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青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

【Diggin'】04. ”Covers” of Their Own Composition

勝手に仮想ラジオ番組を立ち上げ、中心となる特集を”見えるラジオ”としてブログに掲載していく金曜日。今週は、【提供曲のセルフカヴァー】を取り上げます。

 

 

今週、玉置浩二さんが自身の提供曲のセルフカヴァー集『Offer Music Box』をリリースしました。これまでの提供曲、全160曲もの中から厳選した11曲が収録されています。ちなみに、玉置さん提供曲のリストを掲載している方がいらっしゃいます(→コチラ)。これだけの膨大な楽曲をデータベース化した、その熱意に感服です。

アルバムの、本人出演によるダイジェスト映像はコチラ

(余談ですが、TOKIOおよびV6への提供曲が抜けているのは残念です。個人的にはV6「愛なんだ」が好きなだけに余計にそう思います。事務所側からの差し止め要求か、それとも要求の可能性を見越しての玉置さんスタッフ側の配慮なのかは解り兼ねますが、いずれにせよ音楽を純粋に楽しむことができない現状を憂いてしまいます。)

 

ジャズ・ファンク的「サザン・ウインド」の編曲アプローチの格好良さもさることながら、レコード大賞受賞曲の香西かおり「無言坂」や独特の可愛い歌いまわしがピッタリだった斉藤由貴悲しみよこんにちは」というそれぞれの歌手のイメージが色濃い楽曲も、玉置さんが歌うとあまりにも自然で、玉置さんの世界観が確立されていることに驚かされます。Amazonの評価も非常に高いのが嬉しいですね。是非全曲フルで聴いてみたいところです。

 

 

というわけで、今回はこのアルバムに影響を受け、【提供曲のセルフカヴァー集】をお送りします。提供されたアーティストのヴァージョンと肩を並べる…もしくは超えたと個人的に実感するセルフカヴァー曲、全7曲です。

 

…と、紹介する前に、まずは敬意とお礼を。今回の特集を思いついて間もなく、この素晴らしいブログを発見しました。今回紹介する曲の大半はこちらにも掲載されています(ので、自分なりの言葉で今回は記載します)。膨大なデータベースで、自分もそうでしたが新たな発見にきっと出逢えます。是非御覧ください。これだけの情報量に、脱帽です。

セルフカバー中心の音楽ブログ(現在は更新を停止し、セルフカバー中心の音楽wikiを執筆されております)

 

 

 

山下達郎「硝子の少年」(アルバム『OPUS ~ALL TIME BEST 1975-2012~』(2012)収録)

オリジナルはKinKi Kidsのデビューシングル(1997)。特に堂本剛さんの(当時の)年齡にそぐわぬ、悲しみを湛えた大人の表現力に脱帽したものです。今年のベスト盤にはデモ名義で収録されていますが、KinKi版とはまた違う大人目線のしっかりとした歌唱は、流石の一言に尽きます。ラジオ番組で流れる度に(とはいえ、頻度は高くなかったのですが)、公式音源化を望む声は多く、今回念願のCD化となりました。

 

中島みゆき「宙船(そらふね)」(アルバム『ララバイSINGER』(2006)収録)

オリジナルはTOKIOのシングル(2006)。TOKIO史上一番のロングヒットを記録した彼らの代表曲の一つ。約3ヶ月後に発売されたセルフカヴァー版はTOKIOよりヴォーカルもアレンジも力強く、冒頭での独特のビブラートからして実に男気に溢れており逞しいですね。ニコニコ動画で、”漢”との評価コメントが溢れていたのも納得の逸品です。

 

児島啓介「Stop!」(アルバム『Rock/Pops/Soul/祈り』(2004)収録)

オリジナルはSMAP(2000。アルバム『S map ~ SMAP014』収録)。現在は”枝豆王子”としての活動が目立つ児島啓介さん(『タモリ倶楽部』にも王子として出演した経緯あり)。以前、2004年のアルバムリリース後のライヴを拝見したのですが、そのギターさばきとセクシー且つ熱いヴォーカルに魅了され、一目ならぬ”一聴”惚れした次第。曲は、特に木村拓哉さんの歌声や立ち居振る舞いがしっくりくるような世界観を持っています。

