブログエントリーで紹介しています。

ここで取り上げたもう1曲、マルーマ「Hawái」へのザ・ウィークエンド参加版も存在感を発揮し、「Hawai」は前週の60位から12位へ上昇。曲のポイントにおけるリミックス版のシェアがオリジナルを上回ったことで、「Hawai」のクレジットはザ・ウィークエンド客演参加版となっています。マルーマはHot 100で自己最高位を更新しました。

 

ザ・ウィークエンドといえば、「Blinding Lights」が1ランクダウンしながらも5位に入り、トップ5ランクイン記録を歴代最長の33週に伸ばしています。またトップ10入りは39週となり、遂にポスト・マローン「Circles」(2019-2020)に並ぶ歴代最長タイとなりました。次週、この記録の更新がかかっています。

ロングヒットといえば、ギャビー・バレット feat. チャーリー・プース「I Hope」が遂に3位に到達。ストリーミングは前週比14%アップの980万(同指標30位)、ダウンロードは同81%アップの9000(同指標6位)、ラジオエアプレイは同2%ダウンの7810万(同指標2位)となり、ラジオエアプレイ以外が伸びています。これは集計期間中にABCで放送された第54回カントリーミュージック協会賞(CMAアワード)でふたりによるコラボレーションが披露されたため。Hot 100登場46週目にしてトップ3入りを果たし、イマジン・ドラゴンズが「Radioactive」(2012-2013)で打ち立てた記録を3週上回りました。

こちらもロングヒット関連。10位にはポップ・スモーク feat. リル・ベイビー & ダベイビー「For The Night」が登場。7月18日付で6位に初登場を果たしたこの曲は、以降10位未満ながら40位以内へ滞在し続け、今週18週ぶりにトップ10に返り咲きを果たした次第。ストリーミングは前週比6%ダウンの1850万(同指標5位)、そしてラジオエアプレイは同34%アップの1780万を獲得し、同指標初となる50位以内(42位)へ登場しています。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (1位) 24Kゴールデン feat. イアン・ディオール「Mood」

2位 (2位) アリアナ・グランデ「Positions」

3位 (5位) ギャビー・バレット feat. チャーリー・プース「I Hope」

4位 (3位) ドレイク feat. リル・ダーク「Laugh Now Cry Later」

5位 (4位) ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」

6位 (7位) インターネット・マネー & ガナ feat. ドン・トリヴァー & ナヴ「Lemonade」

7位 (11位) ジャスティン・ビーバー feat. チャンス・ザ・ラッパー「Holy」

8位 (9位) バッド・バニー & ジェイ・コルテス「Dákiti」

9位 (6位) ジョーシュ・シックスエイトファイヴ × ジェイソン・デルーロ「Savage Love (Laxed - Siren Beat)」

10位 (12位) ポップ・スモーク feat. リル・ベイビー & ダベイビー「For The Night」

 

 

グローバルチャート速報も紹介。11月21日付グローバルチャートはバッド・バニー & ジェイ・コルテス「Dákiti」がふたつのチャートを制覇。Global 200では前週から1ランクアップしアリアナ・グランデ「Positions」から首位の座を奪還、Global 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.では連覇を達成しています。

Hot 100では前週から1ランクアップの8位に入ったバッド・バニー & ジェイ・コルテス「Dákiti」。Global 200ではダウンロードが前週比33%ダウンの4000となった一方、ストリーミングが同32%アップの1億1020万となり、ストリーミング指標でトップを獲得。Global Excl. U.S.ではダウンロードが前週比12%ダウンの1000となった一方でストリーミングが同44%アップの8860万となり、こちらでもストリーミングが牽引した形です。Global 200におけるストリーミングの1億1020万という数値は、BLACKPINK「Lovesick Girls」が10月17日付で獲得した1億2380万に次ぐ歴代2位となります。

 

Hot 100で首位を獲得した24Kゴールデン feat. イアン・ディオール「Mood」はGlobal 200で1ランクアップの2位、Global Excl. U.S.では2ランクアップし3位を獲得。先述のジャスティン・ビーバーおよびJ. バルヴィン参加によるリミックス効果に伴い、Global 200ではストリーミングが前週比25%アップの7000万、ダウンロードが同83%アップの19000を獲得。またGlobal Excl. U.S.ではストリーミングが前週比22%アップの4650万、ダウンロードが同76%アップの7000となっています。ただしHot 100同様、曲の獲得ポイントにおけるジャスティン・ビーバーおよびJ. バルヴィン参加版のシェアがオリジナルを上回っていないため、チャート上のクレジットは24Kゴールデン feat. イアン・ディオール(名義)となっています。

 

マルーマ「Hawái」はGlobal 200で前週から6ランクアップの3位、Global Excl. U.S.では4ランクアップの2位に躍進。Global 200ではストリーミングが前週比53%アップの8570万、ダウンロードが同149%アップの6000を、Global Excl. U.S.ではストリーミングが前週比41%アップの6880万、ダウンロードが同223%アップの3000を獲得。Hot 100同様、ザ・ウィークエンド参加版リミックスの公開に伴う大幅上昇ですが、Hot 100とは異なりザ・ウィークエンドの名は2つのグローバルチャートでクレジットされていません。曲の獲得ポイントにおけるザ・ウィークエンド参加版のシェアがオリジナルを上回っていないためです。

 

今週のGlobal Excl. U.S.においては、バッド・バニー & ジェイ・コルテス「Dákiti」が1位、マルーマ「Hawái」が2位となり、同チャートでは初めてラテンミュージックがワンツーフィニッシュを達成しました。また2つのグローバルチャートのトップ5は、順位は異なれど双方共同じ曲で占められています。一方、Global Excl. U.S.で前週4位のLiSA「炎」は順位を2つ落とし6位へ。同チャートでは4週連続となるトップ10入りを果たしています。