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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ビリー・アイリッシュ「Therefore I Am」が2位に躍進した11月28日付米ビルボードソングスチャートおよびグローバルチャートトップ10をチェック

ビルボードソングスチャート、現地時間の11月23日月曜に発表された最新11月28日付ソングスチャート(Hot 100)。24Kゴールデン feat. イアン・ディオール「Mood」が通算5週目の首位を獲得、またビリー・アイリッシュ「Therefore I Am」が前週から92ランクアップし2位に到達しました。

集計期間はストリーミングおよびダウンロードが11月13日金曜から、ラジオエアプレイが16日月曜からの1週間。「Mood」は前週、ジャスティン・ビーバーとJ. バルヴィンを迎えたリミックス(→YouTube)を6日金曜にリリースしたことでデジタル2指標が大きく伸びましたが、今週はその反動が表れた形。ストリーミングは前週比12%ダウンの2230万(同指標2位)、ダウンロードは同35%ダウンの8000(同指標5位)となり、またラジオエアプレイは前週比1%ダウンとなる8450万(同指標1位)。ラジオエアプレイでもピークを超えたと捉えることが可能であり、次週以降ポイント下降幅が大きくなる予感がします。

「Mood」はロック&オルタナティブソングスチャートおよびオルタナティブソングスチャートで13週目、ラップソングスチャートで6週目の首位を獲得したほか、ポップソングスエアプレイチャートでも5週目の首位に。そのポップソングスエアプレイチャートでは、集計対象となるラジオ局で今週17748回もOAされています。このチャートが1992年に始まって以降、これまでエド・シーラン「Shape Of You」が2017年4月15日付で持っていた17707回OAという最高記録を、「Mood」が塗り替えた形です。

 

ビリー・アイリッシュ「Therefore I Am」が2位に急上昇。リリースは11月12日木曜であり、前週はラジオエアプレイ4日、ストリーミングとダウンロードはわずか1日という集計期間でありながら94位に初登場。そして3指標はじめて1週間フルに集計された今週、総合2位に到達しました。ストリーミングは310万→2420万(同指標1位)、ダウンロードは5000→14000(同指標2位)、ラジオエアプレイは1170万→1830万(同指標43位)を獲得。ビリー・アイリッシュにとっては「Bad Guy」(2019 1位)、「Everything I Wanted」(2019 8位)、「My Future」(2020 6位)に続く4曲目のトップ10入りとなります。

なお、「Therefore I Am」の92ランク上昇は歴代4番目となる上昇幅。95ランクアップ(96→1位)にブリトニー・スピアーズ「Womanizer」(2008年10月25日付)、96ランクアップ(97→1位)にケリー・クラークソン「My Life Would Suck Without You」(2009年2月2日付)、そして最も上昇幅が大きい98ランクアップ(100→2位)はテイラー・スウィフト feat. ブレンドン・ユーリー「Me!」(2019年5月11日付)。なお「Me!」はリル・ナズ・X feat. ビリー・レイ・サイラス「Old Town Road」に阻まれ、首位を獲得するには至れませんでした。

 

首位の「Mood」、2位の「Therefore I Am」は共に2000年代生まれの歌手による作品であり、トップ2を同世代が制したのは初となります(24Kゴールデンは2000年11月13日、ビリー・アイリッシュは2001年12月18日生まれ。なおイアン・ディオールは1999年3月25日生まれであるため、あくまで主演歌手に絞った記録となります)。2000年代以降の歌手で首位を獲得したのはこの2名および、BTS参加版に伴い「Savage Love (Laxed - Siren Beat)」が10月17日付で首位に到達したジョーシュ・シックスエイトファイヴ(2002年11月5日生まれ)となります。

 

ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」は2ランクダウンしながらも7位にとどまり、40週目のトップ10入りを果たしました。これにより、ポスト・マローン「Circles」が持っていた39週を上回り、トップ10入り歴代最長記録を更新しています。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (1位) 24Kゴールデン feat. イアン・ディオール「Mood」