 

スピッツ「愛のしるし」(アルバム『花鳥風月』(1999)収録)

オリジナルはPUFFYのシングル(1998)。PUFFY独特のゆるいダンスやヴォーカルと冒頭のティンパニインパクトが強い楽曲も、草野マサムネさんが歌うとまさに”マサムネ節”。なるほどまぎれもなく草野マサムネさん的メロディだよな、と実感できます。

 

・CINDY「ROSÉCOLOR」(アルバム『Don’t be afraid』(1991)収録)

オリジナルは中山美穂さんのシングル(1989)。本人出演の資生堂のCMに用いられたため、聴いたことある方も少なくないでしょう。どことなく中山美穂さんに声質が似てる(それでいて実に素直に軽やかに歌う)からか、この曲以外にも「人魚姫 mermaid」などを提供しています。山下達郎さんのツアーに参加したのもヴォーカルのチカラゆえでしょう。

余談ですが、数年前、中山美穂さんの楽曲経由でCINDYさんを調べたところ、2001年に亡くなっていたことをWikipediaにて知りました。あまりに若すぎる死にただただ驚くばかり。今聴いても色褪せないみずみずしい歌を作り、歌っていたことは、彼女をツアーに起用していた山下達郎さんに共通するものがあります。2000年代ならどんな音楽を作り上げたのか、聴いてみたかったですね。

 

 

さて、セルフカヴァーは大きく分けて2種類あると思われます。ひとつは提供先がアイドルであるということ(上記5例はこのパターン。PUFFYがアイドルかどうかは判断が分かれるところでしょうが)。そしてもうひとつは実力派歌手であるということでしょう。というわけで、後述の2曲はこのパターンに属します。

 

・友川かずき(現:友川カズキ)「夜へ急ぐ人(ちあきなおみに捧ぐ)」(アルバム『ぜい肉な朝』(1996)収録)

オリジナルはちあきなおみさんのシングル(1997)。先日の弊ブログでオリジナル版をもとにコントを披露した志村けんさんについて紹介したのですが、ある意味志村けんさんより、同時に紹介した紅白でのちあきなおみさんのパフォーマンスよりも、”鬼気迫る”という表現が一番ピッタリ来るのはこの友川さんのヴァージョンかと。一筋縄ではいかないリズムの取り方も、より深い闇の中で”おいでおいで”をしてるかの錯覚を一層強める効果をもたらしているようです。

ちなみに、友川さんは今年、ナインティナインのオールナイトニッポンにゲストで登場しています。その模様を臨場感たっぷりにブログ上で再現しているところがありますので、紹介させていただきます。お笑い番組を追いかけているブログの中でも、とりわけ読み応えがあり、お笑い愛に溢れている、個人的にも大好きなブログです。

ヨイ★ナガメ - 雑感【ナイナイのANN(ゲスト:友川カズキ)】

 

さかいゆう「How Beautiful (with PIANO)」(シングル『ストーリー』(2009)収録)

オリジナルは土岐麻子さんのシングル(2008)。自身が出演したユニクロのCMソング。透明感あふれる土岐麻子さんのヴォーカルも素敵ですが、透明感を持ち合わせつつサビでは力強さもみせるさかいゆうさんの説得力は見事です。さかいゆうさんは土岐さんの他にも、玉置浩二さん同様今週リリースされた小泉今日子さんのアルバム『Koizumi Chansonnier』からの先行配信曲「100%」を手がけていたり、信近エリさんの「きみなんだ」(2009)という、これまたぬくもり溢れる曲を提供したりしていますので、玉置さん同様にいつかはセルフカヴァー集を出してほしいなと強く願っています。

 

 

今回取り上げた他にも、竹内まりやさんによる「駅」や「ミラクル・ラブ」、スガシカオさんの「アオゾラペダル」、末光篤さんの「Butterfly」等、素晴らしいセルフカヴァーが多数存在します。いずれ機会を見つけて紹介できたならと思います。