2位 (94位) ビリー・アイリッシュ「Therefore I Am」

3位 (2位) アリアナ・グランデ「Positions」

4位 (3位) ギャビー・バレット feat. チャーリー・プース「I Hope」

5位 (4位) ドレイク feat. リル・ダーク「Laugh Now Cry Later」

6位 (7位) ジャスティン・ビーバー feat. チャンス・ザ・ラッパー「Holy」

7位 (5位) ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」

8位 (6位) インターネット・マネー & ガナ feat. ドン・トリヴァー & ナヴ「Lemonade」

9位 (8位) バッド・バニー & ジェイ・コルテス「Dákiti」

10位 (10位) ポップ・スモーク feat. リル・ベイビー & ダベイビー「For The Night」

ビルボードではクリスマスソングもリエントリーを果たしています。

マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」が29位に再登場。ストリーミングは前週比50%アップの1170万、ダウンロードは同54%アップの4000、ラジオエアプレイは同51%アップの1570万を獲得しています(情報はbillboard chartsのTwitterアカウントによるツイート(こちらおよびこちら)より)。

ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」が43位に再登場。ストリーミングが前週比79%アップの880万、ダウンロードが同790%アップの7000、ラジオエアプレイが同45%アップの1320万を獲得しました(情報はbillboard chartsのTwitterアカウントによるツイート(こちらおよびこちら)より)。

この2曲は、昨年のクリスマスシーズンで特に大ヒットし、今年1月4日付米ビルボードソングスチャートでワンツーフィニッシュを達成しています。

一方で翌週となる1月11日付チャートではクリスマスソングが一掃されたことで、一定週数以上在籍した曲が一定の順位を下回れば今後チャートには登場できないという米ビルボードソングスチャート特有のリカレントルール適用に伴い、特に強いクリスマスソングの再登場はないのではないかと考え(また米ビルボードの記事でも最後と表現されていたものと捉えていたため尚の事)、同日付のチャート紹介時に”有終の美”と記しました。が、それは当たっていなかったことになります。リカレントルールについては、今月記載したこちらの内容をご確認ください。

 

 

グローバルチャート速報も紹介。200を超える地域の主要デジタルプラットフォームによるストリーミングとデジタルダウンロードで構成され、歌手のホームページでの販売分を含まないグローバルチャート。11月28日付ではGlobal 200、そしてGlobal 200から米の分を除いたGlobal Excl. U.S.共にバッド・バニー & ジェイ・コルテス「Dákiti」が連覇を達成。また両チャート2位にはビリー・アイリッシュ「Therefore I Am」が入りました。

ビルボードソングスチャートで9位に入った「Dákiti」は、Global 200ではストリーミングが前週比6%ダウンの1億370万、ダウンロードが同14%ダウンの4000を、Global Excl. U.S.ではストリーミングが前週比5%ダウンの8390万、ダウンロードが同6%ダウンの1000を獲得。特筆すべきなのはGlobal 200におけるストリーミングの高さで、前週(1億1020万)に続き2週連続で1億回超えを果たしたのは「Dákiti」が初となります。

ビリー・アイリッシュ「Therefore I Am」は2つのグローバルチャートで2位に初登場。Global 200ではストリーミング7280万およびダウンロード26000、Global Excl. U.S.ではストリーミング4930万およびダウンロード13000を獲得。「Therefore I Am」は「Dákiti」よりダウンロードが大きく勝っているものの、ストリーミングの差を逆転するには至れませんでした。

Global 200とGlobal Excl. U.S.ではトップ10のうち9曲が、順位は異なれど同じ曲で占められています。唯一異なるのはGlobal 200におけるカーディ・B feat. メーガン・ザ・スタリオン「WAP」(10位)、そしてGlobal Excl. U.S.におけるLiSA「炎」(7位)。「炎」はゆっくりダウンしているものの2→3→4→6→7位と推移し、5週連続でGlobal Excl. U.S.トップ10入りを果たしています。